ネオ・ファウスト
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『ネオ・ファウスト』は、1988年に『朝日ジャーナル』に連載された、手塚治虫執筆の青年漫画である。筆者の逝去のため、未完の作品となっている。FMシアターでラジオドラマ化されている。『マイペディア』などでは手塚の遺作として本作を挙げており、講談社の発行している『手塚治虫漫画全集』全382巻+別巻18巻では、晩年の作品としては『グリンゴ』よりも後の369巻として刊行されている。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
目次 |
[編集] あらすじ
学園闘争真っ只中のNG大学で教鞭をとる一ノ関教授は、自らの人生を儚んで自殺を図るが、そこへ女悪魔メフィストフィレスが現れる。一ノ関は、彼女と自分が満足し『時よ止まれ、お前は美しい』と言うまで、メフィストが彼を20歳に若返らせて快楽の生活に導くという条件の下、彼女と契約する。一ノ関は売春防止法施行の翌日の快楽街で、ホルモン焼き屋の魔女の薬によって若返って、記憶を失ったところを資産家・坂根第造に拾われ、「坂根第一」と名付けられる。第一は第造の元で働き始めるが、やがて第造に気に入られて養子となる。第造が胃癌で亡くなると、遺産を相続した第一は、それを使って生命体を作り出す創造主となる決意を固める。
[編集] 未完・その後の展開
作品自体は終盤になると絵コンテのみが掲載され、そのまま絶筆になったことを物語っている。
最後近くのコマは、絵コンテのまま、「面白い3人を用意しています」「誰なんだ!!」という言葉で終わっている。そのため、その3人が一体誰を指すのかは永遠に謎のままであるが、文庫版の解説によると、手塚は完全にその後の展開を作り上げていたらしい。それは作中に登場する左翼活動家・石巻の精子が新生物となり、未来の世界を脅かすという内容である[1]。
[編集] 百物語
「百物語」は、『ライオンブックス』の一編である。文庫版の『ファウスト』にも収録されている、戦国時代バージョンといえる作品で、物語の設定と一部エピソードや構成が重なっている部分がある。こちらは物語自体が完結している。
- ネオファウストと重なるシーン
- 老婆が若返りの薬を用いて、猿が登場し騒ぐシーン
- 若い悪魔が登場し、魂と願望の交換条件(玉藻前ほか)を提示するシーン
[編集] アニメ化計画と頓挫
リクルート時代の藤原和博が作品のアニメ化を手塚に打診し、手塚が非常に積極的で乗り気だったことが知られている。その後、予算の関係で計画は白紙になり、手塚が死去したことから、藤原の悔やむところとなった。
[編集] 復元の試み
1999年1月15日、NHK総合テレビで「手塚治虫・世紀末へのメッセージ」が放送された。この番組で、書かれた時期は不明だが、『ファウスト』をもとにした80枚に及ぶアニメ用シナリオが遺稿として発見されたことが伝えられた。内容が『ネオ・ファウスト』と重なる部分が多いことから、これをもとにした『ネオ・ファウスト』の復元が試みられた。オリジナルの冒頭と、途中および終結部がアニメとして映像化されている。
この復元では、若返った第一がクローン兵士を大量に生産し、結果世界戦争が起こり、人類は滅亡の危機に瀕する。その後のラストでは、少女との純愛に目覚めた第一が戦場で追い詰められ、『世界よ止まれ、お前は美しい』と言ってメフィストと対峙する。そうして瓦礫に押しつぶされた第一たちの魂は昇天し、メフィストは姿を消す、という結末となっている。
[編集] 脚注
- ^ 1992年 朝日文庫版『ネオ・ファウスト』の長谷川つとむの解説(p414)。1988年9月の手塚自身の発言による
