ノーティドッグ

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Naughty Dog, Inc.
企業形態 ソニー・コンピュータエンタテインメントの子会社
業種 ビデオゲーム制作
設立 1984年
創業者 アンディ・ギャビン
ジェイソン・ルービン
本部 アメリカ合衆国
カリフォルニア州サンタモニカ
代表者等 エイミー・ヘニング
ニール・ドラックマン
ブルース・ストラリー
製品 テレビゲーム
所有者 ソニー株式会社
従業員数 250[1]
株主 ソニー・コンピュータエンタテインメント
ウェブサイト naughtydog.com

ノーティドッグ社 (Naughty Dog, Inc.) は、カリフォルニア州サンタモニカに拠点を置くアメリカテレビゲームの開発会社。PlayStation専用ゲームの開発に当たるソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)の子会社でSCEワールドワイド・スタジオの一つである。主にアクションゲームの開発を行い、クラッシュ・バンディクーシリーズアンチャーテッドシリーズなどを手掛けてきた。また、ゲーム関連のアワードにおいて数多くの賞を獲得している一大スタジオとして知られる。

概要[編集]

ノーティードッグは、20年間にわたり様々なジャンルのベストセラーソフトを世に送り出し、多数の賞を手にするなど高い評価を得ている[2]。2009年時点までにノーティードッグのゲームは、累計販売数4千万本を突破し、総売上高は10億USドル以上に達する[2]。ノーティドッグは一大スタジオでありながら、仕切りの少ない小規模なスタジオの雰囲気を保っており、上下関係などは存在せず常に社員同士で意見交換が行われている[3]。ゲームプレイの改善を目的とした上の駄目だしも少なくはなく、この環境はクオリティーの高いゲームを制作する秘訣であるという。ロード時間を一切表示せずに、広大なフィールドを表現する手法を用いることが多く、ジャック×ダクスターシリーズアンチャーテッドシリーズ(以下UC)などでは、一部のシーンを除き、全てのフィールドがシームレスに纏められている。『UC』と『TLoU』の開発にはモーションキャプチャーテクノロジーが利用されており、ハリウッドソニースタジオで撮影が行われる[3]。これによりキャラクターの動きを役者と合わせることができ、表情もカメラで読み取っているのでリアルで自然な表情が生み出されている。高度なグラフィック処理はノーティドッグの独自のエンジン開発が実現しており、『UC2』以降は物理エンジンにHavokも採用されている[4]。また、ゲームだけではなく、アートの世界でも痕跡を残そうとするノーティドッグの「流儀」に従い、ゲームのあらゆる細部まで拘り作り込まれていることが確認できる。中にはプレイヤーが気づかないようなところが多いが、それらひとつひとつが組み合わさることにより、よりよい体験を作り出している[4]

サンタモニカのハイウェイ10号線近くに本拠を置くノーティドッグは、ウォーターガーデンのオフィスビル内にあり[2]、複数のビーチや、遊園地、メインストリートのショッピングエリアなどが隣接する。同じSCEの開発スタジオであるSCEサンタモニカスタジオも近い。一年中温暖な気候で、バスケットボールヨガセッション、グループ旅行、デッサンワークショップなどの様々な活動も行われている[2]。オフィス内には犬が数匹飼われており、自由に動き回る。「naughty」とは「いたずらな、わんぱくな」という意味で、ノーティドッグが開発したゲームの1つ『ジャック×ダクスター 旧世界の遺産』では「無茶犬」という表記もされている。

歴史[編集]

設立当初[編集]

1985年、アンディ·ギャビン(Andy Gavin)とジェイソン·ルービン(Jason Rubin)によって独立したゲーム開発スタジオとして設立された[5]。(2001年にはSCEにより買​​収された。)設立当初は「Jason and Andy Magic」を略しJAMソフトウェアと呼ばれていた。ギャビンとルービンはセガメガドライブ用の『Rings of Power』と3DO用の『ウェイ・オブ・ザ・ウォリアー』を含むゲームを製作し次第に成功を収めていった。特に後者は低予算ながらも良作とされ、ユニバーサルインタラクティブスタジオはこれを評価し、当スタジオと3タイトルに及ぶ契約を結び、会社拡大のため資金を供給することとなる[5]

