バトル・ロワイアル (映画)
| バトル・ロワイアル | |
|---|---|
| 監督 | 深作欣二 |
| 脚本 | 深作健太 |
| 製作 | 片岡公生 深作健太 |
| 製作総指揮 | 高野育郎 |
| 出演者 | 藤原竜也 前田亜季 山本太郎 栗山千明 柴咲コウ 安藤政信 ビートたけし |
| 音楽 | 天野正道 |
| 撮影 | 柳島克己 |
| 編集 | 阿部浩英 |
| 配給 | 東映 |
| 公開 | 2000年12月6日 2010年11月20日 |
| 上映時間 | 114分 |
| 製作国 | 日本 |
| 言語 | 日本語 |
| 興行収入 | 31.1億円 |
| 次作 | バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】 |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| AllRovi | |
| IMDb | |
『バトル・ロワイアル』は高見広春の同名小説『バトル・ロワイアル』を原作として、2000年に公開された日本映画。
目次 |
[編集] 概要
監督に深作欣二、出演に藤原竜也、前田亜季、山本太郎、安藤政信、ビートたけしらを迎えて制作された。第43回ブルーリボン賞作品賞を受賞し、同新人賞を藤原が受賞した。
深作は本作品を制作するに至ったきっかけを問われ、太平洋戦争中に学徒動員により水戸市の軍需工場で従事していた中学3年生当時(旧制中学校の教育課程制度下であるが、学齢は現制度での中学3年生と同じ)、米軍の艦砲射撃により友人が犠牲になり、散乱した死体の一部をかき集めていた際に生じた「国家への不信」や「大人への憎しみ」が人格形成の根底にあったこと、今日の少年犯罪の加害者少年の心情を思うと他人事でないという感情を抱いてきたことから、いつか「中学三年生」を映画の主題に取り上げたいと考えていたところに、深作の長男で助監督だった深作健太がすすめた原作本の帯にあった「中学生42人皆殺し」のキャッチコピーを見て、「あ、こりゃいけるわ」と思い立ったと答えている[1]。
中学生同士が殺し合うという原作の内容から、青少年への悪影響を危惧され、また上映開始年となった2000年は西鉄バスジャック事件を初めとする少年犯罪が社会的注目を集めている時期でもあったことから、当時の衆議院議員の石井紘基が中心となりこの映画の規制を求める運動が行われ、石井は2000年11月17日、国会(第150回国会文教委員会)で大島理森文部大臣にこの映画に対する政府の見解を求める質疑を行った[2]。これがマスコミに取り上げられることになり社会の関心を集めた。報道によって逆に話題を呼び、興行収入31.1億円の大ヒット作となった(2001年度の邦画興行収入ランキング第3位)。
R-15指定は中学生による鑑賞をほぼ全て制限するため、劇中の主人公らと同世代の中学生が劇場では見ることができないという状況も作り出した。ここに商機をみた東映はオリジナルの作品にシーンの追加やCG処理などを行った再編集版を製作し、翌2001年4月7日に“当時中学生で観られなかった諸君にこの一篇を贈る”と銘打ち『バトル・ロワイアル【特別篇】』として公開。こちらもヒットさせた。また、卒業証書を劇場に持参すれば料金が1000円となるキャンペーンも実施された。
2003年7月5日には続編にあたる『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】』が公開された。
2004年6月1日、この映画(R15+)のDVDを借りていた小学6年生の少女が小学校内で同級生を殺すという佐世保小6女児同級生殺害事件があったが、この児童は小学3年生からこの小説のファンであり、事件の前にはこの作品の同人小説の創作に夢中であった。この事件のために、再編集版『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌 REVENGE』の発売が延期となったという。
