ナパーム・デス

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ナパーム・デス
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランド バーミンガム
ジャンル グラインドコア
ハードコア
デスメタル
ブルータル・デスメタル
活動期間 1982年 ~ 現在
レーベル イヤーエイク・レコード
センチュリー・メディア
公式サイト http://www.napalmdeath.org/
メンバー
マーク・バーニー・グリーンウェイ
ミッチ・ハリス
シェーン・エンバリー
ダニー・ヘレーラ
旧メンバー
ニック・バレン
マイルス・ラトレッジ
グラハム・ロバートソン
ダリル・フィデスキー
サイモン・オッペンハイマー
フィンバー・クウィン
ミック・ハリス
ジャスティン・ブロードリック
ピート・シャウ
ジェームス・ホワイトリー
ビル・スティアー
リー・ドリアン
フィル・ヴェイン
ジェシー・ピンタード(RIP)

ナパーム・デス(Napalm Death)は、イギリス出身のグラインドコアバンド。構成員が脱退加入を繰り返し、結成時の面子は不在となりながらも脈々と活動は続けられており、在籍していた人物はカテドラルカーカスといった音楽隊を結成し名声を得た。グラインド・コアの始祖的存在。

略歴[編集]

1982年、イギリスのバーミンガムで結成された。グラインド・コアの始祖的存在であり、後発の音楽隊に今なお多大な影響を与えている。また様々な分野に重要な貢献をした音楽家を多数輩出した。しかし、構成員や音楽性の変遷も流動的な音楽隊で、1987年には結成時の人員は皆無となっている。

ニック・バレンがボーカルとして、ディスチャージ(DISCHARGE)、カオスUK(CHAOS U.K.)等の、ハードコアで政治的主張を行うパンクロックに影響されて結成。

結成年に「Punk Is a Rotting Corpse」(DEMO TAPE)を発表。音楽性としてはハードコアアナーコ・パンクの中間で、上述の音楽隊と比べ際立った所のない、平凡な音であった。しかしクラス(CRASS)とライブで数回共に活動したことがきっかけで、後に発表されたクラス自身のレーベルオムニバスに参加することになった(「Bullshit Detector Volume 3 」1984年)。現在も使用されている"NAPALM DEATH"の標章は、この時点ですでにできあがっていた。

音楽性の転機は、イギリスイプスウィッチのクラスト・コア(CRUST CORE)の始祖であるエクストリーム・ノイズ・テラー(EXTREME NOISE TERROR。当時はまだ「TERROR」は付いていない)でドラムスであったミック・ハリスが加入した事が大きい。この時点で、結成時からの人員は既にニックのみになっており、彼がボーカルベースを兼任した。

1985年に、「Hatred Surge」(DEMO TAPE)を発表。これまでの5本のデモとことなり、激しい音楽性に変化する。翌年には7作目となる後のセカンドアルバムと同じ表題である「From Enslavement to Obliteration」(DEMO TAPE)を発表し、1stアルバムと同じ題で、フルアルバム並みの曲数の「Scum」(Demo Tape)の2本を発表した。

イギリスノッティンガムで最速だったプラズミッド(PLASMID)が解散し、更に速度感が増したヘレシー(HERESY)のベース、カルブ(KALVIN PIPPER)が、まだイヤーエイク・レコードを作ったばかりの保有者であったディグ(DIGBY PERSON)にテープを渡した事がきっかけで、後のファーストアルバム「SCUM」(アナログ LP)発売に繋がる事になった。

1987年、これまで立て続けに出した「テープ」ではなく、アナログで且つ単独、そしてアルバムと言う形態で「SCUM]が発表された。このアルバムの音(や曲数)が与えた様々な分野への影響度は大きかった。ここからナパーム・デスの第2期が始まったと言える。ただA面・B面で、ドラムスのミック以外が違うという特殊な形態になった。A面には、85年、86年の2本のDEMO TAPEの面子で収録。原構成員のニック、3本のDEMOに参加したジャスティンが音楽性の不一致により脱退(脱退後、ゴッドフレッシュ(GODFLESH)を結成)、B面は、ミック・ハリスが独自のブラスト・ビートを編出し、曲が加速。リー・ドリアンや、カーカス(CARCASS)のビル・スティアーが加入して録音された。

構成員それぞれの嗜好性が様々で、リーやこの後正式に加わるシェーン・エンバリーが当時好んで聞いていた早く極端な音楽に大きく影響され、また日本のS.O.BGAUZE等にも触発されて、重く、早く極端に演奏時間の短い楽曲、歌詞が全く聞き取れない歌唱法のグラインド・コアと呼ばれる音楽性へ変化した。

ジェームスの後任にシェーン・エンバリーが加入。

1988年のセカンドアルバム「From Enslavement to Obliteration」(アナログ LP)でその音楽は完成された。S.O.Bとのツアーで、1989年に初来日。構成員はリー・ドリアン(Vo)、ビル・スティアー(G)、シェーン・エンバリー(B)、ミック・ハリス(Ds)の4人だった。

