バキュームブレーカ

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バキュームブレーカ付フラッシュバルブに制御される和風水洗便器

バキュームブレーカとは、液体配管や蒸気使用装置などの流れが停止したときに、外部のエアを自動的に吸入することにより内部の液体の排出を容易にし、また配管や装置内の圧力が真空になることによる破壊を防ぐために設置される機器()で、真空破壊弁真空破砕弁及び逆流防止弁または真空遮断弁とも呼ばれる。

サイフォン作用を起こす真空部分へ自動的に空気を送り込み、負圧の発生を防ぐことで逆サイフォン作用を防止するためのもののこと。

水洗式便所フラッシュバルブ用バキュームブレーカの場合、給水管に負圧が生じると吸気口の吸気弁より空気を吸い給水塞止弁を閉じて汚水の逆流を防ぐ構造の機器であり、フラッシュバルブが閉止(便器の洗浄が終了)するたびにこの装置が作動して吸気弁より空気を吸気し、フラッシュバルブから大便器に繋がっている配管内および大便器の吐水口までの便器内の管路を絶えず大気圧状態にし、汚水の逆流を防ぐ。

主な用途[編集]

水洗式便所のフラッシュバルブのバキュームブレーカ部
フラッシュバルブのバキュームブレーカの内部。吸気弁(手前側)と給水塞止弁(奥側)
フラッシュバルブ用バキュームブレーカ断面

水洗式便所の大便器用フラッシュバルブや給湯器空調機器、蒸気使用装置などで使用される。

水洗式便所の大便器用フラッシュバルブでは、フラッシュバルブ本体と大便器に繋がっている洗浄管の間に挟まるように取り付けられている。

構造と作動原理について[編集]

バキュームブレーカには吸気弁と給水塞止弁が内蔵されており、給水管に負圧が発生すると直ちに給水塞止弁が閉まって吸気弁より外部の空気を吸い込むことで、汚水の逆流を防止する。

水洗便所のフラッシュバルブ用バキュームブレーカの場合、一般的にてこの原理を応用した構造になっており、ネジで止められた支点棒を境に片側に吸気弁が、もう一方の片側に給水塞止弁が内蔵されており、給水塞止弁側が力点、吸気弁側が作用点となる構造で、吸気弁側の方が重くできており、吐水中以外の待機中は自重で吸気弁側が開放された状態で下降位置にあり、一方、支点の反対側の給水塞止弁は上昇位置でバキュームブレーカ以前の管路を閉塞した状態が待機中の定位置となっている。

フラッシュバルブが起動して吐水(便器への給水)が開始されると水勢により給水塞止弁が押し下がられて下降するとともに、支点の反対側の吸気弁が押し上げられて上昇して吸気口が閉鎖される。フラッシュバルブの吐水が終了して水勢が弱くなるとと吸気弁部が自重で下降して吸気弁が開放され、吸気を開始すると同時に給水塞止弁は上昇してバキュームブレーカ以前の管路を閉塞し、待機定位置に戻る。

このためフラッシュバルブの吐水時(便器への給水時)以外は、フラッシュバルブから便器への給水管の管路内および大便器の吐水口までの便器内の管路は吸気弁より空気を取り入れ、大気圧状態になる。

フラッシュバルブ閉止時(便器洗浄終了時)、バキュームブレーカの吸気口から空気吸入音が聞こえることがある。

また無数に開いた穴の吸気口を持つ旧型バキュームブレーカの場合、フラッシュバルブ起動開始時(便器洗浄開始時)に吸気弁が上昇して閉まり、フラッシュバルブ閉止時(便器洗浄終了時)に吸気弁が下降して開く吸気弁の開閉動作が吸気口の無数に開いた吸気穴から垣間見える。


