ドゥカティ・モンスター
ドゥカティ・モンスター(Ducati Monster)とは、イタリアのオートバイメーカーであるドゥカティが1993年から製造販売するオートバイの車種である。設計はミゲール・A・ガルーツィ。
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概要 [編集]
モンスターは、現在のドゥカティのネイキッドタイプの主流車種であり、スポーツクラシック・シリーズが登場するまでは、近年のドゥカティでは唯一のネイキッドバイクでもあった。
モンスターが登場する以前の近年のドゥカティは、スーパーバイク世界選手権等への積極的なレース活動から、スーパースポーツ等のカウル付きスポーツバイクに強いというイメージが強かった。そんな折りに登場したのがモンスターである。
モンスターは、当時はまだ普遍的なデザインを採用することの多かったネイキッドバイクとしては珍しく、先進的な特徴ある外観をしていた。また車両性能は他社のネイキッドバイクと比べてスポーティなものであり、ネイキッドの特徴であるリラックスした乗車姿勢に高性能なエンジンや車体という組み合わせも珍しかった。こうした先進的デザインの高性能なネイキッドバイクというコンセプトが受け入れられ、2007年現在まで基本的なデザインを変えることなく、ドゥカティ社の売り上げの多くを担う看板車種に成長している。
主な特徴 [編集]
モンスターの外観は、登場当初はネイキッドバイクとしては珍しい先進的なものだった。特徴的な巨大な燃料タンクや、脱着可能なシングルシートカウル、当時のネイキッドとしては珍しい倒立式フロントフォーク等、特徴あるデザインや装備が採用された。
エンジンは、デスモドロミック90度V型2気筒というドゥカティ伝統の「Lツイン」を搭載し、その出力性能は同社のスポーツバイクに比べてやや中低速寄りに振られることが多い。
フレームは年式によって細部は異なるが、これもドゥカティ伝統といえる鋼管トレリスフレームを採用する。当初は851系を基にしたフレームとリアサスペンション方式を採用していたが、2001年のS4を筆頭に、翌2002年には400を除く全排気量でST系を基にしたフレームとリアサスペンション方式に変更された。(400も遅れて2004年から変更された)
現行車種 [編集]
696,796,1100evo(各排気量 2013年:20th ANNIVERSARYモデル、初代モンスターを彷彿させるデザイン)
1100evo [編集]
2011年 空冷、排気量1078cc、装備重量188kg、最高出力100hp/7500rpm、最大トルク10.5kg/6000rpm DSP((トラクションコントロール+ABS)採用、1100との違い多数。 クラッチは乾式から湿式。エンジンはデスモドゥエ・エボルツイオーネに変更、軽量化。マフラーは右下へ2本出し。 カラーデザインは、フェンダー、タンク、シートカバーにストライプラインが入る。ハンドル位置は20mm高く。 シート形状はフラットへ。ホイールはスポーク形状変更、軽量化。サスペンションメーカー変更。 (特別仕様 2012年monster Diesel :イタリアのファッションブランド”ディーゼル”とのコラボモデル、ディーゼルのデザイナーがミリタリー風のカラーリングおよび外装を手掛ける)
1100、1100S [編集]
2009年3月デリバリー開始。排気量1100ccデュアルスパークエンジン搭載、696同様のシャーシ構造ながらリアを片持ちスイングアームにするなど外観上の違いがある。Sは標準でフロントとリアサスペンションがオーリンズ社製を装備している。
796 [編集]
2009年発表(デビュー2010年) 空冷、排気量803cc、装備重量188kg、乾燥重量169kg(ABS付)、最高出力87hp/8250rpm、最大トルク8.0kg/6250rpm リアは片持ちスイングアーム。
696 [編集]
2008年6月発表、8月デリバリー開始。 排気量696cc、装備重量186kg、乾燥重量161kg、最大出力80PS/9000rpm、最大トルク7.0kg/7750rpm 1994年以来初めてのフルモデルチェンジを施したモデル。シリーズ最低シート高を誇る。ラジアルマウント4ポットキャリパー搭載。タンクは左右分割式の樹脂製カバーに変えられている。
過去の車種 [編集]
空冷エンジン [編集]
900 [編集]
モンスターという名前で最初に発表された車種。初代はドゥカティ・851のフレームにスーパースポーツの空冷エンジンを組み合わせた異色のネイキッドバイクであった。1993年に発表され、細部に改良を加えられながらも外観はほとんど変わらずに2002年まで販売を続けたが、後継の1000と交代で販売を終了した。
600 [編集]
