トロンプ級フリゲート

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トロンプ級フリゲート (GW型)
F801 Tromp ca 1995.jpg
艦級概観
艦種 フリゲート (ミサイル駆逐艦)
前級 デ・ロイテル級 (巡洋艦)
次級 ヤコブ・ファン・ヘームスケルク級
性能諸元
排水量 基準:3,665t
満載:4,305t
全長 133.2m
全幅 14.8m
喫水 6.6m
機関 COGOG方式
TM3Bガスタービンエンジン (27,000 shp) 2基
RM1Cガスタービンエンジン (4,100 shp) 2基
スクリュープロペラ 2軸
速力 28ノット (公試速力30ノット)
航続距離 5,000海里 (18kt巡航時)
乗員 306名
兵装 ボフォース 120mm連装砲 1基
ゴールキーパー 30mmCIWS 1基
Mk.13単装ミサイル発射機
(SM-1MR SAM用)
1基
Mk.29 8連装ミサイル発射機
(シースパロー短SAM用)
1基
ハープーンSSM 4連装発射筒 2基
Mk.32 3連装短魚雷発射管 2基
艦載機 リンクスSH-14B 1機
C4I 海軍戦術情報システム
(SEWACO Iリンク 10/11)
レーダー SPS-01 3次元式 1基
AN/SPG-51 SAM射撃指揮用 2基
WM-25 砲・短SAM射撃指揮用 1基
デッカ1226 航海用 2基
ソナー CWE-610 艦首装備式 1基
162型 海底走査用 1基
電子戦 RAMSES電波探知妨害装置
Mk.137 6連装デコイ発射機 4基

トロンプ級フリゲートオランダ語: fregat van de Trompklasse, : Tromp-class frigate)は、オランダ海軍が運用していたフリゲートの艦級。実質的にはミサイル駆逐艦とされている[1]

来歴[編集]

1966年、オランダ海軍は、艦隊旗艦の任にあたっていたデ・ロイテル級巡洋艦の後継として、2隻の誘導ミサイル・フリゲート(Geleide Wapenfregatten)の建造を計画した。この計画に基づいて整備されたのが本級であり、1971年よりロイヤル・シェルデ造船所において建造に着手した[1]

設計[編集]

L/B比9.3と比較的幅広の船型を採用しており、またフィンスタビライザーも備えている。これにより、非常に優れた航洋性を実現した。船体および艦橋構造物は鋼製であるが、後部上部構造物はアルミニウム合金製とされた[2]

主機関としては、当初は蒸気タービン主機の搭載が予定されていたが、運用人員削減の要請から、同国海軍で初めてガスタービンエンジンを搭載することになった。その主機構成は、世界初のオール・ガスタービン推進戦闘艦であるイギリス海軍21型フリゲートのものを踏襲して、巡航用のロールス・ロイス タインRM1Cと高速用のロールス・ロイス オリンパスTM3Bを組み合わせたCOGOG方式とされた[2]。推進器は5翔式の可変ピッチプロペラである。また電源は、450ボルト、60ヘルツの三相交流であり、SMIT/パクスマン・バレンタRP-200 12気筒ディーゼルエンジンによって駆動される出力1,000 kWの発電機を4基(うち2基のみで戦闘配置に充分な出力を確保可能)搭載した。機関部はパラレル配置による3区画構成とされており、第1機械室にオリンパス2基、発電機2基と補助ボイラー、第2機械室にタイン2基、発電機室に発電機2基を設置している[1]

装備[編集]

防空艦として最重要のセンサーとなる3次元レーダーとしては、国産のSPS-01を艦橋構造物上に設置した。これはSバンドの多機能レーダーで、パラボロイド・アンテナ2基と周波数走査アンテナ2基がそれぞれ背中合わせに配置されたほか、敵味方識別装置のアンテナ1基と、計5基のアンテナを用いた独特な構成を採用している。 [3]。1980年にはSPS-01に大型のプラスチック製レドームが設置され、コジャック愛称で呼ばれた。またSEWACO I戦術情報処理装置も、アメリカの海軍戦術情報システム(NTDS)に準拠してはいるが、基本的には国産とされている。1984年から1985年にかけての改修でリンク 11の運用能力が付与されたほか、1988年から1989年の改修で、「トロンプ」にはSCOT衛星通信装置が搭載された[1][2]

防空武器システムとしては、当初はイギリス製のシーダートが検討されていたが、最終的にはアメリカ製のターター・システムが選定された[2]。また個艦防空用としてシースパローIBPDMSも搭載された。ただしシースパローIBPDMS用の射撃指揮システムとしては、国産のWM-25が用いられている。主砲としては、退役するホラント級駆逐艦「ヘルダーラント」より転用されたボフォース社製120mm連装砲を改修の上で搭載している[1]。また後にゴールキーパー 30mmCIWSも搭載されたほか、デコイ発射機も、イギリス製のコーバスからアメリカ製のMk 36 SRBOCに換装された[2]

配備[編集]

1974年度の艦隊整備計画では、本級2隻によって、3個の対潜任務群のうち2個の旗艦に充当することとされていた[2]

同型艦一覧
# 艦名 造船所 起工 就役 退役
F801 トロンプ
HNLMS Tromp
ロイヤル・シェルデ 1971年8月 1975年10月 1999年11月
F806 デ・ロイテル
HNLMS De Ruyter
1971年12月 1976年6月 2001年10月

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d e Bernard Prezelin (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. pp. 376-377. ISBN 978-0870212505. 
  2. ^ a b c d e f Robert Gardiner, ed (1996). Conway's All the World's Fighting Ships 1947-1995. Naval Institute Press. p. 276. ISBN 978-1557501325. 
  3. ^ Norman Friedman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. ISBN 9781557502681. http://books.google.co.jp/books?id=l-DzknmTgDUC. 

関連項目[編集]