その後、彼らの音楽性は徐々に変化し、デスメタル的な要素を取り込み独自の音を形成していった。現在、1987年に加入したシェーンがフロントマンとして活動している。また、彼らの歌詞の内容はハードコア・パンク出身というのもあり、首尾一貫して社会を批判する傾向が強く出た政治的なものが多い。

2009年、LOUD PARKへの参加が決定した。

メンバー[編集]

現在のメンバー[編集]

過去のメンバー[編集]

  • ボーカル(1982-1985)、ベース&ボーカル兼任(1985-86): ニック・バレン Nicholas J Bullen (1982-1986)
    バンドの創始者。8本のDEMO TAPE(最後の2本の曲数はアルバム級。ディスコグラフィーの「DEMO」参照)と、クラスレコードのオムニバス「Bullshit Detector Volume 3」、1stアルバム「Scum」のA面(1曲目から12曲目)に参加。脱退後、ミック・ハリスと共にダブアンビエントプロジェクトスコーン(SCORN)を結成するが、後に脱退する。
  • ドラムス:マイルス・ラトレッジ Miles Ratledge (1982-1985)
    オリジナルメンバーでミック加入以前のドラムス。5本のDEMO TAPE「Punk Is a Rotting Corpse」から「Unpopular Yawns of Middle Class Warfare」、及び、オムニバス「Bullshit Detector Volume 3」に参加。
  • ベース(1982)、ギター(1983-1985):グラハム・ロバートソン Graham Robertson (1982-1985)
    オリジナルメンバー。5本のDEMO TAPE「Punk Is a Rotting Corpse」から「Unpopular Yawns of Middle Class Warfare」、及び、オムニバス「Bullshit Detector Volume 3」に参加。
  • ギター:ダリル・フィデスキー Daryl "Sid" Fideski (1982)
    オリジナルメンバー。3本のDEMO TAPE「Punk Is a Rotting Corpse」から「And,Like Sheep,We Have Gone Astray」に参加。
  • ギター:サイモン・オッペンハイマー Simon Oppenheimer (1982)
    オリジナルメンバー。3本のDEMO TAPE「Punk Is a Rotting Corpse」から「And,Like Sheep,We Have Gone Astray」に参加。
  • ベース:フィンバー・クウィン Finbar Quinn (1983-1984)
    マイスル(RATと呼ばれていた)がギターにチェンジした事で、ベースとして加入。2本のDEMO TAPE、「Kak」と「Unpopular Yawns of Middle Class Warfare」、オムニバス「Bullshit Detector Volume 3」に参加。
  • ベース:ピート・シャウ Pete Shaw (1985)
    6本目のDEMO TAPE、「Hatred Surge」に収録されているLIVE音源のみ参加。

ディスコグラフィー[編集]

DEMO(全てCOMPACT CASSETE)[編集]

  • 1982年 Punk Is a Rotting Corpse
  • 1982年 Halloween
  • 1982年 And,Like Sheep,We Have Gone Astray
  • 1983年 Kak
  • 1983年 Unpopular Yawns of Middle Class Warfare
  • 1985年 Hatred Surge
  • 1986年 Enslavement To Obliteration
  • 1986年 Scum


  • 1982~1983年までのDEMOは、当時一番影響を受けたと思われるクラス(CRASS)に歌詞や姿勢の影響がうかがわれる。またサウンド面ではハードコアとパンクロックの中間で、アナーコ・パンクと呼ばれるジャンルの音に近い。
  • 「Unpopular Yawns of Middle Class Warfare」では、後のアルバムに収録される「Caught...in a Dream」の原型が聴けるが、別の曲に聴こえるほど違いは大きい。
  • 1stアルバムに繋がる1986年の、アルバムと同タイトルの2本のDEMOは、ミックのドラムがかなり完成されており、前年の「Hatred Surge」と比較しても、サウンドスピードの違いは大きい。ニックやジャスティンはスワンズ(SWANS)等の様な重くで暗いサウンドに傾倒していたため、ミックのより高速な音楽への志向と乖離。1stアルバムのA面録音後に脱退したと考えられる。

アルバム[編集]

  • 1987年 Scum (12"LP)
  • 1988年 From Enslavement To Obliteration (12"LP)
  • 1989年 The Peel Sessions (*1) (12"LP/CD)
  • 1990年 Harmony Corruption (12"LP/CD)
  • 1989年 The Peel Sessions (*2) (12"LP/CD)
  • 1992年 Live Corruption (CD)
  • 1992年 Death by Manipulation (CD)
  • 1992年 Utopia Banished (CD)
  • 1994年 Fear, Emptiness, Despair (CD)
  • 1996年 Diatribes (CD)
  • 1997年 Inside the Torn Apart (CD)
  • 1998年 Words from the Exit Wound (CD)
  • 2000年 Enemy of the Music Business (CD)
  • 2000年 COMPLETE RADIO ONE SESSION (CD)
  • 2002年 Order of the Leech (CD)
  • 2003年 Noise for Music's Sakes (CD) ※ベストアルバム
  • 2004年 Punishment in Capitals (CD)
  • 2004年 Leaders Not Followers: Part 2 (CD)
  • 2005年 The Code Is Red... Long Live The Code (CD)
  • 2006年 Smear Campaign (CD)
  • 2009年 Time Waits For No Slave (CD)
  • 2012年 Utilitarian (CD)

