ナンバンカラスウリ

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ナンバンカラスウリ
Exterior and cross-sectional interior of gac.jpg
果実の外側と断面
分類APG III
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: ウリ目 Cucurbitales
: ツルレイシ属 Momordica
: ナンバンカラスウリ
M. cochinchinensis
学名
Momordica cochinchinensis
(Lour.) Spreng.
和名
ナンバンカラスウリ
ナンバンキカラスウリ
モクベツシ
モクベッシ
英名
Spiny Bitter Gourd
Cochinchin Gourd

ナンバンカラスウリ[1](南蛮烏瓜、Momordica cochinchinensis)は、中国南部からオーストラリア北東部、タイ王国ラオスミャンマーカンボジアベトナムに分布するつる植物である。別名ナンバンキカラスウリモクベツシ(木鼈子)。ベトナム語の名称からガック(gấc、IPA: [ɣək˦˥])とも呼ばれる。

特徴[編集]

ナンバンカラスウリは雌雄異株のつる植物で、果実は普通長さ13 cm直径10 cmほどの球形から楕円形となる。熟した果実の表面は暗橙色で短い刺におおわれ、内部の仮種皮は暗赤色である。収穫期は比較的短く、12月から1月が最盛期となる。農村部の家の玄関や庭園の垣にからんで生えているのがよく見られる。

利用[編集]

結婚式に供されるソーイ・ガック

ナンバンカラスウリの実は垣根に這わせている植物や自生している植物から収穫される。利用されるのは仮種皮と種子で、もち米と炊き込んでソーイ・ガック(xôi gấc)という濃い橙色の甘いおこわにすることが多い[2]。ソーイ・ガックは、旧正月(テト)や結婚式などの慶事に供される料理である。米などと混ぜる前に、仮種皮と種子を取り出し、度数の高い酒をふりかけて下処理をすると仮種皮の赤色がより鮮やかになり、種子が外れやすくなる[3]。ナンバンカラスウリの果実は薬用としても利用される。

栄養価[編集]

ナンバンカラスウリの果実はビタミンAの前駆体であるβ-カロテンのようなカロテノイドを豊富に含む[4]。ナンバンカラスウリ由来のβ-カロテンを含む米料理を食べたベトナムの子供たちは、対照群と比較してβ-カロテンの血中濃度が高かった[5]。ナンバンカラスウリの仮種皮に含まれる油脂には高濃度のビタミンEが溶けている[6]。仮種皮の油に含まれる脂肪酸には、カロテノイドのような脂溶性の栄養素の吸収を促進する効果があるかもしれない[7]。 仮種皮はβ-カロテンとリコペンを豊富に含むため[4][7]、ナンバンカラスウリの抽出物はソフトカプセルに入ったサプリメントミックスジュースとして販売されている。ナンバンカラスウリの果実はリコペンとβ-カロテンの他にも、ガン細胞の増殖を抑える効果がある可能性を持つタンパク質を豊富に含んでいる[8]。また、トリプシンを阻害する効果がある可能性のあるMCoT-IとMCoT-IIという2種類のシクロチドが分離されている[9]

脚注[編集]

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  2. ^ ソイガック(Xoi gac)の作り方|ベトナムごはん
  3. ^ ガックフルーツ - ハノイたべもの研究会・レシピ集
  4. ^ a b Ishida BK, Turner C, Chapman MH, McKeon TA (2004). “Fatty acid and carotenoid composition of gac (Momordica cochinchinensis Spreng) fruit”. J Agric Food Chem 52 (2): 274–9. doi:10.1021/jf030616i. PMID 14733508. 
  5. ^ Vuong le T, Dueker SR, Murphy SP (2002). “Plasma beta-carotene and retinol concentrations of children increase after a 30-d supplementation with the fruit Momordica cochinchinensis (gac)”. Am J Clin Nutr 75 (5): 872–9. PMID 11976161. http://ajcn.nutrition.org/content/75/5/872.long 2013年1月5日閲覧。. 
  6. ^ Kuhnlein HV (November 2004). “Karat, pulque, and gac: three shining stars in the traditional food galaxy”. Nutr. Rev. 62 (11): 439–42. doi:10.1111/j.1753-4887.2004.tb00015.x. PMID 15622716. http://onlinelibrary.wiley.com/resolve/openurl?genre=article&sid=nlm:pubmed&issn=0029-6643&date=2004&volume=62&issue=11&spage=439. 
  7. ^ a b Burke DS, Smidt CR, Vuong LT (2005). “Momordica Cochinchinensis, Rosa Roxburghii, Wolfberry, and Sea Buckthorn — Highly nutritional fruits supported by tradition and science”. Current Topics in Nutraceutical Research 3 (4): 259–266. 
  8. ^ Tien PG, Kayama F, Konishi F, et al. (April 2005). “Inhibition of tumor growth and angiogenesis by water extract of Gac fruit (Momordica cochinchinensis Spreng)”. Int. J. Oncol. 26 (4): 881–9. PMID 15753981. 
  9. ^ Gerlach SL, Mondal D. The bountiful biological activities of cyclotides. Chron Young Sci [serial online] 2012 [cited 2012 Aug 14];3:169-77. Available from: http://www.cysonline.org/text.asp?2012/3/3/169/99559