ハーシャッド数

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ハーシャッド数(ハーシャッドすう、: Harshad number)は、自然数のうち、各桁の数字の和が元の数の約数であるような数である。例えば195は各桁の数字の和が 1+9+5=15 であり、15は195の約数であるので195はハーシャッド数である。ハーシャッド数はインド数学者D.R.Kaprekarによって定義され、サンスクリット語harṣa (喜び)と da (与える)が語源である。ハーシャッド数は無数にあり、そのうち最小の数は1である。十進法でのハーシャッド数を1から小さい順に列記すると

1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 12, 18, 20, 21, 24, 27, 30, 36, 40, 42, 45, 48, 50, 54, 60, 63, 70, 72, 80, 81, 84, 90, 100, 102, 108, 110, 111, 112, 114, 117, 120, 126, 132, 133, 135, 140, 144, 150, 152, 153, …

ハーシャッド数になる数[編集]

自然数Xがn進法でm桁の数であり、右端からi桁目の数字がai-1 、0≦ai≦n-1 とすると

X=\sum_{i=0}^{m-1} a_i n^i

であり、

X=A\sum_{i=0}^{m-1} a_i

を満たす自然数Aが存在するときXはn進法でのハーシャッド数である。

n進法の場合、1からnまでの数は必ずハーシャッド数である。特に1,2,4,6の4数だけは何進法においてもハーシャッド数となる。

ハーシャッド数は1桁の素数と10自体が素数である場合を除いて全て合成数である。

階乗数のうちハーシャッド数でない最小の数は432!である。

H.G.Grundmanは1994年に、十進法では21個以上の連続する自然数が全てハーシャッド数になるような組はないことを証明した。また彼は20個の連続する自然数が全てハーシャッド数になる最小の組を見つけ、それらは 1044363342786 を超える数である。二進法では4つの連続する自然数が全てハーシャッド数であるような組は無数に存在し、三進法では6つの連続する自然数が全てハーシャッド数であるような組が無数に存在する。これらの事実はT.Caiによって1996年に証明された。一般的にそれらの数の組はn進法で N×nk-n から N×nk+(n-1) までの連続する2n個の数である。ここでNはある定数でkは比較的大きな数である。

間に0が連続して続く数を使って無数にハーシャッド数を作ることができる。例えば21を使うと、21,201,2001,20001 などは全てハーシャッド数になる。

自然数x以下のハーシャッド数の個数をN(x)とおくと、どんな正の数εに対しても以下の式が成り立つ。

x^{1-\varepsilon} \ll N(x) \ll \frac{x\log\log x}{\log x}

これはJean-Marie De Koninck と Nicolas Doyon によって証明された。De Koninck、Doyon、Kátaiはまた

N(x)=(c+o(1))\frac{x}{\log x}

を証明した。ただし c=(14/27)log10=1.1939…