コモン・モード

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コモン・モード: common-mode)正負両差動入力端子に現れる波形が同位相であることをいう。逆はノーマル・モード: normal-mode)である。

図で、上の例では正負の信号線に同じ位相、同じ大きさの雑音が乗っている。この場合、差動入力回路における減算が理想的(CMRRが無限大)であれば、雑音は完全に打ち消されてしまい、出力には現れない。逆に下の例では、両信号線における雑音の位相が逆であり、差動入力の結果雑音は倍の振幅になって現れる。前者をコモン・モード雑音、後者をノーマル・モード雑音と呼ぶ。

正負の信号線が接近しており、入出力インピーダンスが同程度で整合していれば、外来雑音は両信号線に同様に影響しコモン・モードの雑音となることが期待される。業務用マイクロホン等を平衡接続するのはこれを狙ったものである。さらに、正負の信号線を縒り合わせると効果的に信号線が接近するだけでなく、見かけのインダクタンスを小さくすることができる(両信号線のインダクタンスが打ち消し合う)。ツイステッドペア10BASE-Tなどの高速信号線に用いられる理由である。

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