ニコンの全天候カメラ製品一覧

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ニコノスV

ニコンの全天候カメラ製品一覧は、ニコンの発売してきた銀塩フィルムを使う全天候カメラの一覧。生活防水ではなく、水中での撮影に対応したカメラ、つまり、ニコノス(NIKONOS )シリーズを扱う。

小雨程度なら耐えられる防水機能、いわゆる生活防水機能を持つカメラは特に珍しくない。また本格的な水中撮影を可能とする防水ケースが用意されているカメラも古くからあり、日本光学でも1956年5月ニコンS2用に「ニコンマリン」を発売していた。しかしカメラ本体で数十メートルの水深での撮影に耐えられるものは少なく、防水ケースもカメラ操作や使用レンズにかなり制限がある。ニコンには50メートル防水と本格的な防水機能を持つレンズ交換式のカメラ「ニコノス」があり、悪天候時の取材や滝壺等の撮影、海辺やスキー場など屋外レジャーに利用され、ダイバーたちに愛用された。しかしフィルムカメラである以上フィルムの交換は空気中でしかできず、撮影枚数の制限が緩やかなデジタルカメラの高性能化に伴い生産終了した。

目次

ニコノスシリーズ [編集]

135フィルムを使用し24×36mm(ライカ)判のレンズ交換式水中カメラ。水中撮影用カメラとしては唯一といっていいシステムカメラであり、スピードライトや接写装置など豊富なアクセサリーが揃っていた。またニコン純正以外のアクセサリーも存在した。陸上でも使用可能なレンズが用意されており、水中に限らず全天候カメラとしての側面があった。しかしピント合わせは目測によるため、よほどの熟練者でも広角レンズ以外は使いにくい。

現在ではすべて生産終了となっている。Oリングが経年劣化のため水中撮影能力がなくなっている個体が多い。また2001年12月まで販売していたニコノスV以外の修理はかなり困難である。

ニコノスシリーズボディー [編集]

  • ニコノス(1963年8月発売) - フランスの潜水用品メーカーであるラ・スピロテクニークLa Spirotechnique )の製造販売していた水陸両用カメラカリプソを原型としニコンが自社製レンズを使う水中システムカメラとして製造したもの。強靱な金属外殻にプラスチックを真空含浸しマクロホールをふさぎ、Oリングを併用して6気圧防水を実現した。楕円形の外殻にカメラ本体を上から押し込むような構造で、レンズを外さないとフィルムの交換ができなかった。シャッターもフォーカルプレーン式だが独自の構造のもので、巻き上げレバーもシャッターレリーズと両用だった。レンズは水陸両用のものと、水中専用のものが用意された。これは空気中と水中では収差の出かたが違い、水陸両用のレンズでは画面周辺部の画質に問題があったためである。メインのレンズはニコンS時代の35mmF2.5をリファインした水陸両用レンズ。ボディ内蔵のファインダーはこのレンズの陸上専用のもので、水中撮影時や、陸上でも他のレンズを使用する場合は、外付けのファインダーを使用する。呼称は当初単にニコノスであったがニコノスII発売に伴いニコノスIと呼ばれるようになった。
  • ニコノスII(1968年8月発売) - 巻き戻しノブが一般的な巻き戻しクランクに変更され、フィルム圧板が可動式になりフィルム装填が容易になった等ニコノスIに若干の改造を加えたモデル。海外向けにはカリプソ/ニッコールIIと表記された個体がある。
  • ニコノスIII(1975年6月発売) - ニコノスIIまではフィルムの巻き上げを中判カメラのように巻き上げ角度を少しずつ調整する方式で行っていたが、通常の135フィルム使用カメラのようにフィルムのパーフォレーションとスプロケットギアで行う方式に改め、これによりフィルムのコマ間隔が均等になった。シンクロソケットが変更されニコノスII以前用のフラッシュは使用できない。ファインダーも従来のアルバダ式から採光式のブライトフレームに改められた。また水陸両用の80mmF4用のフレームも設けられ、これはピント合わせ不要の山岳での使用者の要望に従ったためと見られるが、ニコノスIV-A以降のモデルには引き継がれなかった。これらの改良により若干横幅が広くなり軍艦部のデザインが変わったが、カリプソの設計が残っている最後のニコノスである。2002年までニコノスIV-Aとともに補修用のOリングがニコンの価格表に残っていたが、現在では消えている。
  • ニコノスIV-A(1980年7月発売) - ユーザーから要望が多かったTTLの絞り優先AEを実現したモデル。測光素子はSPD。ファインダーも35mmF2.5ならば水中でも使用可能なアイポイントの長い大型のものになった。ボディ構造は通常の裏蓋開閉式になり、レンズをはずさなくてもフィルム交換が可能になった。シャッターや巻き上げレバーも通常のフォーカルプレーンシャッターカメラと同じになった。デザインが一新され、先述のような操作性向上と相俟って一般ユーザーへの普及にも繋がった。機構面はニコンEMがベースであるとされる。
  • ニコノスV(1984年4月発売) - ニコノスIV-AはAE専用機であったが、それにマニュアルを加えたもの。またスピードライトのTTL調光が可能となった。ボディー色はオレンジとグリーンの2種類用意された。2001年10月まで販売され、部品の保有期間が最低10年となっているため、2005年11月時点現在唯一安心して使用できるニコノスである。

