ドメイン (生物学)
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生物分類学におけるドメイン(domain)とは、界よりも上の、最も高いランクのタクソンである。日本語ではドメインの他に、超界、域、英語ではdomainの他にsuperregnum、superkingdom、empireなどと言われる。
これは、これまでの分類の最も高い階層である界が本来は植物と動物を分けるために設定されたものであったことに由来する。様々な生物の発見により、この分類は改変を受けてきたが、原核生物と真核生物の差が、真核生物内部での植物と動物の差より大きいものと考えられるようになったこと、また古細菌の発見によって原核生物内の多様性が想像以上に大きいことがわかってきたことによって、界より上のランクを設定した方がよい、との判断は生まれてきたことによるものである。
タクソンへの分類は、基礎的なゲノムの進化の違いを反映して行われる。生物のドメイン分けはいくつかのやり方が提案されている。例えば次のようなものがある。
- 2ドメイン説-最上位の分類を原核生物(またはモネラ)と真核生物の2つのドメインに分ける。
- 3ドメイン説-最上位の分類を古細菌、真正細菌、真核生物の3つのドメインに分ける。
後者は1990年にカール・ウーズによって提案された最も新しい説であり、次第に支持されている。
これらの分類は、一義的には遺伝子配列の分析データと分岐学に基づくが、さらなる理由付けが期待されている。
[編集] 3つのドメインの比較
| 特徴 | 真正細菌 Bacteria |
古細菌 Archaea |
真核生物 Eukarya |
|---|---|---|---|
| 大きさ | 小(1-10μ) | 大(10μ~) | |
| 細胞壁 | ペプチドグリカン | 多様 | 多様 |
| アンピシリン感受性 | ○ | × | |
| バンコマイシン感受性 | ○ | × | |
| 細胞膜 | ジエステル(sn-1,2) | ジエーテル(sn-2,3) | ジエステル(sn-1,2) |
| 核、細胞小器官の有無 | × | ○ | |
| 細胞骨格 | × | ○ | |
| 有糸分裂 | × | ○ | |
| エンドサイトーシス | × | ○ | |
| 鞭毛 | フラジェリン | 独自 | チューブリン |
| DNA | 環状 | 線状 | |
| ヒストン | × | ○ | |
| 複製開始点 | 1つ | 1つまたは複数 | 複数 |
| 複製開始機構 | dnaA | pre-RC | |
| 岡崎フラグメント | 長 | 短 | |
| 転写開始機構 | シグマ因子が認識 | 転写開始前複合体を形成 | |
| RNAポリメラーゼ | 単純 | 複雑 | |
| オペロン | ○ | × | |
| プロモーター | プリブノーボックス | TATAボックス | |
| Pre-mRNA スプライシング | × | ○ | |
| その他のイントロン | 自己スプライシング | 酵素反応 | 両方 |
| 5' 末端のキャップ構造 | × | ○ | |
| Pre-tRNA スプライシング | △ | ○ | |
| イントロン | 自己スプライシング | 酵素反応 | |
| CCA付加 | △ | ○ | |
| CCA付加酵素 | クラスII | クラスI | クラスII |
| リボソーム | 70S | 80S | |
| ジフテリア毒素感受性 | × | ○ | |
| ストレプトマイシン感受性 | ○ | × | |
| クロラムフェニコール感受性 | ○ | × | |
| 翻訳開始アミノ酸 | フォルミルメチオニン | メチオニン | |
| シャペロニン | グループI | グループII | |
| プロテアソーム | △(放線菌のみ) | ○ | |

