ノーザンプトン級重巡洋艦

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ノーザンプトン級重巡洋艦
USS Northampton (CA-26) 1930.jpg
写真は1930年代の
「ノーザンプトン(USS Northampton)」
艦級概観
艦種 重巡洋艦
艦名 都市名 一番艦はマサチューセッツ州ノーサンプトンに因む
前級 ペンサコーラ級
次級 ポートランド級
性能諸元(括弧内は改装後のデータ)
排水量 基準:9,006トン、満載:11,830トン
(基準:10,630トン、満載:14,300トン)
全長 182.9m
全幅 20.1m
吃水 5.9m (6.7m)
機関 ホワイト・フォスター式重油専焼水管缶8基+パーソンズギヤード・タービン4基4軸推進
最大出力 107,000hp
最大速力 32.5ノット(32ノット)
航続距離 15ノット/10,000海里(15ノット/9,800海里)
燃料 重油:3,070トン
乗員 615~621名
兵装 20.3cm(55口径)三連装砲3基:9門
12.7cm(25口径)単装高射砲4基:4門(単装8基8門)
40mm(60口径)4連装機関砲4~5基16~20門、20mm(70口径)機銃22~26門
12.7mm機銃8基:8門
53.3cm 三連装魚雷発射管2基:6門(全て撤去)
装甲 舷側:76mm(水線面主装甲)
甲板:38mm(主装甲)
主砲塔:64mm(前盾)、38mm(側盾)、19mm(天蓋)
バーベット:38mm
弾薬庫:95mm(舷側)、51mm(上面)
司令塔:32mm(側盾)
航空兵装 水上機5機(水上機2~3機)
カタパルト2基(1~2基)

ノーザンプトン級重巡洋艦(ノーザンプトンきゅう じゅうじゅんようかん、Northampton class Heavy Cruisers)は、アメリカ海軍重巡洋艦の艦級。条約型重巡洋艦の第2グループで1927年度計画により6隻の建造が認められ、前級の不具合を改善する事を目的に改設計が行われた。

概要[編集]

本級はペンサコーラ級の重量増と予算超過に対応する形で設計された艦である。前級で10門あった主砲は1門減らされる代わりに全ての主砲塔を8インチ三連装砲塔に統一し、これを3基9門として火力の低下を抑えつつ軽量化された。一方で、防御面において装甲範囲と装甲厚が強化された。前級よりも装甲は強化されたが、砲塔数が減ったため防御重量は軽くなり、その結果ワシントン条約による制限排水量よりも1,000トン近く軽量であった。また、前級で問題であった凌波性も喫水から艦首まで高い船首楼型甲板を採用することで凌波性が改善された。

後期に建造された3隻は旗艦として使用するため後部の乾舷が拡張された。本級は艦載機の格納庫を設置し、寝具をハンモックの代わりにベッドを使用した最初のアメリカ軍艦艇であった。

艦体[編集]

竣工後の「ルイビル」。本級から水上機格納庫が設けられた。
改装後のの「ルイビル」。

船体形状は前級が平甲板型船体を採用していたのに対し、本級から艦首甲板のみ乾舷の高い短船首楼形船体に改められた。本級の主砲には前級から引き続き「Mark 9 20.3cm(55口径)砲」を採用したが、全て三連装砲塔に改められ、これを艦首甲板に背負い式配置で2基、その背後に司令塔を組み込んだ箱型艦橋を基部に、頂上部に射撃指揮所を乗せた三脚型の前部マストが立つ。

三脚檣の背後に2本煙突が立つが、本級の機関は前級に引き続いて「シフト配置」を採用しているために前後の煙突の間隔は広く取られていた。1番煙突の基部で船首楼が終了し、煙突の間は水上機の運用スペースとされるのは前級と同じだが、2番煙突の基部に新たに水上機格納庫が設けられた。このために舷側配置のカタパルトの射出先が格納庫と船首楼によって狭められるのを防ぐためにカタパルトの架台を高める必要があった。水上機は2番煙突の基部に付いたクレーン1基により揚収される。

2番煙突から後ろは前部の半分程度しかない背の低い三脚式の後部マストが立ち、その背後に3連装砲塔1基が配置された。前級で問題となっていた高すぎる前後のマストは本級において高さが低められ、低くなった中部甲板と共に船体の重心低下に貢献した。また、主砲斉射時の爆風対策に艦橋構造の密閉化が進められた。

傾くルイビル

本級の凌波性能は改善されたが一方で細身の船体から来る復元性の不足と動揺の激しさから外洋での安定性に欠けるのは前級と同様で主砲斉射時の散布界の増大は解決されなかった。また、中部甲板と後部甲板の高さ不足から来る容積不足が指摘されており、居住性不足は未解決のままであった。

武装[編集]

主砲[編集]

主砲は引き続き「Mark 9 20.3cm(55口径)砲」を採用している。性能は重量97.5 kgの砲弾を最大仰角41度で29,130mまで届かせることが出来た。俯仰能力は仰角41度・俯角10度で、旋回角度は船体首尾線方向を0度として左右150度の旋回角度を持つ。発射速度は毎分3~4発である。前級では3連装砲塔と連装砲塔の混載であったが、本級において全主砲塔を3連装砲塔に統一した。これにより主要防御長の短縮に繫がり防御重量の節約となった。

高角砲、その他の備砲[編集]

高角砲は引き続き「12.7cm(25口径)高角砲」を採用した。この砲は24.43kgの砲弾を最大仰角85度で高度8,352m、対艦用として仰角45度で13,259mまで届かせる性能があった。旋回と俯仰は電動と人力で行われ、左右方向に150度旋回でき、俯仰は仰角85度・俯角15度で発射速度は毎分15~20発だった。これを単装砲架で片舷4基計8門を搭載した。他に主砲では対抗不能な相手への対処として53.3cm水上3連装魚雷発射管が片舷1基ずつ計2基装備された。後に、対空兵装の強化により12.7cm高角砲は倍の8基8門に加え、40mm(60口径)機関砲4連装4基~5基に20mm(70口径)機銃22~26丁、12.7mm機銃8丁が追加されたが、これの代償として魚雷兵装は撤去された。

防御[編集]

前述の主砲塔搭載の変化による武装重量減少により、防御重量を増加することが出来た。これにより、本級の防御力は更なる強化が行われ舷側の水線部装甲は前級の64mmから76mmと強化されたが、甲板防御は25mmのままであった。弾薬庫防御は過大であるとされ、本級では逆に減厚され舷側95mmされたが、逆に上面は51mmと強化された。対水雷防御は前級と同じく弾薬庫の側面部のみ1層の燃料層で防御しているのみであったが、前級よりかは若干は区画細分化や浸水対策は進められていた。

機関[編集]

本級の機関は前級と変わりなく高温蒸気を使用するホワイト=フォスター式重油専焼水管缶を8基とパーソンズ式ギヤード・タービン4基4軸推進で最大出力107,000馬力、速力32.5ノットを公試で発揮した。本級の機関配置は前述の通りシフト配置方式で艦首からボイラー2基ずつ収める第1缶室と第2缶室の背後にタービン機関2基を収める第1機械室、水密隔壁を挟んで第3缶室と第4缶室の背後に第2機械室の順番で配置した。本級はオマハ級より継承されたシフト配置により前述の脆弱な水中防御を機関配置で補っていた。

同型艦[編集]

外部リンク[編集]