 
揺動フラッパー弁式新型バキュームブレーカと、その内部

新しい構造のバキュームブレーカの場合、給水塞止弁、吸気弁が一体化された上部に支点を持つ揺動フラッパー弁が吊り下げられた状態で待機定位置として内蔵されており、フラッシュバルブの吐水(便器への給水)が開始すると水勢により揺動フラッパー弁で吸気口が閉鎖され、フラッシュバルブの吐水が終了して水勢が弱くなくなると、揺動フラッパー弁吸気弁部が開放され吸気を開始すると同時に、吊り下がった状態の待機定位置に戻る。逆に給水管に負圧が発生するとフラッパー弁は直ちに給水側に傾いて動き、給水口を閉塞して汚水の逆流を防止する。この揺動フラッパー弁式のバキュームブレーカは形状が円筒型のスマートな形で、吸気口も円筒型の本体の下部に開口されているので目に見えない場所にあり、見栄えもよくなっている。さらに最新の製品では、揺動フラッパー弁のシリカや炭酸カルシウム等の水垢等の異物付着による吸気口からの水漏れ防止のために下部に水受けを設けて吸気口を上部に配し、吸気口上部には異物の吸入を防止するための笠状の囲い縁が被せられており、囲い縁の下の隙間から吸気するようにできている。

バキュームブレーカの吸気弁、給水塞止弁や揺動フラッパー弁の弁部(シール部)は硬質合成ゴム製となっている。

設置基準[編集]

水が逆流するおそれのある場所に設置されている給水装置は、次の各号のいずれかに該当しなければならない。

次に掲げる逆流を防止するための性能を有する給水用具が水の逆流を防止することができる適切な位置(1. に掲げるものにあっては、水受け容器の越流面の上方150ミリメートル以上の位置)に設置されていること。

  1. バキュームブレーカは、負圧破壊性能試験により流入側からマイナス54キロパスカルの圧力を加えたとき、バキュームブレーカに接続した透明管内の水位の上昇が75ミリメートルを超えないこと。
  2. 負圧破壊装置を内部に備えた給水用具は、負圧破壊性能試験により流入側からマイナス54キロパスカルの圧力を加えたとき、当該給水用具に接続した透明管内の水位の上昇が負圧破壊装置の空気吸入シート面から水受け部の水面までの垂直距離の2分の1を超えないこと。
  3. 水受け部と吐水口が一体の構造であり、かつ、水受け部の越流面と吐水口の間が分離されていることにより水の逆流を防止する構造の給水用具は、負圧破壊性能試験により流入側からマイナス54キロパスカルの圧力を加えたとき、吐水口から水を引き込まないこと。
  4. フラッシュバルブ大便器制御している水洗式便所では、便器の溢れ縁から上方150ミリメートル以上の位置に必ずバキュームブレーカを取り付けなければならない。

定期点検[編集]

点検を容易にする為にバキュームブレーカの吸気口が手前に向けられた例

バキュームブレーカが故障すると負圧が発生した時に汚水が逆流する恐れがあるため、定期的にバキュームブレーカの吸気蓋を取外した上でフラッシュバルブを操作して水を流し、吸気弁の開閉(昇降)動作の作動状況を確認して吸気時に空気に混じった埃等の吸気弁パッキンへの付着した異物の清掃と、吸気弁からの水漏れが無いかを点検する必要がある。

また、メーカーではバキュームブレーカの機能、性能を保持するために設置から6年以内に新品に交換するように推奨している。

注意事項[編集]

バキュームブレーカの吸気弁は空気中のも吸い込むことから吸気弁パッキンへの付着した異物を定期的に清掃しないと便器洗浄の通水時に吸気弁パッキンが開閉(昇降)動作が妨げられ機能障害が発生する他、吸気弁パッキン閉まりきれずに完全にシールされず水漏れの原因となる。

さらに大きな異物が吸気弁に入り込むと便器洗浄の通水時に吸気弁パッキンが閉まらなくなり、水が噴き出してしまうことになり、床が水浸しになるどころか家財損害にもつながる。

煙草の吸殻や灰をバキュームブレーカの吸気弁蓋の吸気穴に押し付けるなど、悪戯により煙草の繊維や灰が吸気穴から内部へ入り込んで吸気弁パッキンの開閉動作が阻害され、水が漏れたり水が噴き出すなどのトラブルが発生することがある。この場合、吸気口が目に見えなく故意に異物を入り込ませない構造の揺動フラッパー弁式のバキュームブレーカに交換することで防止する。

関連項目[編集]