トリプトファン合成酵素

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トリプトファン合成酵素

トリプトファン合成酵素(Tryptophan synthase)は、トリプトファンの生合成の最終段階を触媒する酵素で、植物や細菌は持つが動物は持たない。トリプトファンシンターゼトリプトファンシンテターゼともいい、EC番号はEC 4.2.1.20である。

大腸菌から単離された酵素はα2β2の四量体である。αサブユニットはβ二量体から分離することができ、β二量体は4Mの尿素による処理で分離される。サブユニットの結合はピリドキサルリン酸(PLP)とセリンの存在によって促進される。αサブユニットの分子量は2万9500、βサブユニットの分子量は4万5000であり、PLP結合部位を1つ持つ。

それぞれのサブユニットが、図のように反応のそれぞれの段階を触媒する。インドール-3-グリセロリン酸はαサブユニットによってインドールグリセルアルデヒド-3-リン酸に変換され、β二量体がインドールとセリンを結合してトリプトファンを作る。α2β2の四量体は、それぞれが単独の時よりも30-100倍も活性が高く、また反応中にインドールが単離されることはない。

長大語・ギネス[編集]

Methionylglutaminylarginyl...で始まりserineで終わる、267アミノ酸からなるトリプシン合成酵素が、かつて1913文字の最長の英単語として18世紀のギネスブックに登録されたことがある。