ドキシラミン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
ドキシラミン
IUPAC命名法による物質名
(RS)-N,N-dimethyl-2- (1-phenyl-1-pyridin-2-yl-ethoxy)- ethanamine
臨床データ
胎児危険度分類 A(US)
法的規制 Pharmacy Only (S2) (AU) OTC (US) OTC(CA)
投与方法 経口
薬物動態的データ
生物学的利用能 24.7%[1]
代謝 肝臓
半減期 変動が大きい; 6–12 時間
排泄 尿(主に代謝物として)
識別
CAS登録番号 469-21-6
ATCコード R06AA09
PubChem CID 3162
DrugBank APRD00937
ChemSpider 3050
KEGG D07878
化学的データ
化学式 C17H22N2O 
分子量 270.369 g/mol

ドキシラミン(doxylamine)は鎮静作用のある抗ヒスタミン薬の一つである。医薬品として用いられるのはコハク酸塩(コハク酸ドキシラミン)である。米国などでは、単独で短時間作用型の睡眠改善薬として用いられるほか、他の成分と組み合わせて風邪アレルギーの諸症状を緩和するための夜間服用型の薬として用いられることがある。また、米国などでは妊娠中の女性のつわりの諸症状を緩和するための薬としてビタミンB6(ピリドキシン)と組み合わせて処方されることがある。

目次

[編集] 用途

ドキシラミンはエタノールアミン系抗ヒスタミン薬であり、その抗アレルギー作用は米国で市販されるジフェンヒドラミン以外のほぼ全ての抗ヒスタミン薬を上回る[2]。また、ドキシラミンは米国の店頭で市販される睡眠改善薬の中では最も効き目が強く[2]、その強さは一部の処方箋が必要な睡眠薬を上回り、ドキシラミンの鎮静作用はフェノバルビタールより強いとする研究もある[2]

コハク酸ドキシラミンの米国での睡眠改善薬としての用量は6.25mg~25mgである。米国FDAは高用量を推奨していないが、一般的な一回分の用量が米国より高用量の国もあり、中にはオーストラリア(RestavitやDozileの商品名で販売されている)のように50mgに上る国もある。

[編集] 代謝

主な代謝物は、デスメチルドキシラミンとジデスメチルドキシラミンの2つである。

ドキシラミンの代謝

[編集] 製品

  • 日本ではドキシラミンを有効成分として含有する医薬品は販売されていない。
  • 米国で風邪の諸症状を緩和する薬として店頭販売されているNyQuilの鎮静成分である。
  • オーストラリアやカナダなどの英連邦諸国や英国では、Dolased、Syndol、Mersyndolなどの商品名で、ドキシラミンがアセトアミノフェンコデインと組み合わせて緊張型頭痛などの鎮痛薬として用いられている。
  • 米国ではドキシラミンはSomnil、Dozile、Donormyl、Restavit、Unisom-2などの商品名でOTCの睡眠改善薬として用いられている。
  • 米国ではドキシラミンはUnisomの商品名で販売されている錠剤タイプの睡眠改善薬の有効成分だが、Unisomの軟カプセル剤タイプではドキシラミンの代わりにジフェンヒドラミンが用いられている。
  • 米国ではビタミンB6と葉酸と共に配合されてEvanormの商品名で発売されている。
  • カナダではドキシラミンはビタミンB6と共に配合されてつわりの諸症状を緩和する薬としてDiclectinの商品名で販売されている。

[編集] 副作用

ドキシラミンには強い抗コリン作用があるため、口渇、運動失調排尿障害、眠気などの副作用が生じることがある。

[編集] 急性毒性

単回投与毒性試験におけるLD50は次の表の通り[3]

ドキシラミンのLD50
動物/投与経路 経口 静注 皮下注射
マウス 470 mg/kg 62 mg/kg 460 mg/kg
ラット 440 mg/kg
ウサギ 250 mg/kg 49 mg/kg

[編集] 参考文献

  1. ^ Pelser A, Müller DG, du Plessis J, du Preez JL, Goosen C. (2002). “Comparative pharmacokinetics of single doses of doxylamine succinate following intranasal, oral and intravenous administration in rats”. Biopharm Drug Dispos. 23 (6): 239-244. doi:10.1002/bdd.314. pmid 12214324. 
  2. ^ a b c DrugBank: DB00366 (Doxylamine)
  3. ^ Toxicity of Doxylamine, ChemIDplus Advanced, United States National Library of Medicine”. 2008年12月11日閲覧。

[編集] 関連項目

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語