バスICカード (山梨交通)

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バスICカード(普通金額券)

バスICカード山梨交通及びグループ内の路線バス事業者で発売している乗車カードで、非接触型ICカードである。

本項では、クレジットカードと一体になった山梨交通OMCカードについても記述する。以下本項では、「山梨交通OMCカード」については、愛称である「バスOMCカード」と記述する。

概要[編集]

山梨交通では、通常の回数券は11枚つづりで10枚分の発売額という普通回数券か、13枚つづりで10枚分の発売額という買物回数券が存在した。しかし、券種が10円刻みであったため、発売券種が多くなり、管理上非常に煩雑であった。山梨交通では、定期券と回数券の機能を一体にした上で、バスICカードの導入を行うことで、券種の統合を図るとともに、乗り継ぎ割引などの設定によりバス利用者増を図ったものである。

当初はデポジットは設定されていなかったが、利用状況や他社の動向を鑑みて、2002年の発売分からはデポジット分として500円が設定されている。

それまでにも他社において地域や路線を限定してバス用のICカードが導入された例はあったが、導入当初からほぼ全社的な展開を前提に導入したのは、日本のバス事業者においては山梨交通が初めてである。社史によれば、現在収入の30~40%程度がバスICカード利用分であり、またシステム導入後、バス利用者は減少傾向から横這い状態へ、「下げ止まり」となる傾向が見られたという。

種類[編集]

定期券カード[編集]

いずれのカードも回数券機能を付加することは可能。500円のデポジット料金が上乗せされる。デポジットはカード返却時に返金される。

  • 一般定期券
  • 学生定期券
  • ゴールド定期券

回数券カード[編集]

いずれのカードにも、500円のデポジット料金が上乗せされる。デポジットはカード返却時に返金される。

普通金額券(割引率9.1%)
  • 1000円(チャージのみ。1100円分利用可能)
  • 3000円(3300円分利用可能)
  • 5000円(5500円分利用可能)
  • 10000円(11000円分利用可能)
買い物金額券(割引率23%)
  • 1000円(チャージのみ。1300円分利用可能)
  • 3000円(3900円分利用可能)
  • 5000円(6500円分利用可能)
  • 10000円(13000円分利用可能)

バスOMCカード[編集]

交通系ICカードと国際ブランドのクレジットカード(マスターカード)を一体化したもので、山梨交通では「世界で初めて」としている。OMCカードとの提携カードで、定期券・回数券カードの機能を併せ持つが、定期券なしでも発行可能。年会費は無料。

発行時には回数券のチャージはされていないため、発行後にチャージするか、手持ちの回数券カードの残額を移行する必要がある。本カードにはデポジットは設定されていないので、回数券カードから残額を移行した場合、回数券カードのデポジットは返却される。クレジットカードでの回数券チャージは窓口のみ可能。リボルビング払いも選択できる。

クレジットカードのため有効期限があり、更新の都度残額移行が必要である。回数券の種類を変更する場合はカード切替扱いとなるが、この時も残額移行が必要。

学生定期券用には家族カードを発行する。この家族カードは、バス定期・回数券の購入以外にはクレジットカード機能は使用できない。また、家族カード発行は中学生以上に限られる。

利用方法[編集]

乗車時
乗降口のカードリーダー(読み取り装置)にICカードをかざす(タッチする必要はない)。「ピッ」と発信音がして、残額と整理券番号が表示される。整理券は不要である。
降車時
降車口の運賃箱上のカードリーダーにICカードをかざす(タッチする必要はない)。「ピッ」と発信音がして、運賃額・残額・整理券番号が表示される。定期券カードにおいて、定期券通用区間内の場合は、有効期限と券種が英語表記で表示される。
積み増し
バス営業所等の窓口・バス車内で可能。バスOMCカードの場合、窓口ではクレジットカード決済も可能。チャージ金額100円あたり1ポイントが加算される。次回チャージの際に、1ポイント3円に換算して、チャージ利用分に上乗せされる。

利用可能な事業者及びエリア[編集]

下記事業者の一般路線(広河原線を除き、廃止代替路線を含む)で利用可能。

乗り継ぎ割引[編集]

1時間以内に乗り継いだ場合、次のバスの運賃から30円(小児運賃の場合は20円)割引となる。ただし、乗り継ぎ後のバスの運賃が100円の場合は対象外である。

  • 初回運賃100円→乗り継ぎ後運賃200円 : カードからの引き去り額は100円+170円=270円
  • 初回運賃200円→乗り継ぎ後運賃100円 : カードからの引き去り額は200円+100円=300円

沿革[編集]

  • 1998年 - 導入計画を開始、基本的な機能について検討。三陽電気製作所(当時。現在のレシップ)とNTTデータと共同で着手。
  • 1999年7月 - バスICカードのシステム開発開始。
  • 1999年10月 - 山宮循環線等で1ヶ月にわたり、モニターによる実証試験を行なう。
  • 2000年2月28日 - 山梨県内の山梨交通本体の一般路線バス全車両において導入、使用開始。
  • 2000年7月31日 - 山梨県内の廃止代替バス路線全車両において導入、使用開始。
  • 2001年7月31日 - バスICカード導入全車両において、車内でのチャージを開始。
  • 2002年4月1日 - バスOMCカードの運用を開始。
  • 2003年8月4日 - 静岡県内の一般路線バス全車両において導入、運用開始。

特記事項[編集]

  • 高速バス・定期観光バスでは利用できない。また広河原線でも利用できない(紙式回数券のみ利用できた)。ただし高速バスの甲府~新宿線ではPASMOSuicaが利用できる。
  • 山梨交通のバスICカードはPASMO・Suica等の交通系ICカードとシステムの互換性がなく、相互利用はできない。
  • 過去に高速バスの入出庫を客扱いしていた、甲府駅~敷島営業所の快速バスでの利用も出来なかった。

参考文献[編集]

  • 「山梨交通60年史~甲府盆地の暮らしとともに」監修:山梨交通・発行:BJエディターズ

関連項目[編集]

外部リンク[編集]