ヌマヨコクビガメ
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ヌマヨコクビガメ Pelomedusa subrufa
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Pelomedusa subrufa (Lacepede, 1788) |
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| 和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| ヌマヨコクビガメ | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| African helmeted turtle |
ヌマヨコクビガメ(沼横首亀、Pelomedusa subrufa)は、動物界脊索動物門爬虫綱カメ目ヨコクビガメ科ヌマヨコクビガメ属に分類されるカメ。本種のみでヌマヨコクビガメ属を形成する。ヨコクビガメ属はヨコクビガメ科の模式属。
目次 |
[編集] 分布
ヨコクビガメ科のみならず曲頸亜目で唯一ユーラシア大陸にも分布する。
- P. s. nigra クロヌマヨコクビガメ
- P. s. olivacea エリトリアヌマヨコクビガメ
模式標本の産地(模式産地)はセネガル。
イエメン西部、エチオピア、エリトリア、カメルーン、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、コートジボワール、サウジアラビア南西部、シエラレオネ、ジブチ、スーダン、セネガル、中央アフリカ共和国、ナイジェリア北部、ブルキナファソ、マリ共和国南部、リベリア
- P. s. subrufa アフリカヌマヨコクビガメ
模式産地は喜望峰(南アフリカ共和国)とマダガスカルの2説がある。
アンゴラ、ウガンダ、ガーナ、ガボン、カメルーン南部、ケニア、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、ザンビア、ジンバブエ、スーダン南部、スワジランド、赤道ギニア、ソマリア、タンザニア、トーゴ、ナイジェリア南部、ナミビア、ブルンジ、ベナン、ボツワナ、マダガスカル南部および西部、マラウイ、南アフリカ共和国北部および西部、モザンビーク、ルワンダ
[編集] 形態
最大甲長32.5cm。メスよりもオスの方がやや大型になり、メスは最大甲長29.3cm。背甲はやや扁平で、上から見ると楕円形。椎甲板は第1椎甲板が最も大型で幅が広い。第2-4椎甲板にあまり発達しない筋状の隆起(キール)が入るが、老齢個体では消失することもある。腹甲はやや大型。胸甲板と腹甲板の継ぎ目に蝶番が無いため、前部の腹甲(前葉)を可動させることができない。左右の喉甲板の間にある甲板(間喉甲板)は細長く腹甲の外縁にあり、また間喉甲板は肩甲板に接する。胸骨板と腹骨板の間にある骨甲板(中骨板、間腹骨板)は左右の2枚が接しない。逆に胸骨板と腹骨板は接する。種小名は「腹が赤い、下側が赤い」の意。
頭部はやや大型かつ、やや扁平。下顎には小さい髭状突起が2本ある。頭部背面の色彩は褐色や緑褐色で、不規則な暗色斑や斑点が入る個体が多い。頭部腹面の色彩は淡黄色や黄褐色。四肢は頑丈で、指趾には水掻きが発達する。後肢の爪のある趾は5本。頸部や四肢、尾の色彩は背面が褐色や灰褐色で、腹面は灰色や黄褐色。
卵は直径2.5-4cmの球形で、殻は弾力のある皮状。卵は乾燥すると粉末状になる分泌物で覆われる。幼体は後部縁甲板がわずかに鋸状に尖る個体もいるが、成長に伴い滑らかになる。
オスの成体は尾が太くて長く、尾をまっすぐに伸ばした状態では総排泄口全体が背甲の外側に位置する。幼体やメスの成体は尾が細いうえに短く、尾をまっすぐに伸ばしても総排泄口の大部分が背甲よりも内側にある。
- P. s. nigra クロヌマヨコクビガメ
最大亜種。背甲の色彩は黒や黒褐色。亜種小名nigraは「黒い」の意。左右の胸甲板が中央で接する。腹甲の色彩は黒や黒褐色。
- P. s. olivacea エリトリアヌマヨコクビガメ
背甲の色彩は緑褐色や灰褐色。亜種小名olivaceaは「オリーブ色の」の意。左右の胸甲板が中央で接しない。腹甲の色彩は暗褐色や褐色で、甲板の継ぎ目(シーム)周辺は黄褐色や緑褐色。
- P. s. subrufa アフリカヌマヨコクビガメ
最大甲長約20cm。背甲の色彩は褐色や暗褐色。左右の胸甲板が中央で接する個体が多い。腹甲の色彩は黄色や黄褐色、淡黄色一色の個体が多いが、不規則な暗色斑が入る個体もいる。
[編集] 分類
