ナワラット・ポンパイブーン

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ナワラット・ポンパイブーン
เนาวรัตน์ พงษ์ไพบูลย์
誕生 1940年3月26日
タイ王国の旗 タイ カーンチャナブリー県パノムトゥワム郡
職業 詩人
国籍 タイ王国の旗 タイ
代表作 『かすかな動きを見るだけで』
主な受賞歴 東南アジア文学賞(1980), 国家芸術家(1993), シーブーラパー賞(1996)
デビュー作 『ことばのしずく』(1969)
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ナワラット・ポンパイブーンเนาวรัตน์ พงษ์ไพบูลย์, 1940年3月26日 - )はタイ詩人カーンチャナブリー県出身。タイを代表する国民的詩人である。日本語ではナオワラット・ポンパイブーンとも表記される。

略歴[編集]

ナワラットは、1940年3月26日カーンチャナブリー県パノムトゥワム郡で生まれる。1965年タンマサート大学法学部を卒業後、故郷およびスラーターニー県で僧侶として修行を積む。その後還俗し、『ウィッタヤサーン』誌および『ウィタヤサーン・パリタット』誌で2年間編集長を務める。さらにパッタニー県ソンクラーナカリン大学教育学部で1年間タイ語を教授。1973年から2001年までバンコク銀行に勤務し、同銀行芸術センター所長を務めた。現在同センター顧問役[1]。1980年、『かすかな動きを見るだけで』 (1976年)で東南アジア文学賞を受賞。1993年、国家芸術家に指定を受ける。

詩作[編集]

ナワラットが詩作を始めたのはタンマサート大学入学時からで、同学文芸クラブで発表し、頭角を現していった。1969年処女作品集『ことばのしずく』を発表。その後、『プラチャーティパタイ』、『プラチャーチャート』、『アーティット』紙などで作品を発表していった。

作品[編集]

詩集[編集]

  • 『ことばのしずく』 1969年 (คำหยาด)
  • 『太陽から月へ』 1973年 (อาทิตย์ถึงจันทร์)
  • 『かすかな動きを見るだけで』 1976年 (เพียงความเคลื่อนไหว)
  • 『手綱を引き締め、市内見物』 1978年(ชักม้าชมเมือง)
  • 『田圃を流れる笛の音』 1980年 (เพลงขลุ่ยเหนือทุ่งข้าว)
  • 『竪笛のうた』 1983年 (เพลงขลุ่ยผิว)

エッセイ[編集]

  • 『水の流れをやさしくすぎて』 1994年 (แผ่วผ่านธารน้ำไหล)

日本語訳[編集]

  • 岩城雄次郎 編訳 「ナワラット・ポンパイブーン」『タイ現代詩選‐アジアの現代文芸[タイ]⑧』財団法人大同生命国際文化基金 1994年 p.11-42。以下収録10篇。
    • 『カタツムリの道』1973年
    • 『かすかな動きを見るだけで』1974年
    • 『われは問う、海原の彼方の友に』1975年
    • 『民衆の良き子どもたちに』1975年
    • 『白いリス』1975年
    • 『田圃を流れる笛の音』1977年
    • 『旱魃の民』1978年
    • 『かわいそうな老夫婦』1979年
    • 『アジアの詩人、ペンの力』1984年
    • 『インディラ・ガンジーの死から学んだもの』1984年
  • 吉岡みね子編訳・タイ国言語・図書協会編『ナーンラム―タイ作家・詩人選集―アジアの現代文芸[タイ]⑥』財団法人大同生命国際文化基金 1990年 p.350-354。以下1篇収録。
    • 『収穫期に愛の歌はなく』1979年
  • 白石昇
    • 『水の流れをやさしくすぎて』 1994年 (แผ่วผ่านธารน้ำไหล)

参考文献[編集]

  • 岩城雄次郎 編訳 「ナワラット・ポンパイブーン」『タイ現代詩選‐アジアの現代文芸[タイ]⑧』財団法人大同生命国際文化基金 1994年 p.11-42
  • 吉岡みね子編訳・タイ国言語・図書協会編『ナーンラム―タイ作家・詩人選集―アジアの現代文芸[タイ]⑥』財団法人大同生命国際文化基金 1990年 p.350-354。
  1. ^ 岩城雄次郎『王朝詩人、ナワラット・ポンパイブーン』バンコク週報