2010年11月20日、『特別篇』をベースとした3D映画版が『バトル・ロワイアル3D』の題名で公開された。オリジナル作品同様R15+指定作品である。また、オリジナル版公開当時は諸般の事情で成し得なかった全米公開を2011年に実施予定。
[編集] あらすじ
新世紀の初め、ひとつの国が崩壊した。自信を失くし子供たちを恐れた大人たちは、やがてある法案を可決、施行する。それが、新世紀教育改革法、通称"BR法“だ。年に一度、全国の中学校の中から選ばれた1クラスに、コンピュータ管理された脱出不可能な無人島で、制限時間の3日の間に最後のひとりになるまで殺し合いを強いるという法律である。そして、今回それに選ばれたのは岩城学園中学3年B組の生徒たちだった。元担任・キタノの指導の下、食料と武器がそれぞれに渡されゲームが開始。極限状態に追い込まれた生徒たちは、様々な行動に出る。昨日までの友人を殺害する者、諦めて愛する人と死を選ぶ者、力を合わせて事態を回避しようとする者。そんな中、生徒のひとりである七原秋也は、同じ孤児院で育った親友・国信慶時がほのかな想いを寄せていた中川典子を守る為、武器を取ることを決意。当て馬としてゲームに参加した転校生の川田と共に島から脱出しようとする。
[編集] キャスト
生徒役は皆、応募総数約6000名の中からオーディションで選ばれた42名。最終的に800名に絞られ、本読みや体力テストに半年費やし次々とキャストが選ばれていった(小栗旬も同オーディションを受けていた)。
主役である七原秋也と中川典子役は藤原竜也と前田亜季。当初中川典子役には岩村愛がキャスティングされていたが、怪我で交代となり、岩村は前回優勝者の少女役として出演した。そして物語上重要な役割を担う転校生の川田章吾と桐山和雄役は山本太郎と安藤政信が、その他の主要生徒は柴咲コウ、栗山千明、塚本高史、高岡蒼甫、小谷幸弘、石川絵里がそれぞれ演じている。プロデューサーの深作は、ゲームの担当教官役に「金八先生」シリーズで坂本金八を演じていた武田鉄矢などを考えていたが、監督の「たけしとやりたい」という言葉によってビートたけしに決定した。ビートたけしは自身と同名の教師「キタノ」役にキャスティングされている。
川田章吾役は当初安藤政信が演じる予定であったが、台本を読んだ安藤が桐山和雄を気に入ったため彼が桐山を演じることとなった。ちなみに映画の桐山には一切の台詞が無い。元々の台本では「道ばたの石ころをどかしただけだ…。命は平等に価値は無い…。俺は俺を肯定する」といった台詞が書かれていたが、安藤の希望を監督が快諾し、無くなった。
栗山千明は本作を鑑賞したクエンティン・タランティーノに認められたことから『キル・ビル Vol.1』に出演し、バトル・ロワイアルの出演シーンをオマージュしたシーンを自ら演じた。
城岩学園中学校3年B組生徒役の俳優42名のうち、撮影・公開が行われた2000年当時に実際に中学三年生(1985年度生まれ)だったのは前田亜季、小谷幸弘、三村恭代、金澤祐香利の4名のみで、残りの38名は全員が高校生以上の年齢であった。なお、回想シーンで神戸の中学三年生役を演じた美波は当時中学二年生(1986年9月22日生まれ)であった。生徒役の最高齢は主要キャストでもある山本太郎と安藤政信で、どちらも撮影時25歳であった。
また、前田亜季の実姉である前田愛や声優の宮村優子がカメオ的に出演している。
登場人物の詳細は、バトル・ロワイアルの登場人物を参照。
[編集] 城岩学園中学校3年B組 男子
- 赤松義生:日下慎
- 飯島敬太:松沢蓮
- 大木立道:西村豪起(現:豪起)
- 織田敏憲:山口森広
- 川田章吾:山本太郎
- 桐山和雄:安藤政信
- 国信慶時:小谷幸弘
- 倉元洋二:大西修
- 黒長博:増田裕生
- 笹川竜平:郷志郎
- 杉村弘樹:高岡蒼佑
- 瀬戸豊:島田豊
- 滝口優一郎:内藤淳一
- 月岡彰:広川茂樹
- 七原秋也:藤原竜也
- 新井田和志:本田博仁
- 沼井充:柴田陽亮
- 旗上忠勝:横道智
- 三村信史:塚本高史
- 元渕恭一:新田亮
- 山本和彦:佐野泰臣
[編集] 城岩学園中学校3年B組 女子
