バイノーラル録音
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バイノーラル録音( -ろくおん)とは、モノラル・ステレオなどと並ぶ録音方式の一つで、人間の鼓膜に届く音声をそのまま記録することによって、イヤフォンで再生したときにあたかもその場に居合わせたかのような臨場感を再現しようとするものである。
[編集] 解説
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人間が音を聞くときには、音源から左右の耳に直接届く音波だけでなく、自分自身の耳たぶや体の各部によって複雑に回折・反射した音波も合わせて聞いていて、それらによって音源の位置などを知覚していると考えられる。これらの音波をすべてそのまま記録したものを左右の耳にイヤーフォンで聞かせれば、録音時と同じ音場を感じられるというのがバイノーラル録音の原理である。バイノーラル録音の基本的な方法は、実物大の人形の鼓膜の部分にマイクロフォンを埋め込んで録音する方法で、頭部および肩口までを再現したダミーヘッド(または HATS ― ヘッド・アンド・トルソー・シミュレータ)と呼ばれるものがよく用いられる。
バイノーラル録音-再生により臨場感が得られるのは、人体各部で音波が回折や反射をすることにより干渉が生じ、単に左右の耳と音源間の距離からくる音量差と時間差のみに留まらず、周波数特性にも特徴的な影響を与えるからである。この特徴は人体各部の寸法形状と、音源の位置との関係によって定まり、これを数式化したものがHRTF(頭部伝達関数)である。HRTFは周囲の音響特性や人体各部寸法形状の個人差に依存するが、前者については拡散音場や自由音場で標準化するのが通例であり、後者についてはHATSの研究者やメーカがその周波数特性の特徴を損なわないように、多くの聴取者を可能な限り代表するように独自の工夫を重ねている。(立体音響も参照)
以上のようにバイノーラル録音は理に適った方式に見えるが、実際には個人差や小型マイクロフォンの性能により思った程の効果が得られず、脚光を浴びることは少なかったが、1980年代にアルゼンチンの技術者ウーゴ・スカレーリが考案したホロフォニクスのブームに伴い、バイノーラル録音の可能性が再評価され、その後の研究が加速して現在に至る。
バイノーラル録音あるいはホロフォニクスの技術は、ラジオドラマや音楽アルバムなどに利用されている。
[編集] 簡易的なバイノーラル録音の方法
イヤフォン型の小型マイクを両耳に入れて録音することにより、高価なHATSを用いなくてもバイノーラル録音を行うことが可能である。特に聴取者自身がマイクを装着した場合HATSとの個人差が無くなる利点もあるが、マイクの存在そのものが音場に影響を与える他、装着者の心拍や呼吸音まで拾ってしまうなど欠点も多い。

