ナンヨウアブラギリ

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ナンヨウアブラギリ
Jatropha curcas1 henning.jpg
ナンヨウアブラギリ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: トウダイグサ目 Euphorbiales
: トウダイグサ科 Euphorbiaceae
: ナンヨウアブラギリ属 Jatropha
: ナンヨウアブラギリ
J. curcas
学名
Jatropha curcas
L. (1753)
英名
Barbados nut

ナンヨウアブラギリ(南洋油桐、学名Jatropha curcas)は、トウダイグサ科中南米原産の落葉低木。別名はタイワンアブラギリ、または学名からジャトロファヤトロファなど。16世紀以降、スペイン商人などの手により世界中に伝播した。

目次

[編集] 特徴

樹高3 mから8 m程度。やせた土地でも生長が早く、旱魃や病気に強い。

トウゴマよりもひとまわり小さな、重量600 mg前後の黒褐色の種子をつける。の約 60% は脂質で、他にホルボールエステル類やレクチントリプシン阻害剤などの有毒成分を含む[1]

[編集] 利用

ナンヨウアブラギリの種子

種子性が強いが、分に極めて富むことから、古くから利用が行われている。施肥をしなくても 1 ヘクタールあたり 5 トン程度の種子が収穫できる[2]。現在では、石けんロウソクのほか、下剤や解熱剤などの医薬品にも利用されている。日本では鉢植えの観葉植物としても、流通している。

毒性を利用して、農地などでは生きた防護柵として植えられている。また、高い殺貝作用を持つことから、種子抽出物を住血吸虫中間宿主となるカタツムリの駆除へ利用することが試みられている [3][4]

2010年12月、かずさDNA研究所ゲノム解読に成功したと発表[5]

[編集] バイオディーゼルの原料

ナンヨウアブラギリの実から精製した油は、ジャトロファ燃料ともよばれ、 1990年代以降は地球温暖化対策の切り札として、植物性バイオディーゼル燃料の材料としても脚光を浴びている。特にバイオマスエタノールなど、自動車用バイオ燃料の生産が本格化した21世紀以降、毒性があるため食用とはならず、食料の供給を圧迫しないというメリットが喧伝されている。

中国石油天然気集団公司(CNPC)グループの日本中油株式会社によると、ジャトロファ ( ナンヨウアブラギリ )は熱帯、亜熱帯地区に分布し、世界約40カ国で栽培されている。肥沃な土壌を好み酸性、アルカリ質の土地に適応し成長する。選抜されたは品種は、マイナス5度程度の低温と軽い霜に耐えられる。1ヘクタール当たり約5トン収穫できるが、5年以降からは10~12トン収穫できる。また1 ha 当たり約1500株~2000株を植栽できる、降雨量は年平均800 mm~約3000 mm そして温度は年平均14℃~27℃の地域が良い条件といわれている。寿命は25年から50年と言われている。

日本でジャトロファ事業を行っている日本植物燃料によれば、干ばつに強く、通常食用植物の栽培が行われない酸性土壌でも育ち、1 haあたり毎年5トンの種子の収穫が見込め、上質油部分のみで35%が期待でき、アブラヤシほどではないが、ナタネ大豆ヒマワリなど他の油脂植物により採油効率が高いとされている。加えて搾りかすも発電燃料として期待できる。

ジャトロファ(ナンヨウアブラギリ)をフィリピンや日本の沖縄県宮古島で栽培開発をしているバイオマス・ジャパンによると、ジャトロファの油脂性質は燃料向きで、絞っただけのクルードオイルでA重油相当、精製エステル交換反応すればバイオディーゼル燃料として使えるという。

しかし現在計画されている大量栽培地や予定地の多くはキャッサバなどの既存の畑作地からの転用であったり、他の農作物と切り替えがされると予想されている。そのために、食料不足を懸念する声も上がっている。インド人農学者デヴィンダー・シャルマによれば、インドでは1100万ヘクタールの土地がバイオディーゼルの生産に使われる植物「ジャトロファ ( ナンヨウアブラギリ )」用に割り当てられているという。これはスイスの表面積の3倍の広さに当たる。「貧しい人たちがおなかを空かせて寝床に着き、ますます多くの農民が失業に追い込まれている一方で、インドはアグロ燃料作物の主にジャトロファの大規模プランテーションを奨励する一連の影響をまともに受けている」 との意見もある。 [6]

もともと播種や挿し木で増殖が可能であることから、古くから植物性の燃料資源として着目されており。かつては日本軍もこれに着目し、インドネシアにおいて栽培計画も存在した。

[編集] 脚注

  1. ^ H. P. S. Makkar, K. Becker,* F. Sporer, and M. Wink, "Studies on Nutritive Potential and Toxic Constituents of Different Provenances of Jatropha curcas", J. Agric. Food Chem., 45 (8), 3152 -3157, 1997.
  2. ^ Heller J. "Physic nut, Jatropha curcas. Promoting the Conservation and Use of Underutilized and Neglected Crops", International Plant Genetic Resources Institute (IPGRI), Rome, Italy, 1996. [1]
  3. ^ KAZUO YASURAOKA, "MOLLUSCICIDES : PROGRESS AND PROBLEMS", 日本熱帯医学会雑誌, 13, 48(1985)[2]
  4. ^ Melanie Rug, Andreas Ruppel (2000) "Toxic activities of the plant Jatropha curcas against intermediate snail hosts and larvae of schistosomes", Tropical Medicine & International Health 5 (6), 423–430. doi:10.1046/j.1365-3156.2000.00573.x
  5. ^ バイオ燃料植物(ナンヨウアブラギリ)のゲノム解読に世界で初めて成功”. かずさDNA研究所 (2010年12月13日). 2010年12月23日閲覧。
  6. ^ NGO団体「スイスエイド」がバイオ燃料使用を非難するキャンペーンを開始。 - swissinfo

[編集] 関連項目

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