ソニック・ザ・ヘッジホッグ2の開発に当たったセガのマーク・サーニーMark Cerny)は、新たに得た資産を最新世代ゲーム機の3D機能の能力をフルに活用するような、コミカルキャラクターが主役の3Dアクションゲームの製作に集中するようノーティドッグを説得していた[5]。このエピソードは最終的には1996年8月31日の初代PlayStation用『クラッシュ・バンディクー』のリリースにつながったという。ノーティドッグはこのクラッシュ・バンディクーの続編を後の数年の間で3作製作する。

SCE買収後[編集]

2001年1月にはSCEがノーティドッグを買収すると発表。『クラッシュ・バンディクー レーシング』を開発した後、同スタジオはPlayStation 2用の『ジャック×ダクスター』の製作に取り組み始めた。

2004年には、ノーティドッグのスタジオの社長兼共同創設者であったジェイソン·ルービンが会社を辞め[6]、別のスタジオで『Iron and the Maiden』という名前の新しいプロジェクトに取り組む[7]。2007年にはノーティドッグ最初のPlayStation 3タイトルである『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』リリース。2009年にその続編である『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』、そして2011年11月に『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』 がリリースされた。特に『黄金刀と消えた船団』は、コントローラーを手放さない興趣が尽きないストーリーに、手に汗を握る迫力溢れるゲームプレイ、細部まで拘り作り込まれたクォリティーの高さなどが称賛され、ゲーム界のアカデミー賞と呼ばれる“AIAS[8] ゲーム・オブ・ザ・イヤー 2009”をはじめとする多くのゲーム賞を獲得した[9][10]

方針転換[編集]

当時までのノーティドッグは、同時に複数のタイトルを開発しない他、世代別のゲーム機ごとにひとつだけのフランチャイズしか製作しない来歴を持つことが知られていたが、この方針は過去のフランチャイズのファンから多数の批判を招いていたという[11]。しかし、2011年12月10日のPlayStation 3用新IPである『The Last of Us』の発表でこれまでの方針が終局を迎える。このプロジェクトは同スタジオ内において初となるセカンドチームを備えた同時進行開発となり、2013年6月にリリースされ、批評家による圧倒的な称賛を受けた。また、2013年11月の米国でのPlayStation 4のロンチイベントではPS4用としてアンチャーテッド新作『UNCHARTED』(仮称)が発表され[12]、これでアンチャーテッドはノーティドッグ初となる2世代間に跨るフランチャイズとなる予定である。

ICEチーム[編集]

ノーティドッグは、その社内ゲーム開発チームに加えて、SCEワールドワイド・スタジオの中心技術グループであるICEチーム(Initiative for a Common Engine Team / 共通エンジン構想チーム)の本拠地でもある[13][14]。ICEチームは、コアなグラフィックスの技術開発に焦点を当て、これをSCEの開発スタジオに提供する。 これには、深層のゲームエンジンコンポーネントや、グラフィックス処理パイプライン、グラフィックプロファイリング、デバッグツールなどが含まれる。 ICEチームはまた、サードパーティのデベロッパーにも、エンジンコンポーネント、グラフィック分析・プロファイリング、およびRSX用デバッグツールのスイートを提供している[15][16]。どちらも、デベロッパーがPlayStationハードウェアのパフォーマンスをより存分に生かせるためのサポートツールである。


他スタジオとの連携[編集]

ラチェット&クランク』シリーズや『RESISTANCE〜人類没落の日〜』などのゲームを開発したインソムニアックゲームズ(Insomniac Games)とは、両社のオフィスが近いこともあり、古くから親しい間柄にある。実際に2002年にノーティドッグは『ラチェット&クランク』の第1作の開発に手を貸しており、時折両社のゲームシリーズ内でのコラボレーションが行われている。

