ネロ・ウルフ

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ネロ・ウルフ(Nero Wolfe)は、レックス・スタウト作の推理小説に登場する架空の私立探偵シャーロック・ホームズと並んで人気の高い名探偵の一人であるが、日本での知名度は高くない。

概要[編集]

ニューヨークマンハッタン西35丁目に居を構える巨漢の私立探偵[1]。美食家で料理にうるさく、そのため料理人のフリッツ・ブレンナーを個人で雇っている。ひどい外出嫌いだが、食事のためなら出かける。年齢は56歳[2]。これは作中の時代が変化しても変わらない。モンテネグロ出身のアメリカ市民[3]

外出を嫌うため捜査には助手のアーチー・グッドウィンを始めとする調査員を用い、彼らが集めたデータを元に事件の謎を解く。事件現場に向かうことはおろか家から一歩も出ることはなく、典型的な安楽椅子探偵として挙げられる。

また蘭の栽培に傾倒しており、食事と蘭の世話を決められた時間に行うことを日課とし、その最中はどんな依頼も受け付けない。それらに多大な費用がかかるため、依頼料は法外である。

著名なシャーロキアンであるW.S.ベアリング=グールドは、『シャーロック・ホームズ ガス燈に浮かぶその生涯』において、シャーロック・ホームズアイリーン・アドラーの息子ではないかという説を提唱している。

アーチー・グッドウィン[編集]

ネロの助手で、彼とは対照的な痩せたハンサムな青年。シャーロック・ホームズ作品におけるワトスン役であり、出不精のネロに代わって事件現場などに赴いて情報を集めてくる。

長編[編集]

  • 毒蛇(Fer-de-Lance 1934)
  • 腰ぬけ連盟(The League of Frightened Men 1935)
  • ラバー・バンド(The Rubber Band 1936)
  • 赤い箱(The Red Box 1937)
  • 料理長が多すぎる(Too Many Cooks 1938)
  • シーザーの埋葬(Some Buried Caesar 1939)
  • 我が屍を乗り越えよ(Over My Dead Body 1940)
  • 遺志あるところ(Where There's a Will 1940)
  • 語らぬ講演者(The Silent Speaker 1946)
  • 女が多すぎる(Too Many Women 1947)
  • Xと呼ばれる男(And Be a Villain〔英題:More Deaths Than One〕1949)
  • The Second Confession 1949
  • In the Best Families 1950
  • 編集者を殺せ(Murder by the Book 1951)
  • Prisoner's Base〔英題名 Out Goes She〕1952
  • 黄金の蜘蛛(The Golden Spiders 1953)
  • 黒い山(The Black Mountain 1954)
  • Before Midnight 1955
  • 殺人犯は我が子なり(Might as Well Be Dead 1956)
  • If Death Ever Slept 1957
  • Champagne for One 1958
  • Plot It Yourself〔英題名 Murder in Style〕1959
  • Too Many Clients 1960
  • 究極の推論(The Final Deduction 1961)
  • ギャンビット(Gambit 1962)
  • The Mother Hunt 1963
  • A Right to Die 1964
  • ネロ・ウルフ対FBI(The Doorbell Rang 1965)
  • Death of a Doxy 1966
  • ファーザー・ハント(The Father Hunt 1968)
  • Death of a Dude 1969
  • マクベス夫人症の男(Please Pass the Guilt 1973)
  • ネロ・ウルフ最後の事件(A Family Affair 1975)

脚注[編集]

  1. ^ ウルフの体重は「7分の1トン」だとアーチーは作中で繰り返し言及する。これは約315ポンド(約142キログラム)である。1947年の中編Before I Die では、「310ポンドから390ポンド」だとアーチーが見積もっている。同年の『女が多すぎる』Too Many Women では340ポンド(約154キログラム)近いとされている。しかしラジオ番組The New Adventures of Nero Wolfe のプロデューサーのためにスタウトが1949年9月に書いたメモによれば、ウルフは「身長5フィート11インチ。体重272ポンド。56歳。」(約123キログラム。ほぼ8分の1トン)。 McAleer, John, Rex Stout: A Biography (1977, Little, Brown and Company; ISBN 0316553409) p.383. 1953年のIn the Best Families でネロは一時的に117ポンド(53キログラム)減量している。
  2. ^ 上記メモ。作中では年齢は示されない。
  3. ^ ただし『我が屍を乗り越えよ』Over My Dead Body (1940) では、ウルフは自分をアメリカ生まれだと語っている。これは雑誌The American Magazine 編集部と出版社fararr & Rinehart がスタウトの記述に抗議して変更させたため。上記伝記。