ナショナル・ソーシャリスト・ブラックメタル

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ナショナル・ソーシャリスト・ブラックメタル
National Socialist Black Metal
様式的起源 ブラックメタル
文化的起源 1990年代前半、ヨーロッパ
使用楽器 ボーカルギターベースドラムキーボードシンセサイザー
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ナショナル・ソーシャリスト・ブラックメタル(National Socialist Black MetalNSBM)は歌詞やアートワークでナチズムを賛美したり、類似のイデオロギーを表現するブラックメタル

概要[編集]

NSBMの典型はネオナチの思想(ファシズム白人優越主義白人分離主義反ユダヤ主義ゼノフォビアホモフォビア等)とペイガニズムや"外国"の宗教(キリスト教ユダヤ教イスラム教等)に対する敵意を融合させたものである。中にはペイガニズムではなく、サタニズム神秘学の思想をネオナチの思想と融合させるバンドもいる。NSBMは独立した音楽のジャンルとは考えられておらず、ネオ・フォルキッシュ・ムーヴメントやブラックメタルの中での一つのムーヴメントととらえられているにすぎない。 ヴァルグ・ヴィーケネスはブラックメタルシーンにこのような考えを持ち込んだ張本人だと考えられている。もっとも、現在では彼がナチズムと関係したのは、ナチがペイガニズムを受容したこととネオナチがサポートをしてくれたことが理由だと主張している[1]。 Mattias Gardellによれば、NSBMミュージシャンは「国家社会主義をブラックメタルが本来持っている政治的、精神的な抗議の論理的な延長線上にあるもの」だととらえているという[2]

ナチズムの考え方を持っていても、音楽でそれを表現していないバンドはブラックメタルシーンでNSBMと扱われることは一般的にはない。しかし、メディアでNSBMとレッテルを貼られることはあり得る[3]ショック・ヴァリューを狙ってナチズムを利用しているだけのバンドもいる。

イデオロギー[編集]

アブサードのヘンドリック・メーブスはナチズムを"アーリアンジャーマニック・ペイガニズムと関連を持つ「サタニック/ルシフェリアン力への意志」と「エリート主義社会進化論」の最も完璧な (そして唯一現実的な!)形での統合"であると考えている[4]。デア・シュテュルマー(ユリウス・シュトライヒャーが始めた反ユダヤ主義の週刊新聞シュテュルマーからとられたバンド名)のメンバーはエソテリック・ナチズムに寄与し、サヴィトリ・デヴィユリウス・エヴォラの著作に傾倒していた[5]

反キリスト教と反ユダヤ主義[編集]

典型的なNSBMバンドのミュージシャンは、キリスト教をユダヤ人の陰謀の産物であると考えている。 ユダヤ人はアーリア人種の"部族信仰"や"原始的"な文化を消滅させることによって、彼らを傷つけようとしているというのである[6]。ふつう、こういったミュージシャンはキリスト教と反ユダヤ主義の正当性を認めない。キリスト教神学の枠組みにおいてナチズムを賛美するジャーマン・クリスチャンムーヴメントの正当性に関しても同様である。デア・シュトゥルマーのHjarulv Henkerはこのように述べる。

キリスト教のようなドグマはアーリア人の世界では存在し得ないと思う。キリスト教とアーリア人の超人的世界観に整合性を持たせることは不可能だ。キリスト教は謙虚さや国家・民族的なアイデンティティの欠如、平等などを教えるが、これらの考えは我々の世界観にとっては非常に異質なものだから。アーリア人的な道徳を体現する個性とジーザスを混ぜ合わせることは不可能だよ。(中略)キリスト教はキリスト教であり、もとよりユダヤ的なものでしかない。あれはユダヤ的な世界支配における媒介物であり、そのように作られているのさ[5]

バンド一覧[編集]

参考文献[編集]

脚注[編集]