- 稲田瑞穂:木下統耶子
- 内海幸枝:石川絵里
- 江藤恵:池田早矢加
- 小川さくら:嶋木智実
- 金井泉:三原珠紀
- 北野雪子:金澤祐香利
- 日下友美子:加藤操
- 琴弾加代子:三村恭代
- 榊祐子:日向瞳
- 清水比呂乃:永田杏奈
- 相馬光子:柴咲コウ
- 谷沢はるか:石井里弥
- 千草貴子:栗山千明
- 天堂真弓:野見山晴可
- 中川典子:前田亜季
- 中川有香:花村怜美
- 野田聡美:神谷涼
- 藤吉文世:井上亜紀
- 松井知里:金井愛砂美
- 南佳織:関口まい
- 矢作好美:馬場喬子
[編集] その他
- 前回優勝者の少女:岩村愛
- キタノの娘・栞(声):前田愛
- 川田の恋人・慶子:美波
- レポーター:山村美智子
- 安城三尉:竜川剛
- 七原の父:谷口高史
- 林田先生:中井出健
- バスガイド:深浦加奈子
- ビデオのお姉さん:宮村優子
- キタノ:ビートたけし
[編集] 特別篇追加キャスト
[編集] スタッフ
- 原作:高見広春
- 監督:深作欣二
- 脚本:深作健太
- プロデューサー:片岡公生、深作健太
- 音楽:天野正道
- 撮影:柳島克己
- 照明:小野晃
- 美術:部谷京子
- 編集:阿部浩英
- 録音:安藤邦男
- 音響効果:柴崎憲治
- 監督補:原田徹
- 制服デザイン:BA-TSU
- 製作委員会メンバー:東映、アム・アソシエイツ、広美、日本出版販売、MFピクチャーズ、WOWOW、ギャガ・コミュニケーションズ
- 『バトル・ロワイアル3D』
- 3D製作 東映デジタルセンター
- 3D監修/脚本 深作健太
[編集] 主題歌
- オリジナル版「静かな日々の階段を」Dragon Ash
- 『バトル・ロワイアル3D』版 「CHECKMATE mash up ANTY the 紅乃壱, VOLTA MASTERS」 土屋アンナ
[編集] 受賞
- 第24回日本アカデミー賞 最優秀編集賞(阿部浩英)、優秀作品賞、優秀監督賞(深作欣二)、優秀脚本賞(深作健太)、優秀主演男優賞(藤原竜也)、優秀音楽賞(天野正道)、優秀録音賞(安藤邦男)、新人俳優賞(藤原竜也、前田亜季)、話題賞(作品部門)
- 第43回ブルーリボン賞作品賞、新人賞(藤原竜也)
- 第14回日刊スポーツ映画大賞新人賞(柴咲コウ)※『GO』と両作品による受賞
- 第74回キネマ旬報日本映画ベストテン第5位
[編集] その他
- 原作ではパラレルワールド「大東亜共和国」が舞台であるが、映画版では深作の意向により再軍備した後の近未来の日本(ただし劇中に国名は一切出ず、プロモーションでも「東京」を「首都」と表記するなどしていた)を舞台としている。また、ゲームの法的根拠は「戦闘実験第六十八番プログラム」ではなく「新世紀教育改革法」(通称:BR法)によって実施される。冒頭部でその立法の所以が出てくるが、本編中では特に社会的な背景などは説明されない。
最後の場面は小説の大阪の梅田、JR大阪駅周辺ではなく東京の渋谷になっている。この撮影でも、「渋谷センター街」「JR渋谷駅」など、はっきりと地名が見えるシーンでは、ある程度のぼかしがかけられている。また、バスのナンバープレートの地名は、「広能」となっている。
- 制服がブレザーに変更された理由には、黒い学ランやセーラー服では血が分かりづらい、女子生徒のアクション(灯台のシーンなど)でスカートの中が見えないようにフリルの多いスカートとなった、などがある。
- 三村達が腹腹時計をテキストに肥料等で火薬を作る際、製造過程で配合する時に木製のしゃもじを使って混ぜているのは、混ぜる時に道具(ヘラ・器)が金属同士だと誤爆の恐れがある事を踏まえて設定してあるという(考証協力の薬試寺教授のコメントより)。なお、前述の腹腹時計は小道具としてのレプリカとみられるが、現在は出所が解らない所から流出したとみられる実際の腹腹時計は「爆発物の製造法」が削除されているという。
- また、三村が高速でキーボードをタイピングする手は、コンピュータ・ハッキング考証に携わったハッカーの一人「BEAMZ」の手である[3]三村役の塚本はインタビューの中で、早打ちの練習はしていたが、結局は早打ちのシーンはやってもらうことになったという趣旨のコメントをしている[4]。
