トランシルバニアン・ハウンド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
Erdelyi kopo VadaszNimrodSzeder01.jpg

トランシルバニアン・ハウンド(英:Transylvanian Hound)とは、ルーマニア及びハンガリートランシルバニア地方原産のセントハウンドである。別名はエルディー・コポー(ハンガリー語: Erdélyi Kopó)、ハンガリアン・ハウンド(英:Hungarian Hound)。

歴史[編集]

9世紀にハンガリーを侵略したマジャール人が連れて来たハウンドタイプの犬と土着の犬を交配させて誕生した犬種である。貴族によって飼育されてきた猟犬で、脚が長いものと短いものの2タイプが作り出された。脚が長いほうはトール、脚が短いほうはショートと呼ばれている。トールはキツネや大型獣を狩るのに使われ、ショートはウサギなどの小型獣を狩るのに使われた。

もとより希少な犬種であったが、第二次世界大戦の戦禍によって頭数が激減し、戦後ハンガリーでは反マジャール感情による暴動が起こり、マジャール人が作出に大きくかかわった犬種がハンガリー人に虐殺されるという事態が発生した。これを憂慮した愛好家は本種をルーマニア側のトランシルバニアン地方へ密輸し、なんとか生き残ることができた。ルーマニア側へ渡った本種たちは大切に保護され、もとからルーマニア側にいた本種と交配され、犬種の保存が行われた。

現在トランシルバニアン・ハウンドはFCIにも公認犬種として登録され、FCIや動物愛護団体の働きかけによって暴動が鎮圧されたため、本種の未来は明るいものとなった。ほとんどがルーマニア及びハンガリーの原産地でのみ飼育されているため、なかなかドッグショーなどでも見かけることが少ない珍しい犬種である。

特徴[編集]

脚の短いショートと、脚の長いトールという2つのタイプに分かれているが、脚の長さ以外は基本的に2タイプの容姿に違いはない。ただし、ショートのほうが体高が低く、希少である。引き締まったボディでマズルは長め、脚はやや細いがしっかりしていて丈夫である。長めの垂れ耳、垂れ尾でコートはつやのある滑らかなスムースコート、毛色はブラック・アンド・タン。体高はショートが45~55cm、トールが55~65cmで体重は両タイプ共に25kg前後の中型犬、大型犬。性格は友好的で状況判断力に富む。しつけの飲み込みは早く、ペットとしても飼育が可能である。ただし、運動量は多い。

参考[編集]

  • 『日本と世界の愛犬図鑑2007』(辰巳出版)佐草一優監修
  • 『デズモンド・モリスの犬種事典』デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2009』(辰巳出版)藤原尚太郎編・著

関連項目[編集]