ニューオーリンズ・トライアル

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ニューオーリンズ・トライアル
Runaway Jury
監督 ゲイリー・フレダー
脚本 ブライアン・コッペルマン英語版
デヴィッド・レヴィーン英語版
マシュー・チャップマン英語版
リック・クリーヴランド英語版
原作 ジョン・グリシャム
陪審評決
製作 ゲイリー・フレダー
クリストファー・マンキウィッツ
出演者 ジョン・キューザック
ジーン・ハックマン
ダスティン・ホフマン
音楽 クリストファー・ヤング
撮影 ロバート・エルスウィット
編集 ウィリアム・スタインカンプ
製作会社 リージェンシー・エンタープライズ
配給 アメリカ合衆国の旗 20世紀フォックス
日本の旗 東宝東和
公開 アメリカ合衆国の旗 2003年10月17日
日本の旗 2004年1月31日
上映時間 128分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
フランス語
製作費 $60,000,000[1]
興行収入 アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $49,443,628[1]
世界の旗 $80,154,140[1]
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ニューオーリンズ・トライアル』(Runaway Jury)は、2003年アメリカ合衆国法廷サスペンス映画。監督はゲイリー・フレダー、出演はジョン・キューザックジーン・ハックマンダスティン・ホフマンなど。銃規制に関係する裁判を軸に陪審員となった男と、裏世界で陪審コンサルタントとして名高い男との駆け引きを描いている。

本作はジョン・グリシャムの『陪審評決』(新潮文庫)を映画化したものである。原作ではタバコ会社が訴訟の相手であったが、本作では訴訟の相手が銃会社に変更されている。これは1999年の映画インサイダー』がタバコ会社を題材にしていたためである[要出典]

ストーリー[編集]

ニューオーリンズで銃乱射事件が起き、犯人は11人を殺害したのち自殺する。この事件で夫を亡くしたセレステはベテラン弁護士・ローアを雇い、犯行に使われた銃器の製造と販売責任を求めて、銃を製造したヴィックスバーグ社を訴える。ここに全米が注目する銃規制裁判が始まる。

絶対に勝たねばならない被告側のヴィックスバーグ社及び加入する銃協会は、伝説の陪審コンサルタント・フィッチを雇う。フィッチは最新技術や心理学などありとあらゆる手段を用いて、陪審員の選別から裏工作まで進めていく。一方で、巧みな演技で陪審員に選ばれた男ニックは、謎の女マーリーと組んで内から陪審員の操作を行い、原告と被告に「陪審員、売ります」のメモを送り付ける。

ローアはその正義感の強さから取り合わず、フィッチも取り合わなかった。しかし、どう転ぶかわからない一進一退の裁判、そして工作をことごとく潰されたフィッチは焦り出し、結審の日、マーリーに代金を送り、陪審の買収を願い出る。勝利を確信したフィッチに、前もってニックを調べさせていた部下から、彼らの素性が知らされる。ニックとマーリーの正体は、かつてフィッチが陪審員操作で無理に勝訴させた事件の被害者の知り合いであった。

狼狽するフィッチの不安は的中し、判決では原告が勝訴、ヴィックスバーグ社は敗訴する。絶望しながら裁判所を退場したフィッチの前にニックとマーリーが現れる。2人はフィッチに2度と陪審員操作に関わらないことを要求し、従わない場合には送金の証明書(陪審員操作の証拠)を当局に送ると脅迫する。フィッチはキャリアと名声を全て失い、ニックとマーリーは復讐を果たす。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
ソフト版 機内上映版
ニコラス・イースター ジョン・キューザック 家中宏 桐本琢也
ランキン・フィッチ ジーン・ハックマン 石田太郎 麦人
ウェンドール・ローア ダスティン・ホフマン 小川真司 佐々木勝彦
マーリー レイチェル・ワイズ 田中敦子 安藤麻吹
ダーウッド・ケーブル ブルース・デイヴィソン 佐々木勝彦 小山武宏
ハーキン判事 ブルース・マッギル 内海賢二
ローレンス・グリーン ジェレミー・ピヴェン 小山力也
ドイル ニック・サーシー 楠見尚己
ヘンリー・ジャンクル スタンリー・アンダーソン英語版 島香裕
フランク・エレーラ クリフ・カーティス 相沢正輝
ヴァネッサ・レンベック ジェニファー・ビールス 大坂史子
ハーマン・グライムス ジェリー・バマン英語版 岩崎ひろし
ロニー・シェイヴァー ビル・ナン
ロリーン・デューク ジャニタ・ジェニングス英語版 さとうあい
アマンダ・モンロー マルガリート・モロー英語版 冬馬由美
ドッブス ゲイリー・グラッブス
セレステ・ウッド ジョアンナ・ゴーイング
ジェイコブ・ウッド ディラン・マクダーモット
(クレジットなし)
諸角憲一 坂東尚樹
ジェリー・ヘルナンデス ルイス・ガスマン
(クレジットなし)
宝亀克寿

評価[編集]

本作は、広く肯定的な評価を受けた。Rotten Tomatoesによれば、162件の評論のうち高評価は73%にあたる119件で、平均点は10点満点中6.6点、批評家の一致した見解は「内容はありえないが、エンターテイメントに富んだ法廷スリラー。」となっている[2]Metacriticによれば、38件の評論のうち、高評価は26件、賛否混在は11件、低評価は1件で、平均点は100点満点中61点となっている[3]

ロジャー・イーバートの批評では、陪審員を高く入札した方に売るというプロットは、単純に「主人公が善」「敵役が悪」という設定を避けるのに巧妙な役割を果たしたが、双方を深い道徳的な問題に立たせてしまった、と評されている[4]

原作者のグリシャムは、「サスペンスに満ちている(smart, suspenseful)」映画だが、興行収入が少なかったのが残念だと述べている[5]

出典[編集]

  1. ^ a b c Runaway Jury” (英語). Box Office Mojo. 2022年9月20日閲覧。
  2. ^ "Runaway Jury". Rotten Tomatoes (英語). 2022年9月20日閲覧
  3. ^ "Runaway Jury" (英語). Metacritic. 2022年9月20日閲覧。
  4. ^ Ebert, Roger (2003年10月17日). “Runaway Jury movie review & film summary (2003)” (英語). RogerEbert.com. 2022年9月20日閲覧。
  5. ^ Jordan, Tina (2004年2月13日). “Grisham v. Grisham:John Grisham issues judgment on ALL his novels”. Entertainment Weekly. オリジナルの2009年6月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090626033210/http://www.ew.com/ew/article/0,,587688_3,00.html 2022年9月20日閲覧。 

外部リンク[編集]