ナビエ-ストークス方程式

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ナビエ-ストークス方程式(- ほうていしき、Navier-Stokes equations)は流体の運動を記述する2階非線形偏微分方程式であり、流体力学で用いられる。アンリ・ナビエジョージ・ガブリエル・ストークスによって導かれた。NS方程式とも略される。

しばしば用いられる条件である、非圧縮性流れのニュートン流体について、有次元のナビエ-ストークス方程式をベクトル形式で表すと、

\frac{ \partial \boldsymbol{u} }{ \partial t } + ( \boldsymbol{u} \cdot \nabla )\boldsymbol{u}
 = -\frac{ 1 }{ \rho } \nabla p + \nu \nabla^2 \boldsymbol{u} + \boldsymbol{f}

となる。左辺をまとめて Du/Dt と書くこともある。 ここで、時刻 t における、注目した点での

である。

方程式は運動方程式加速度 = /質量)に基づいており、左辺が加速度、右辺が単位質量当りの流体に作用する力を表している。各項はそれぞれ、

  • 左辺 - 第1項 : 時間[微分]項、第2項 : 移流項(対流項)
  • 右辺 - 第1項 : 圧力項、第2項 : 粘性項(拡散項)、第3項 : 外力項

と呼ばれる。外力項には、状況によって、重力をはじめ浮力表面張力電磁気力などが該当する。

目次

[編集] 一般解

上記の、非圧縮性流れに対するナビエ-ストークス方程式は、未知数として圧力 p と流速 u を含んでいる。したがって、この方程式のみでは流体の挙動を解明する事はできない。そこで、質量保存則から導かれる連続の式(非圧縮性流れについては次の形)

\nabla \cdot \boldsymbol{u} = \mathrm{div} \, \boldsymbol{u} = 0 \quad \text{(for incompressible flow)}

と連立することによって、原理的には解くことが可能である。もし一般解が求まれば、流体の挙動を完全に知る事ができることになる。しかし、未だ一般解は見つかっておらず、そもそも解の存在性といった面で謎が残り、物理学数学の懸案事項の一つとなっている(ミレニアム懸賞問題)。したがって特殊な条件の問題を除いて、一般には次に示すように数値計算によって近似的に解かれる。

[編集] 数値シミュレーション

流体の数値シミュレーション数値流体力学、CFD)では、このナビエ-ストークス方程式と連続の式、その他必要に応じてエネルギーの式(熱対流)やマクスウェルの方程式電磁流体力学)、状態方程式などを連立して、数値的に解くことで流体の挙動を予測する。

移流と拡散両方に関係している現象であるので、クーラン数拡散数の両方を満たすようにシミュレーションを行う必要がある。

[編集] 非線形性(乱流)

移流と粘性の強さの比率はレイノルズ数と呼ばれる無次元数であり、レイノルズ数がある閾値を越えると微小なかく乱が移流項の非線形性により拡大していくことで流れ場は非定常な乱流となる。

一方、右辺の粘性率を含む項(粘性項)は乱流の変動を抑制する効果を持つ。

[編集] 関係のある方程式

この方程式を簡単にするために粘性のない流体、すなわち ν = 0 とした式はオイラー方程式と呼ばれている。

また、上のナビエ-ストークス方程式において非線型項 :  \left( \boldsymbol{u} \cdot \nabla \right) \boldsymbol{u} を無視した方程式


\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial t} =\triangle \boldsymbol{u} - \nabla p +\boldsymbol{f} \left( t,x \right)

をストークス方程式(Stokes equations)と呼ぶ。ストークス方程式は流体の速度が遅いときナビエ-ストークス方程式を近似する方程式として扱われている。

[編集] 関連項目

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