バトル・ロワイアル

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バトル・ロワイアル』 (BATTLE ROYALE) は、高見広春小説、及びそれを原作とした漫画、映画作品。略称は「バトロワ」「BR」。また、しばしば「バトル・ロワイヤル」と表記されるが、 正しくは「バトル・ロワイアル」である。

目次

[編集] 概要

第5回日本ホラー小説大賞の最終候補に残ったものの、中学生が殺し合いを強いられると言うアクの強い内容は、審査員から「非常に不愉快」「こう言う事を考える作者が嫌い」「賞の為には絶対マイナス」等の意見が多く不評であり、受賞を逃す[1](編者の一人が後に書くところでは、最大の理由は作品的に落ちるからであり、しかしおもしろいから売れるだろうと、別の場で語り合っていた、という話もある[2])。 その後、1999年4月太田出版から刊行され、先述の事情と共に話題を呼ぶ。2002年8月にはミスを最低限修正した上で文庫化も行われ、幻冬舎より刊行された。

ヤングチャンピオン」(秋田書店)で田口雅之作画で2000年から2005年迄の5年間に渡って漫画版が連載された。

また、深作欣二監督藤原竜也前田亜季ビートたけし主演で映画版の『バトル・ロワイアル』が2000年12月6日に公開された。公開前には国会でこの映画に関する質疑があり、またこの年は、西鉄バスジャック事件を初めとする少年犯罪が社会的注目を集めている時期でもあり、社会的関心を集めたが、皮肉にもこの事によって逆に話題を呼び、大ヒット作となった。

ちなみに、「バトル・ロワイアル」はフランス語読み。執筆段階では「バトル・ロイヤル」と言う英語の題名だったが、作者が友人に見せて感想を求めた所、その友人がフランス語好きだった為「フランス語で読むと『バトル・ロワイアル』だな。」との返事が返って来たのを受けて、語感がよかったので題名を変更したという逸話がある。

以下、原作の設定を中心に記述する。漫画版、映画版もこの設定に準拠するが、体制、小道具の名前等々、違う点は幾つもある(原作と漫画版は大東亜共和国という架空の国、映画版は現在の日本の体制の延長線上)。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] あらすじ

極東の全体主義国家「大東亜共和国」では、西暦1947年より、全国の中学3年生のクラスから無差別に抽出した50クラス(1949年以前は47クラス)に対して、「戦闘実験第六十八番プログラム」と呼ばれる恐るべき殺人ゲームを行っていた。

西暦1997年、七原秋也ら香川県城岩町立城岩中学3年B組の42人は、修学旅行へ向かう筈のバスで眠らされ、ゲームの舞台となる小さな島、「沖木島」(おきしま)へ送り込まれた。極限状態の中、クラスメイトによる史上最悪の椅子取りゲームが始まる…。

[編集] プログラムの概要

[編集] 目的

表向きは陸軍が行う戦闘実験シミュレーションとされているが、実際は身近な人同士を殺し合わせることによって、国民の間に不信感を植え付け、反乱を起こさせないようにするためである。

[編集] ルール

基本的に反則は無い。エリア内の施設は電気や水道が止まっているが、エリア内の施設から武器等を調達しても、私物を武器等に使っても、寝込みを襲っても、徒党を組んでも構わない。とにかく最後まで生き残った1名のみが優勝者となり、家に帰る事が出来る。

[編集] 支給される品物

生徒達にはそれぞれ、僅かな食料、1リットルの水が入ったボトルが2本、地図方位磁針時計懐中電灯、そして特定の武器が与えられる。

武器は全員に渡されるがその種類は様々で、ショットガンサブマシンガン等の殺傷能力の高い武器や、GPS防弾チョッキの様な補助的ツールもあるが、フォークブーメラン等のハズレの武器(映画版はハリセン鍋蓋など、よりシュール)もある。これは戦いに不確定要素を盛り込み、全員に少しでも優勝の可能性を与える為である(武器支給が平等だと弱者・強者が明白な為)。