900に続いてモンスターとして二番目に発表された車種で、1994年から2001年まで販売された。
620 [編集]
600の後継車種として発表され、2002年から2005年まで販売された。
750 [編集]
900と600に続いてモンスターとして三番目に発表された車種で、1996年から2002年まで販売された。
800 [編集]
750の後継車種として発表され、2003年から2004年まで販売された。
1000 [編集]
2003年に900の後継車種として発表され、2005年まで販売された。両持ち式スイングアームや車体両側に1本ずつの2本出しマフラーなど、旧世代の外観を残した最後の上位車種となった。(ただし下位モデルである695や400は未だに旧世代の外観である)
S2R800 [編集]
S2Rシリーズの基本車種。排気量803cc空冷2バルブエンジンを搭載しており、最大出力は56.7kW/77psである。シフトダウン時の安定性を向上させ、クラッチ操作に必要な力が少なくなるAPTCシステムを採用している。発表当初の2005年には、S2Rはこの排気量のモデルしかなかったので、この年だけは単に「S2R」と呼ばれていた。
S2R1000 [編集]
通称S2Rシリーズの上位車種。排気量1000cc空冷2バルブ・デュアルスパーク(DS)エンジンを搭載しており、最大出力は70kW/95psである。S2R800に続いて2006年に発表された。
695 [編集]
620の後継として2006年に発表された車種。(ただしモデルイヤーは2007年からとされている)従来の620と比べデザインはあまり変わってはいないが、排気量は695ccまで拡大され、最大出力は53.7kW/73psに向上している。また、シート高も下げられているのが特徴である。フィアット社のパンダの特別仕様としてこの695とコラボレートしたPANDA MONSTER 695が車名に因んで695台限定で発売された事がある。
400 [編集]
日本市場向け専用に販売されている車種。排気量398cc空冷2バルブエンジンを搭載しており、現行年式では最大出力32.4kW/44psである。1996年まででいったん販売を終了していたが、日本市場からの強い要望もあり2000年から復活した。実質的に、過去の600/620や現行の695を基に排気量を縮小したものであり、年式ごとの違いも概ね600/620/695に準じる。
水冷エンジン [編集]
S4 [編集]
2001年に登場した、モンスター・シリーズ初となる水冷4バルブエンジンを搭載した車種。排気量は916ccで最大出力は74kW/101psであった。2002年には、スーパーバイク世界選手権で活躍したカール・フォガティを記念した高性能な限定車種であるS4フォガティ(81kW/110ps)も併売された。S4そのものは2003年まで販売され、翌年発表されたS4Rと交代で販売を終了した。
S4R [編集]
2004年にS4の後継モデルとして発表された車種。排気量996cc水冷4バルブエンジンを搭載し、最大出力は86.1kW/117psであった。先代となるS4との大きな違いはその外観であり、燃料タンクの造形など基本的な外観は踏襲しつつ、片持ち式スイングアームやシートカウル右側にまとめられた2本出しマフラーが新たに採用された。エンジンは、S4よりも排気量が拡大されて996ccとなった。2006年に後継モデルのS4Rテスタストレッタが先行発表されて1年間併売となり、そのまま2006年で販売を終了した。
S4Rテスタストレッタ [編集]
2005年11月から先行発表(そのため年式としては2007年とされる)された、水冷エンジンを搭載するモンスターのうち基本となる車種。エンジンは排気量998ccの水冷4バルブと先代のS4Rとほぼ変わらない排気量だが、「テスタストレッタ」と呼ばれる小型化されたシリンダーヘッドを持つエンジンを搭載しており、最大出力(95.6kW/130ps)等の性能が高まっている。前後のサスペンションにショーワ製の全調整式を採用している。
S4RSテスタストレッタ [編集]
2006年から登場した、S4Rの上位車種。エンジンはS4Rと同様の排気量998cc水冷4バルブの「テスタストレッタエンジン」を搭載し、最大出力や最大トルクといった性能はS4Rテスタストレッタと同じである。S4Rテスタストレッタとの主な違いは、前後のサスペンションにオーリンズ製の全調整式を採用する点と、カーボンファイバー製外装部品を多く採用する点などである。なお限定仕様車として、S4RSトリコローレ(2008年)が存在する。この車両は日本国内では限定30台のみ販売され、その名の通りイタリア国旗をあしらったペイントが施されている。ちなみにドゥカティの歴史においてトリコロールカラーはフラッグシップモデルのみに限定して与えられてきたものである。