ノイバラ

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ノイバラクロンキスト体系
Rosa multiflora (200705).jpg
ノイバラ(神奈川県横浜市・2007年5月)
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : バラ亜科 Rosoideae
: バラ属 Rosa
: ノイバラ R. multiflora
学名
Rosa multiflora Thunb.
シノニム
  • Rosa polyantha Siebold et Zucc.
和名
ノイバラ(野茨)
英名
Japanese rose
Eijitsu rose

ノイバラ(野茨、学名:Rosa multiflora)は、バラ科の落葉性のつる性低木。日本のノバラの代表的な種。沖縄以外の日本各地の山野に多く自生する。ノバラ(野薔薇)ともいう。

特徴[編集]

高さは2mぐらいになる。葉は奇数羽状複葉で、小葉数は7-9、長さは10cmほど。小葉は楕円形、細かい鋸歯があり、表面に艶がない。

花期は5~6月。枝の端に白色または淡紅色の花を散房状につける(ラテン語で「花が多い」を意味する種小名の由来となっている)。個々の花は白く丸い花びらが5弁あり、径2cm程度。雄しべは黄色、香りがある。秋に果実(正確には偽果)が赤く熟す。

同属でやはり身近に出現するもの-にテリハノイバラ (Rosa luciae) があり、こちらは葉の表面にクチクラ層が発達しているため、艶がある。また花は一回り大きく、数が少ない。

道端にも多く出現し、棘が多いので雑草としてはいやがられる。刈り入れられても根本から萌芽し、根絶は難しい。

分布と生育環境[編集]

北海道から九州までと、朝鮮半島に分布する。

野原や草原、道端などに生え、森林に出ることはあまり見ない。河川敷など、攪乱(かくらん)の多い場所によく生え、刈り込まれてもよく萌芽する、雑草的な性格が強い。

利用[編集]

果実は営実(エイジツ)と称し瀉下薬利尿薬になり、日本薬局方にも記載されている。また、バラの園芸品種に房咲き性をもたらした原種であり、日本では接ぎ木の台木に使用される。そのため、しばしば栽培中に根本からノイバラが萌芽し、繁茂してしまうことがある。

エイジツエキスは、おできにきび、腫れ物に効果があるといわれていて、化粧品成分に利用されている。皮膚の保護作用、収れん作用抗酸化性、美白性、保湿性、皮膚細胞の活性効果を持つ。

文化[編集]

古くはうまらと呼ばれ万葉集にも歌われている[1]

道の辺の うまらの末(うれ)に 這(は)ほ豆の からまる君を はなれか行かむ

丈部鳥(はせつかべのとり), 巻二十 4352

ギャラリー[編集]

 
 
果実は秋に赤く熟す 

脚注[編集]

  1. ^ 「うまら」と「いばら」は同じ語の異形どうしで、「魚」を意味する「うを⇔いを」などと同様、「う-」の形と「い-」の形が(あるいは地域を隔てて)併存していたものと考えられる。またマ行とバ行の交替は現代語「淋しい」などにも見られる、珍しくない現象。

参考文献[編集]

  • 北村四郎・村田源、『原色日本植物図鑑・木本編II』、(1979)、保育社