[編集] 首輪

このゲームを成立させる上で、最も重要なアイテムがこの首輪(正式名称:ガダルカナル22号)である。生徒達には必ずこれが装着させられている。

それぞれの首輪には発信機が付いており、生徒の現在位置と生体反応を常に送信し続けている。これにより、生き残っている生徒の数とその現在地を政府が把握している訳である。また、これには爆弾も取り付けられていて、首輪を無理に外そうとしたり、禁止エリアに侵入したりした時などに爆発する様になっている。防水も完璧。

更に、生徒達には知らされていないが、この首輪には盗聴器も内蔵されており、これによって逃げ出そうとしたり反抗しようとしたりする者に先手を打ったり、最悪の場合は政府が即座に遠隔操作でその生徒の首輪を爆破する事もある。

しかし、電気回路をいじることができ、内部構造を知っている者であれば、ラジオなどに入っている部品を使って簡単に外すことが可能。

[編集] 禁止エリアの進行

このゲームでは禁止エリアが設定されている。このエリアに足を踏み入れると、首輪が爆発する仕組みになっている。

はじめに睡眠ガス等で眠らせる等して強制的に会場まで連れて来られた対象クラスの生徒全員を一箇所に集めてプログラムの開会式と、ルール説明が行われる。試合が開始された後、まずあらかじめくじで決定された生徒(基本的に最初に出発した生徒の方が有利になるので、公平性を保つための措置。作中行われたプログラムでは偶然男子1番から出発となった)から出席番号順に、最初に政府の兵士達がいるスタート地点から2分おきに生徒一人一人を出発させ、全員出発した20分後を以て、そのスタート地点から半径200mが禁止エリアとなり、その後は最初の定時放送の1時間後から2時間毎に3つずつ増えて行く。禁止エリアの座標はコンピューターによって不規則に決められるので、どこが禁止エリアになるのかは放送を聞くまでは分からない。禁止エリアの範囲は政府から支給された地図に記されているが、地面に目に見える線やロープが存在する訳ではない。

基本的にこのゲームは一箇所にじっとしていた方が得策なので、その様な行動を防ぐ為に、強制的に生徒達を移動させ、他の生徒達と遭遇する様に仕向けるためのシステムである。一度禁止エリアに設定されたエリアはゲーム終了まで解除されることがないので、時間が経過するに連れて自然と行動範囲が狭められ、遭遇率が高くなる訳である。

[編集] 定時放送

ゲーム中には1日4回、午前と午後の0時と6時に放送が流れる。放送では、ゲーム開始後または前回放送後からその時の放送迄の間に死亡した生徒の名前が名簿順(映画版では死亡順)に読み上げられる。その後に、放送から1時間後、3時間後、5時間後の禁止エリアの座標が告知される。優勝者が決定した時も放送によってその旨のアナウンスが行われる。なお、映画版の場合、最初にラデツキー行進曲など有名なクラシック音楽が流れる。

[編集] タイムリミット

このゲームにはタイムリミットがあり、24時間に渡って死亡者が出ない場合は時間切れとなる。時間切れになると生存者全員の首輪が爆破され、優勝者無しとなる。しかし、時間切れによって決着したケースは全体の0.5%程度しかなく、タイムリミットになる事は極めて稀であると言える。

ちなみに映画版では、首輪に内蔵されているバッテリーの関係でタイムリミットは3日間となっている。

[編集] 登場人物

バトル・ロワイアルの登場人物」を参照

七原秋也
本編の主人公。元野球部天才ショートと呼ばれていたが、今は退部しロック少年。
中川典子
七原の親友である国信慶時が想いを寄せる女子。
川田章吾
タバコを吸っている怪しげな雰囲気の転校生。
桐山和雄
不良グループのリーダー。金持ちの息子で万能の天才。
相馬光子
女子不良グループのリーダー。あらゆる犯罪行為に手を染めている。
三村信史
七原の友人。バスケ部のエースで、ハッキングなど中学生離れした知識と技術を持っている。
杉村弘樹
七原の友人。千草と幼馴染である。拳法の心得がある。
千草貴子
杉村の幼馴染の少女。かなりの美人。
内海幸枝
クラス委員。七原に惹かれている。
国信慶時
七原と同じ孤児院に住む親友。典子に想いを寄せている。
坂持金発(漫画版では嘉門米美)
『プログラム』担当教諭。