SCEファーストパーティの壁も越え、アクティビジョンInfinity WardBungieとも技術交換などを視野に入れた対話を行っていることが明らかになっている[17]

ゲーム作品[編集]

JAMソフトウェアとして[編集]

※すべて日本未発売

タイトル 発売年 プラットフォーム
Math Jam 1985 Apple II
Ski Crazed 1986
Dream Zone 1987 Apple IIGS, Amiga, DOS

ノーティドッグとして[編集]

タイトル 発売年 プラット
フォーム
原題 参考
Keef the Thief 1989 PC 日本未発売
Rings of Power 1991 メガドライブ 日本未発売
ウェイ・オブ・ザ・ウォリアー 1994 3DO Way Of The Warrior
クラッシュ・バンディクー 1996 PlayStation Crash Bandicoot
クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲! 1997 Crash Bandicoot 2: Cortex Strikes Back
クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周 1998 Crash Bandicoot 3: Warped
クラッシュ・バンディクー レーシング 1999 Crash Team Racing
ジャック×ダクスター 旧世界の遺産 2001 PlayStation 2 Jak and Daxter: The Precursor Legacy
ジャック×ダクスター2 2003 Jak II
Jak 3 2004 日本未発売
Jak X: Combat Racing 2005 日本未発売
アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝 2007 PlayStation 3 Uncharted: Drake's Fortune
アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団 2009 Uncharted 2: Among Thieves
アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス 2011 Uncharted 3: Drake's Deception
ラスト・オブ・アス 2013 The Last of Us
アンチャーテッド新作[12] 未定 PlayStation 4 UNCHARTED(仮称)

関連会社[編集]

出典[編集]

  1. ^ http://www.linkedin.com/company/13609?trk=tyah
  2. ^ a b c d SCE Worldwide Studios - Naughty Dog”. SCE (2009年). 2014年1月30日閲覧。
  3. ^ a b 『UC1』ボーナスギャラリーのムービー「メイキングパート1」での言及より。
  4. ^ a b 『UC2』ボーナスギャラリーのムービー「メーキング:技術とゲームプレイ」での言及より。
  5. ^ a b c Moriarty, Colin (2013年10月4日). “Rising to Greatness: The History of Naughty Dog”. Ziff Davis. IGN. 2014年1月30日閲覧。
  6. ^ Jason Rubin set to exit Naughty Dog
  7. ^ http://www.1up.com/do/newsStory?cId=3148865&did=1
  8. ^ Academy Of Interactive Arts & Sciencesの略。
  9. ^ Thank You for a Great 2009
  10. ^ How I Made It: Amy Hennig
  11. ^ Leack, Jonathan. “Crash Bandicoot, Jak & Daxter to Be Left Behind Says Naughty Dog”. Playstation LifeStyle. 08/04/2011閲覧。
  12. ^ a b プレイステーション4向けの『アンチャーテッド』最新作が発表! ティーザー映像も公開”. ファミ通.com (2013年11月15日). 2013年12月23日閲覧。
  13. ^ Mark Cerny's "Road to the PS4" @ Gamelab 2013 - YouTube
  14. ^ http://mail.python.org/pipermail/c++-sig/2007-October/012954.html
  15. ^ Naughty Dog Careers. Naughtydog.com. Retrieved on 2013-07-16.
  16. ^ Sony’s Secret Super Development Team. PS3 Attitude (2009-06-05). Retrieved on 2013-07-16.
  17. ^ かたこり (2011年7月15日). “「Naughty Dog」はファーストパーティの壁も越え、Infinity WardやBungieとも対話を行っている”. doope!. http://doope.jp/2011/0719279.html 2013年11月5日閲覧。 

外部リンク[編集]