  • 日本では「Scum」及び「Enslavement To Obliteration」の全曲に、セカンドアルバム初回特典7"EP「The Curse」より、A面の「The Curse」の1曲を除いた曲と、EPの「Mentally Murdered」から1曲をあわせ、計55曲入りのCDが『ナパーム・デス』として発売されている。
  • 「Scum」のアートワークは、イギリスニューキャッスルのファスト・コアバンド、エレクトロ・ヒッピーズ(ELECTRO HIPPIES)でボーカルをしていたジェフ・ウォーカー(JEFF WALKER)(後のカーカス(CARCASS))がデザインした。イアーエイクのアナログ盤は、オリジナルがブルー、後にイエロー、オレンジ、モノクロと、色違いジャケットが数種類存在している。特に初回のブルーは、現在も高値で取引されている。
  • 「Scum」のバックの写真は、イギリスブラッドフォードのグラインド・コア・バンド、ソア・ソロート(SORE THROAT)の最初のドラマーであるニック・ロイレス(NICK ROYLES)が撮影。
  • 「Scum」収録曲「ユー・サファー」は、演奏時間は僅か1秒しかない(CDトラック上は6秒)。この曲はフジテレビの「トリビアの泉」でも紹介され、メンバーも出演し、さらには曲の紹介を日本語で行った。投稿者は金の脳を獲得した。
  • 「Harmony Corruption」のUK初回盤LPは、10曲入りLIVEアルバム「Recorded Live at the I.C.A London 29 June 1990」との2枚組。
  • 「COMPLETE RADIO ONE SESSION」は、THE PEEL SESSION *1と*2のセット。
  • 日本盤の「Enemy of the Music Business」には、ハードコア・パンクバンドのカバーEP『Leaders Not Followers』の全曲がボーナストラックとして収録されている。

EP(シングル/マキシシングル)[編集]

  • 1988年 The Curse (7"EP)
  • 1988年 S.O.B&NAPALM DEATH (Flexi 7"EP)
  • 1989年 LIVE EP (7"EP)
  • 1989年 Mentally Murdered(7"EP/12"EP/CD)
  • 1991年 Mass Appeal Madness (CD)
  • 1992年 The World Keeps Turning EP (CD)
  • 1993年 Nazi Punks Fuck Off (7"EP/Picture 7"EP/CD)
  • 1995年 Greed Killing (CD)
  • 1996年 NAPALM DEATH & AT THE GATES/Cursed to Tour '96 (Split CD)
  • 1997年 NAPALM DEATH & COALESCE/In Tongues We Speak (Split CD)
  • 1998年 Breed to Breathe (CD)
  • 1999年 Leaders Not Followers (7"EP/CD)

  • 「The Curse」は、セカンドアルバム「Enslavement To Obliteration」の初回特典。同名タイトル曲は現時点でもCD化されていない。
  • 「LIVE EP」は、リーのレーベル「RISE ABOVE RECORDS」からリリース。
  • 「Mentally Murdered」は、7"EPと12"EP/CDは曲数が異なる。CDは紙ジャケット。


Various Artists(オムニバス)[編集]

  • 1984年 Bullshit Detector Volume 3
  • 1989年 THE NORTH ATLANTIC NOISE ATTACK
  • 1989年 Grindcrusher
  • 1990年 Pathological Compilation
  • 1990年 Earache Sampler #2
  • 1991年 Grindcrusher II - The Ultimate Earache
  • 1992年 Masters of Brutality
  • 1992年 Masters of Brutality 2
  • 1992年 Virus 100
  • 1994年 Rareache
  • 1994年 Earplugged
  • 1995年 Mortal Kombat
  • 1995年 Metallurgy
  • 1997年 Radio Kerrang! - Introduced by Coal Chamber [volume 2]
  • 1997年 Musik für die Neunziger Vol.III
  • 1997年 Earplugged 2
  • 1998年 Hellspawn
  • 1998年 Earplugged 3
  • 2000年 Immortalised

  • 「THE NORTH ATLANTIC NOISE ATTACK」では、スタジオ音源、リーのボーカルで「SCUM」「LIFE」が聴ける。
  • 「Virus 100」はデッド・ケネディーズ(DEAD KENEDYS)のカバー集であるが、「NAZI PUNK FUCK OFF」で参加している曲はシングルと同じテイク。

外部リンク[編集]