[編集] 用語

大東亜共和国 (だいとうあきょうわこく)
本作の舞台となる架空の全体主義国家。作中に登場した地名のうち城岩町、沖木島は架空であるものの、香川県高松市善通寺市志度町神戸市梅田大阪)と言った日本に実在する地名が出て来る事から、地理的には日本に限りなく近い風土である事が分かる。しかし、国家元首総統であり、志願制ではあるが軍隊(専守防衛軍と呼ばれる)が存在し、準鎖国体制が採られている、アメリカ米帝と呼ぶ反米国家である等(オリンピック等でもアメリカを敵視している)、社会体制は全く違っており、また「前口上」にて「ある異なる世界」と称して、日本と思われる国で実在のプロレスラーによるバトルロイヤルの場面が描写されている事から、本編の舞台はいわゆる日本のパラレルワールドであると考えられる。また、現実の日本とは異なり南樺太をも実効支配している。国際的には孤立しているが、高い技術力と産業基盤を持っており(高性能軍事衛星でプログラム会場を撮影するなど)、わずかに遅れている分野としては宇宙技術とコンピューターのみがあげられている。高い技術力と産業基盤による国力があるため、国民の生活水準はかなり高く、国民1人あたりのGNPは世界一。なお、国名や中国大陸を自国の領土と主張している点など、大アジア主義的に東アジア全域の支配を目指しているようにも思えるが、かつて朝鮮半島南半部に存在した全体主義国家「南鮮共和国」とは友邦関係にあったことから、それはイデオロギーとしてのある種の方便と考えられる。
その体制は作中で「特殊な国家社会主義体制」と呼ばれており、戦前大日本帝国を基本として、ナチス・ドイツソ連北朝鮮等の独裁国家を模している。国内には言論統制思想教育が徹底されているが、一般市民レベルの生活そのものは現実の日本社会とあまり大差はなく(信教の自由や、外来語や外国文化も「敵性」「退廃的」とされたものを除けば認められている)、また心の底から「国家への忠誠」を持つ国民はあまりいないと見られる。総統は数千年にわたり代々この国を支配してきたとされるが、実際は12代76年の歴史に過ぎない。武家政権を打倒して成立したらしいが、国家成立以前の歴史を捏造して国民を教育しているようである。また、「総統」自体が国民統合のためのシンボルで、実在しない指導者という見方もある。ちなみに漫画版での国旗は旭日旗にそっくりの図画である。
プログラム
正式名称「戦闘実験第六十八番プログラム」。選抜された中学三年生のクラス全員を隔離されたエリア(離島や、電気鉄条網と警備兵によって外界と隔絶された廃屋、山間部など)で生存者一人になるまで互いに殺し合わせるもの。施行時は大規模な反対運動が起こったが、現在では忌み嫌われているものの表立って反対するものはいない状況。
表向きは「防衛上の理由から陸軍が行う実戦シミュレーション」とされているが、実際は反政府運動や革命が起こることを防ぐため「互いに見知った人間同士の殺し合い」という状況を日常のものとすることで国民の間に相互不信を生み出すことが目的。また、政府高官によって、誰が生き残るかの賭けが行われている。
優勝者は総統直筆の色紙と、一生涯の生活保障が与えられるが、強制的に他県に転校させられ、プログラムについて語らないように政府から言われる。
映画版ではBR法で「子供に対する恐怖支配で大人の権威を復活させるため殺し合いを強いる」という設定になっており、対象のクラスは原作の毎年50クラスに対して1クラスとなっている。
沖木島
香川県内の島。今回のプログラムの舞台。周囲約6キロの有人島だが、住民はプログラム開催に際して、一時的に強制退去させられている。
慈恵館
香川県城岩町のカソリック系孤児院。七原秋也、国信慶時が住んでいる。
四月演説
1947年、第317代総統が、反プログラムの過激派に対し、プログラムの正当性を説いた有名な演説。
大東亜ネット
大東亜共和国内のネットワーク。
外国へのアクセスは禁止されており、国内のみのアクセスに限定されている。基本的に世界各地に繋ぐ事は可能で、技術力のある者ならそれを可能にしている。
南鮮共和国・韓半民国
朝鮮半島の国家。朝鮮半島南半分を支配していた南鮮共和国は大東亜共和国と友邦関係にあった独裁国家で朝鮮半島北半分を支配していた韓半民国はアメリカと友邦関係にあった国家。1976年に韓半民国が南鮮共和国を滅ぼして朝鮮半島を統一している。
映画版では「北朝鮮」という国家名が出てくる事から、朝鮮半島は分断されていると思われる。
アメリカ
大東亜共和国と敵対関係のある国。能力さえあれば移民でも大したハンデはなく、世界中から優秀な学者が集まっている国とされている。大東亜共和国政府からは暴力や麻薬や同性愛でめちゃくちゃになっており過去の遺産で持っているとも評されている。