3亜種に分かれるとされる。しかし正確な分布域が不明なことや亜種ごとの記載に該当しない個体が少なくない事(左右の胸甲板が中央で接することの有無)、地域変異が大きいことなどから亜種の有効性を疑問視する説もある。
- Pelomedusa subrufa nigra (Schweigger, 1812) クロヌマヨコクビガメ Black helmeted turtle
- Pelomedusa subrufa olivacea Gray, 1863 エリトリアヌマヨコクビガメ North African helmeted turtle
- Pelomedusa subrufa subrufa (Lacepede, 1788) アフリカヌマヨコクビガメ Common African helmeted turtle
[編集] 生態
標高3,100m以下にあるサバンナにある小規模な池沼、湿原、水溜りなどに生息する。大規模な水場や森林内の水場に生息する事はまれ。昼行性だが、乾季になると主に夜間に活動する。温帯域や亜熱帯域に分布する個体群は日光浴を好むが、気温の高い熱帯域に分布する個体群は日光浴を行う事はまれ。乾季に水が干上がるような環境に生息することも多く、乾季になると泥の中に潜り休眠する。温帯域に分布する個体群は冬季になると、地面や堆積した落ち葉に穴を掘り冬眠する。危険を感じると、四肢の基部にある臭腺から匂いを出す防御行動を取る。
食性は動物食あるいは動物食傾向の強い雑食で、昆虫、甲殻類、魚類、両生類、小型爬虫類、小型哺乳類、動物の死骸などを食べる。果実や大型哺乳類に付いた外部寄生虫を食べたり、集団で鳥類を捕食することもある。
繁殖形態は卵生。熱帯域に分布する個体群は雨季に、温帯域や亜熱帯域に分布する個体は春から初夏にかけて交尾を行う。熱帯域に分布する個体群は雨季の終わりに、温帯域や亜熱帯域に分布する個体は晩春から初夏にかけて1回に最大42個(平均10-30個)の卵を産む。卵は75-90日で孵化する。発生時の温度により雌雄が決定(温度依存性決定)する。発生時の温度がある一定の温度だとオスが、その温度より高温や低温の場合メスになる。
[編集] 人間との関係
ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。主にガーナやトーゴ、ベナンから基亜種の野生個体が流通するが、飼育下繁殖個体も少数流通する。丈夫であまり大型化しないことから、曲頸亜目のみならず水棲ガメの飼育入門種として紹介されることもある。 アクアリウムやアクアテラリウムで飼育される。水深は甲長以上(体調不良の個体や浅い水深で長期間飼育されていた個体はこの限りではない)にし、泳ぎ回れるスペースを用意する。代謝が高く水が汚れやすいため、雑菌の温床となったりメンテナンスが困難になるなどの理由から底砂は敷かない方が良い。流木やレンガ、市販の水棲カメ専用のプラスチック製の浮島などで広いスペースの陸地を用意し、屋内で飼育する場合は局所的で水に強い暖房器具などで皮膚や甲羅を乾かすことのできる環境を作る。飼育下でも餌付きやすい個体が多い。また飼育下では人工飼料にも餌付く。協調性は悪く昼夜を問わずに動き回り、目の前で動くものを餌だと思い噛みつく。そのため基本的には単独で飼育する。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 今泉吉典、松井孝爾監修 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、136頁。
- 海老沼剛 『水棲ガメ2 ユーラシア・オセアニア・アフリカのミズガメ』、誠文堂新光社、2005年、101-102頁。
- 千石正一監修 長坂拓也編 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、168頁。
- 冨水明 「アフリカ曲頸 Karamu Karamu!」『ビバリウムガイド』No.24、マリン企画、2004年、29頁。
- 冨水明 『ミズガメ大百科』、マリン企画、2004年、14頁。
- 安川雄一郎 「曲頸類総覧(前編)」『クリーパー』第20号、クリーパー社、2003年、17、45頁。
- 安川雄一郎 「曲頸類総覧(後編)」『クリーパー』第26号、クリーパー社、2005年、19頁。
- 安川雄一郎 「水棲ガメの世界」『ハ・ペト・ロジー』Vol.3、誠文堂新光社、2005年、22頁。
- 安川雄一郎 「アフリカヨコクビガメ亜科の分類と自然史 その1」『クリーパー』第34号、クリーパー社、2006年、30-34頁。
- 安川雄一郎 「アフリカヨコクビガメ亜科の分類と自然史 その2」『クリーパー』第35号、クリーパー社、2006年、20頁。
- 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館、2004年、65頁。