ニコノスシリーズレンズ [編集]

  • UWニッコール15mmF2.8(1972年6月発売、1975年8月マルチコート化) - 水中専用レンズ。
  • UWニッコール15mmF2.8N(1982年10月発売) - 水中専用レンズ。
  • UWニッコール20mmF2.8(1985年7月発売) - 水中専用レンズ。
  • LWニッコール28mmF2.8 - 陸上専用レンズ。5群5枚。アタッチメントΦ52mmねじ込み。最短撮影距離0.5m。耐圧性能はないがOリングにて防滴はされており雨等では充分使える。レンズ光学系の設計はニコンレンズシリーズE28mmF2.8から流用された。操作はニコノス式の両側ノブではなく一般的な直進ヘリコイド式。
  • UWニッコール28mmF3.5(1965年7月発売、1976年8月マルチコート化) - 水中専用レンズ。
  • Wニッコール35mmF2.5(1963年8月発売、1976年7月マルチコート化) - 水陸両用レンズ。光学系の設計はニコンSマウントから流用された。
  • ニッコール80mmF4(1969年4月発売、1976年8月マルチコート化) - 水陸両用レンズ。

ニコノスRS [編集]

世界で唯一の水中専用システム一眼レフカメラ。内蔵モータによる巻き上げ・巻き戻し、マルチパターン測光、動体予測機能付きのオートフォーカスなど、同時代の通常のオートフォーカス一眼レフの機能はひととおり備えている。水中専用となったが100メートル防水を実現した。

ニコノスRSボディー [編集]

  • ニコノスRS AF(1992年6月発売) - ボディー単体重量2,130グラムとニコンのカメラでもっとも重くなった[1]。価格は発売当時でボディー単体39万円[2]と限定生産でないフィルムカメラとしては最高の価格のカメラとなったが、総販売台数は5000台程度に終わり採算は合わなかったと言われている。1993年6月に「カメラグランプリ'93カメラ記者クラブ特別賞」を受賞する等圧倒的高性能な水中カメラとして注目されたが、発売当初軍事利用などへの懸念から戦略物資指定を受け、ココム規制により個人利用であっても海外持ち出し台数が制限された。こういった状況に加えてバブル崩壊後の不況が重なり、1996年8月ニコノスVに先立って製造が打ち切られてしまった[3]。なお、ベースとなったのはシャッターのスペック、使用電池からニコンF-601と思われる。

ニコノスRS用レンズ [編集]

レンズは専用のR-UWマウントで、ニコノスIからニコノスVまでの一般ニコノスシリーズとの互換性はない。中にニコンFマウントが併設されておりニコンFマウントのカメラに装着は出来るが、撮影はできない。

  • R-UW AFフィッシュアイニッコール13mmF2.8(1994年6月発売)
  • R-UW AFニッコール18mmF2.8 - 11群14枚。水中専用設計ではあるがF16以上に絞り込めば陸上での撮影も可能。
  • R-UW AFニッコール28mmF2.8(1992年6月発売)
  • R-UW AFマイクロニッコール50mmF2.8(1992年6月発売) - 5群7枚。最短撮影距離0.17m。
  • R-UW AFズームニッコール20-35mmF2.8(1992年6月発売)
  • テレコンバーターTC-RS - 2xリア・テレコンバーター。

備考 [編集]

関連項目 [編集]

脚注 [編集]

  1. ^ 従来のニコノスでは540~740グラム
  2. ^ ニコノスVは7万3千円。
  3. ^ 輸出貿易管理令政省令の改正により1996年9月13日規制対象品から外れたため現在の持ち出しは自由である。

外部リンク [編集]