ハミック反応

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ハミック反応(—はんのう、Hammick reaction)とは、有機化学における合成反応の一種で、アルデヒドの存在下にα-ピコリン酸熱分解させると、脱炭酸とそれに続く求核付加反応により(2-ピリジル)アルコールが生じる反応である[1][2][3]

ハミック反応
ハミック反応

p-シメンを溶媒として、収率が向上した例がある[4]

反応機構[編集]

α-ピコリン酸 1 を加熱すると、脱炭酸により双性イオン 2 が発生する。アルデヒドなど、反応性の求電子剤が存在すると、それに対する 2 の求核的付加は、2 のプロトン化によるクエンチよりも速いため、付加体 3 が生じる。続いてプロトンが移動した 4 が生成物として得られる。

ハミック反応の機構
ハミック反応の機構

参考文献[編集]

  1. ^ Dyson, P.; Hammick, D. L. J. Chem. Soc. 1937, 1724.
  2. ^ Hammick, D. L.; Dyson, P. J. Chem. Soc. 1939, 809.
  3. ^ Brown, E. V.; Shambhu, M. B. J. Org. Chem. 1971, 36, 2002.(DOI:10.1021/jo00813a034)
  4. ^ Sperber, N.; Papa, D.; Schwenk, E.; Sherlock, M. J. Am. Chem. Soc. 1949, 71, 887.