ナポリタン・マスティフ

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ナポリタン・マスティフ

ナポリタン・マスティフ(英:Neapolitan Mastiff)とは、イタリア原産のとても古い闘犬用の犬種である。イングリッシュ・マスティフチベタン・マスティフとともに世界中のモロシアンタイプの犬種の先祖にもなった。別名でネオ(英:Neo)、マスティーノ・イタリアーノ(英:Mastino Italiano)とも呼ばれている。

あまりにもおぞましい容姿から「世界三大恐怖犬種」のトップにも位置づけられている。ちなみにそれのもう二種は現代のブルドッグ(=イングリッシュ・ブルドッグ)と絶滅したメキシコの古代犬種イズクウィントリポゾトリである。

歴史[編集]

生い立ちは不明だが、血統書を遡っていくと2000年以上もの歴史をたどることのできる由緒正しい古代犬種であることが確認されている。力強く、アレクサンドロス3世(大王)にたいそう気に入られた。闘犬が禁止されてからは番犬や警察犬、ショードッグやペットなどとして飼育されるようになった。

また、もとから多産な犬種であるが、イギリスのティア号という若いナポリタンマスティフが24匹の子犬を出産し、ギネス記録の世界一多産な犬の記録を塗り替えた。(イギリスのCBBC通信 報) 

特徴[編集]

生後4ヶ月の仔犬
  • 全身の皮膚が著しくたるんでおり、唇、デューラップ(のど下のたるみ)、顔の皮膚のたるみは特に顕著である。これは闘犬であった証で、噛まれたときのダメージを軽減するために発達したものである。生まれて間もない仔犬はそれほど皮膚はたるんでいないが、成長とともに次第に伸びてゆく。
  • 成犬の顔は全犬種の中でもっとも恐ろしいといわれており、一度見たら忘れられない、非常に印象的な顔立ちである。これについてマイケル・ジャクソン氏はアメリカの出版社のCanis社のインタビューに「劇的なダイエットを成功させた巨漢。おぞましい外見だが心の底は忠実で愛情深い犬種だ。」と答えた。実際にナポリタン・マスティフは主人に忠実で飼い主家族には愛情深いが、マイペースで頑固な一面もありあまり運動を好まないので命令がない限り自分の居場所でどっかりと寝そべっていることが多い。
  • 毛はスムースコートで、毛色はフォーン、ブラック、グレーで、ブラックがもっとも好まれる。垂れ耳、垂れ尾だが、断耳、断尾をすることもある。体格はかなり大柄で、体高はオス65~75cm、メス60~68cm体重はオス60~85kg、メス50~65kg。体重が重く足が弱いため股関節形成不全症、皮膚がたるんでいるため皮膚病にそれぞれなりやすい。
  • 2007年の国内の登録頭数は144位中116位であり、珍犬種の中では割と人気の高い犬種のひとつであり、愛好家もたくさんいる。ブリーダーからの入手が可能だが、一頭40~80万円ほどする、高価な犬種である。
  • モロシアンタイプの犬種のため、飼育に当たっては事前にこの犬種に対する知識を得ておく必要がある。よだれの多い事を覚悟し、きちんとしたしつけさえすれば集合住宅などでも飼育が可能。運動は1日に1回30~40分で十分で、それ以上の運動は腰などに負担をかけてしまうのでお勧めできない。

参考文献[編集]

成犬の横顔
  • 『犬のカタログ2004』(学研)中島眞理 監督・写真
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2007』(辰巳出版)佐草一優監修
  • 『デズモンド・モリスの犬種事典』(誠文堂新光社)デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年
  • 『世界のマスティフ大図鑑』(Canis社)John Alexander著 1986年

関連項目[編集]