ナヨン事件

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ナヨン事件 (나영이 사건) [1]2008年12月に韓国京畿道安山市檀園区で8才の女子児童が男に性暴行された事件。

事件[編集]

2008年12月11日8時30分、当時56才の男性は酒に酔ったまま、安山市檀園区の教会の前の路上で学校に登校中の当時8才の女子児童(仮名:キム・ナヨン)を発見し、教会に行かなければならないと言って少女を教会のトイレに連れ込んだ。男は性器を露出し、洗うように要求したが拒否されると頭部を殴るなどし、少女が泣き出すと首を絞めて気絶させた。男はアナルセックスなどで射精した後、発覚を恐れて便器で使う器具を少女の肛門に入れて精子を吸い取ったため、脱腸するなどして内臓が壊死した。また頭部なども水道水で洗ったため、視力低下と鼻腔炎、内耳炎を引き起こし、男は水道水を流しっぱなしにしたまま少女を放置し立ち去った。少女は鼻骨骨折など最小でも全治8週間の怪我と、肛門との80%を失うなどの身体障害を負った。[2]

量刑[編集]

加害者男性は前科17犯で、1983年8月9日には強姦致傷罪で懲役3年の刑に服していた。2009年1月9日強姦傷害罪で起訴された加害者は、3月4日無期懲役を求刑されたが、3月27日泥酔状態だったとして心身微弱が酌量され、一審判決で懲役12年を宣告された。[3]3月30日加害者側は刑量が非常に重いとして控訴をしたが結局7月24日控訴審が棄却された。[4]3日後の7月27日に再び上告したが9月24日やはり棄却され、[5][6]チョンソン第二刑務所に独房収監された。[7]

反響[編集]

初めはあまり報道されなかったが、2009年9月に性犯罪者に対する電子足輪着用の事例としてKBS 1TVで紹介されたところ、すぐに犯行の残忍さや幼児への犯罪への刑量に対する論議が呼びおこされた。

性犯罪は懲役15年以下で未成年者の場合加重処罰される。これが性犯罪と幼児への犯罪への刑量に対する論議を呼び、犯人の猟奇的な犯罪と裁判での無反省な態度のため多くの人々の怒りを呼び、国会青瓦台ホームページに抗議文が殺到した。

世論が悪化すると2009年9月30日、李明博大統領は閣僚会議席上で「司法の判断に問題提起するのは容易ではないが、そのような人々は一生隔離させることが当然なのではないかと思う程みじめに思う。」と述べた。[8]李貴男法務部長官も加害者に対する仮釈放はないと明らかにした。

また10月1日に女性部国家人権委員会のホームページに制度改善を要求する抗議文が多数寄せられた。

一方、ネチズンが10月1日インターネットに載せた犯人推定写真が事件と全く関係ない他人のものと明らかになった。[9]

支援金論議[編集]

被害者の家庭は生活保護を受給していた。また母親が娘の将来のために保険に加入して毎月2万5千ウォンずつ保険料を納付していた。

両親は事件以後仕事を辞め、娘の治療に専念し、安山市で支援金を受けて治療費と交通費を負担していた。保険会社も悲惨な事件を勘案して4000万ウォンの保険金を支給したが、すると安山市は市で受けた緊急治療支援費600万ウォンの全額返却を要求し、万一履行しない場合は住宅保証金を差し押さえると安山市長名義の公文書を2009年6月発送し、また原則的に300万ウォン以上の通帳残高があれば支援対象から除外されるとして、生活保護対象者恩恵も中断すると通知した。両親は娘の身体中一部機能が永久喪失され、また数年間は心理治療を受けなければならないとしたが受け入れられなかった。

この情報が伝えられた後、安山市のホームページにネチズンらの批判が殺到した。これに対し安山市関係者は支援金の回収処分を撤回し基礎生活給も再び支給するので安山市に対する誤解は解いてほしいと述べた。

法改正[編集]

2009年12月、韓国政府ハンナラ党はこの事件を契機に児童性犯罪に対する刑量を最大50年まで引き上げるとともに、公訴時効も廃止することにした。また、児童性犯罪疑惑で処罰を受けない最小年齢を現行14才未満から13才未満に引き下げ、児童保護区域内CCTV設置拡大、薬品投与による化学的去勢治療法導入、重大児童性犯罪者に対する顔写真公開、[10]電子足輪着用最大期限を30年まで延長するなど児童性犯罪に対するさまざまな対策を設置した。[11]

脚注[編集]

  1. ^ この事件の通称は被害者の仮名だが、韓国では加害者を問題にすべきとのネット上の批判から、現在は加害者名で呼ばれている。
  2. ^ 第一審判決文
  3. ^ 水原地裁 安山지원 事件番号 2009고합6
  4. ^ ソウル高裁事件番号 2009노794
  5. ^ http://news.hankooki.com/lpage/society/200910/h2009100202315122000.htm
  6. ^ 大法院事件番号 2009도7948
  7. ^ http://news.nate.com/view/20091007n09202
  8. ^ http://news.hankooki.com/lpage/society/200909/h2009093022043222000.htm
  9. ^ http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=33&fid=547&articleid=2009100123483740101
  10. ^ http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=201004231803015&code=940301
  11. ^ http://news.mk.co.kr/outside/view.php?year=2009&no=622552