ハイアットリージェンシー空中通路落下事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
事故現場の写真。崩落した4階と2階の空中通路が接続されていた場所はベニア板で塞がれている。3階の空中回路は無傷で残っている。

ハイアットリージェンシー空中通路落下事故(ハイアットリージェンシーくうちゅうつうろらっかじこ)とは、1981年7月17日に、アメリカ合衆国ミズーリ州カンザスシティのホテル、ハイアットリージェンシー・クラウンセンター内で起こった空中通路の落下事故である。114名の命が失われ、216名が負傷した。事故当時において、建築物の崩落による事故としてはアメリカ合衆国で史上最悪のものとなり、世界で大きく報道された。

概要[編集]

本来の設計(左)と実際に施工されていた(右)吊り下げ金具と梁の接続方法
変形した4階の梁。落下の衝撃で2階の吊り下げ金具が梁を縦に貫通している
調査初日に撮影されたホテルのロビー
崩落した4階と2階の空中通路

1981年7月17日、現場ホテルのロビーではダンスコンテストが開かれ、およそ1600人の人々で混雑しており、一部の見物人はロビー上部の空中通路からダンスを見物していた。2階には約40人、4階には約20人が空中通路に立っていた。

ロビー天井吹き抜け部分の空中通路は2、3、および4階の位置に金属部品で吊り下げて設置してあり、そのうち4階部分は2階部分の真上に位置するように、また3階部分はそれより数メートル離れて設置してあった。設計図上では、4階と2階の空中通路は天井の梁と接続された吊り下げ金具によって吊り下げられる予定だったが、建設途中に無断で計画が変更され、2階の空中通路を支える吊り下げ金具が4階の空中通路の梁に接続されるように変更されていた。そのため、4階通路を支える梁に2階通路の重量が加わり、設計時に想定されていた2倍以上の負荷がかかり、積載荷重が0の時でも崩落の可能性があった。

19時5分頃、60人の見物客の重みで4階通路の梁が変形、天井からの吊り下げ金具との接続が外れ、4階通路に接続されていた2階通路と共に下のロビーに崩れ落ちた。また、貯水槽に接続されていた水道管が破裂、ロビーが冠水し救助活動は困難を極めた。111人が現場で死亡、216人が負傷。その後、病院で3人が死亡し、最終的な死者は114人となった[1]

その後このホテルのロビーには、安全な空中通路が設計から見直され、再建される。またこの事故をきっかけに、アメリカ全土で、より厳しい建築基準が設けられることとなった。なお、設計に関わった技術者たちはそのライセンスを剥奪されたが、刑事罰は免れた。

ハイアットリージェンシー空中通路落下事故 関連作品[編集]

映像作品[編集]

出典[編集]

  1. ^ Friedman, Mark (2002). Everyday crisis management: how to think like an emergency physician. First Decision Press. p. 134. ISBN 978-0971845206. http://books.google.com/books?id=JH_0wEY8E6QC&lpg=PA134&ots=2yg6mMEaCu&dq=hyatt%20regency%20kansas%20city%20waeckerle&pg=PA135#v=onepage&q=hyatt%20regency%20kansas%20city%20waeckerle&f=false. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯39度5分6秒 西経94度34分48秒 / 北緯39.08500度 西経94.58000度 / 39.08500; -94.58000