- その為、作品中に登場する隊員はすべて役者であり、隊員の衣装(装備)はレプリカで輸送車等の車両の殆どがその分野のマニアが所有している車両を一部借りている・既存の車両を改造しているという。
- クライマックスに登場する教師キタノが披露した絵画(ゲームを揶揄した絵)は、実際にビートたけしがこの作品で使用する為に撮影の合間に描いたものである。
- 教師キタノが本部である廃校で一人ラジオ体操(作中の名称ではBR体操)を行うシーンがあり、曲はラジオ体操とよく似た曲調であるが体操自体は実際のものと同じである。
- この映画を作るために、深作親子は個人事務所「有限会社深作組」を設立した。
- 2008年に英エンパイア誌が発表した「歴代最高の映画ランキング500(The 500 Greatest Movies of All Time)」では235位に選出されている[5]。近年の邦画実写作品では唯一のランクインである。また、2010年6月に同誌は「史上最高の外国語映画100本」[6]で82位に選出している。
- 作品中に生徒達にゲームの説明をするビデオが登場するが、深作監督の誕生日を祝って製作されたセルフパロディ版が存在する(いずれも宮村優子が出演。パロディ版は特別編DVDの特典映像に収録。なお、パロディ版の合いの手役は息子の健太)。
- 教師キタノの役名は当初、ビートたけしの本名そのままの「北野武」となっていたが、それではあんまりとのたけしの意見に「キタノ」として採用された。また、中川典子役の前田によれば、撮影の際に生徒役達の緊張をほぐす目的からか、コマネチ!等のギャグを披露していたという[7]。
- 当初は2000年11月25日公開を予定し、初期の宣伝素材にもクレジットされていたが、お正月映画に予定されていた「ホタル」(高倉健主演)の制作遅れによりお正月映画に変更となった。(当初の公開時期には「新・仁義なき戦い」が拡大公開に昇格となっている。)
[編集] 脚注
- ^ 雑誌「Title」新年号 深作欣二監督とインタビュー
- ^ “会議録 第150回国会 文教委員会 第4号(平成12年11月17日(金曜日))”. 文教委員会. 衆議院. (2000-11-17) 2011年1月16日閲覧。
- ^ 高見広春、「バトル・ロワイアル」制作委員会、他『バトル・ロワイアル・インサイダー』太田出版、2000年、450ページ
- ^ 高見広春、「バトル・ロワイアル」制作委員会、他『バトル・ロワイアル・インサイダー』太田出版、2000年、321ページ
- ^ Empire 「The 500 Greatest Movies of All Time」(英語)
- ^ http://eiga.com/news/20100614/2/
- ^ 高見広春、「バトル・ロワイアル」制作委員会、他『バトル・ロワイアル・インサイダー』太田出版、2000年、280ページ
[編集] 関連項目
- 銃社会
- 少年兵
- レクイエム (ヴェルディ) (映画本編や予告などで使用された曲。3D版主題歌は本曲をマッシュアップして作られている)
- ラデツキー行進曲 (映画本編で使用された曲)
- G線上のアリア (映画本編で使用された曲)
- 美しく青きドナウ (映画本編で使用された曲)
- 水の上で歌う(映画本編で使用された曲)
- 八丈小島 (一部シーンのロケ地)
- 剱埼灯台 (灯台シーンのロケ地)
- 鬼石町の廃校 (校庭のシーンのロケ地)
- バトル・ロワイアルII 鎮魂歌 本作品の続編。
[編集] 外部リンク
- 映画『バトル・ロワイアル3D』公式サイト
3D版サイト。一部文字・画像はアナグリフ式立体画像対応で、赤青メガネを装着すると背景から浮き上がって見える。 - Official English-language Battle Royale website
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