ネットワークオペレーティングシステム

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ネットワークオペレーティングシステム (NOS:Network Operating System) とは、コンピューターネットワーキングを指向したサーバベースのオペレーティングシステム (OS) であり、ディレクトリサービス、ネットワーク管理、ネットワーク監視、ネットワークポリシー、ユーザーグループ管理、ネットワークセキュリティ、およびその他のネットワーク関連機能が含まれる場合がある[1]LANなどのネットワーク環境で、クライアント側のコンピュータが、ファイルサーバなどのサーバを効果的に共有する機能を実現するために開発されたOSである。

概要[編集]

NOSには、クライアントマシンに搭載するものと、サーバマシンに搭載するものがある。

NOSは、サーバとクライアントの通信を制御する。例えば、前者は共有資源を公開・管理し、後者は共有資源を利用する。また、サーバのNOSは、セキュリティ保持のため、ユーザのアクセスを制御している。ネットワークの利用者はユーザIDとパスワードの登録が必要である。

1990年代前半頃までは、企業内LANにおいては、サーバにはNetWareなどのサーバに特化したOSなどを稼働させ、クライアントにはMS-DOSWindows 3.1のようなネットワーク機能を持たないOSにネットワーク機能を後付けして使うのが一般的であったため、そのようなOSや機能を指すものとしてNOSという用語がよく使われた。

NOSと言う場合、狭義にはNetWareなどのネットワーク専用OSを指し、広義にはOS/2上で稼働したLAN Managerなども指す。

しかしその後、サーバにはWindows NT ServerUNIXのような汎用OSを使い、クライアントOSにはネットワーク機能が標準装備されるのが一般的になった。

現在ではNOSと言うと、ルーターなどのネットワーク機器内部の制御ソフトウェア(オペレーティングシステム)を指す場合が多い。

脚注[編集]

  1. ^ ウィリアム・スターリングス『Foundations of Modern Networking: SDN, NFV, QoE, IoT, and Cloud』Addison-Wesley Professional、2015年 ISBN 0134175395

関連項目[編集]