[編集] その他

  • 物語に登場する中学校は香川県に所在するが、これは作者が香川県出身である事に関係する。また、作中に関西弁を使う神戸出身の登場人物がいるがこれも作者の生まれ故郷が神戸であることと関連している。
  • この小説は、スティーヴン・キングの『死のロングウォーク』を下敷きにしている。また、城岩町と言う名前は、キングの小説に度々登場する『キャッスルロック』に由来する。
  • 沖木島は架空の島であるが、高松市沖には男木島女木島という有人島が実在する。
  • 映画版2作品のパロディ映画オリジナルビデオ)として、パチンコ・バトル・ロワイアルとパチンコ・バトル・ロワイアルIIの2作品が存在する。プロットはそれぞれの作品に準じているが、題名の通り『パチンコバトル』が主な内容になっている。松村邦洋井手らっきょなべやかんらが出演する。
  • 「バトル・ロワイアル」を読んだファンが原作の世界観を元に、オリジナルのキャラ、クラスによって独自のプログラムを作り上げた「オリジナル・バトルロワイアル」(通称:オリバト)という二次創作小説が多数創作され、一つのジャンルとして確立している。
  • 尚上記のオリバトと似たものに、パロロワというものも存在する。オリバトとの違いは世界観がオリジナルのものではなかったり、参加者がアニメやゲームなどの様々なジャンル出典である既存キャラである事などが上げられる。
  • テニスの王子様』や『ホイッスル!』などの二次創作でこの作品と同様の内容の物が存在する。それらは「バト○○」「○○ロワ」と呼ばれ、やはり一つのジャンルとして確立している。また、「葉鍵(ハカギ)ロワイアル」のように同人誌として書籍化された作品もある。
  • 自衛隊は、映画制作やマスコミの取材に積極的な協力をすることで知られているが、この映画では自衛隊の協力が全く得られなかった(陸自隊員がM16(らしきもの)を持っていることからわかる)。
  • PC用ゲーム『キラークイーン (ゲーム)』(PS2版は「シークレットゲーム」)がこの作品を参考にしたものと思われる。(参加者全員に首輪、禁止エリア、などの設定面)

[編集] 書籍情報

[編集] 脚注

  1. ^ バトル・ロワイヤル研究委員会編『バトルロワイヤル The MOVIE 完全攻略ガイドブック』角川書店 2000年 91頁
  2. ^ 週刊文春2004/7/1号[1]

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク