トネール (強襲揚陸艦)

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トネール
基本情報
建造所 DCNSブレスト工廠
アルストム=アトランティーク造船所
運用者  フランス海軍
艦種 強襲揚陸艦
級名 ミストラル級
艦歴
起工 2003年8月26日艦尾
2004年5月5日艦首
進水 2005年7月26日
就役 2007年8月1日
要目
基準排水量 16,500t
満載排水量 21,300t
全長 199.0m
最大幅 32.0m
飛行甲板 5,200
吃水 6.2m
機関 ディーゼル・エレクトリック方式
主機 バルチラ16 V 32 ディーゼルエンジン × 4基(4,850kW
バルチラ 18V200ポッド式推進器 × 2基(14,000kW)
艦首スラスター × 1基(1,500kW)
推進 2軸推進およびポンプジェット
速力 最大速 19kt
航続距離 巡航15ktで19,800海里
乗員 160名
搭載能力 上陸用舟艇 × 2隻
1個大隊
車両 × 60台
1,600t以内の積載
兵装 SIMBADシステム × 2基
ブレダ=モーゼル 30mm機関砲 × 2基
M2機関銃 × 4挺
搭載機 ヘリコプター × 最大16機
C4ISTAR RITA 2G海洋簡易周波数帯変換器+FLTSATCOM衛星通信
SIC-21 作戦指揮システム(シラキューズ3-A/B衛星通信)
NTDSリンク 11/リンク 16
SENIT-9 戦術情報処理装置
SIC 21戦闘管制システム × 1基
レーダー DRBN-38航海 × 1基
MRR-3 NG 3次元 × 1基
電子戦
対抗手段
ARBR-21レーダー妨害装置 × 1基
SLAT 対魚雷システム
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トネールフランス語Tonnerre, L 9014)は、フランス海軍ミストラル級強襲揚陸艦2番艦。艦名は雷鳴を意味するフランス語に由来する。

艦歴[編集]

「トネール」は、DCNS主導で建造された。2003年8月26日に艦尾部分がブレスト工廠で起工、2004年5月5日にアルストム=アトランティーク造船所で艦首部分が起工された。その後、艦体はブレスト工廠で組み立てられて2005年7月26日に進水。2007年8月1日に就役し、トゥーロン軍港に配備された。

2008年12月12日リモージュと命名都市の関係を結ぶ。

2007年4月10日から7月24日にかけて大西洋カリブ海方面で遠洋試験航海が実施される。トゥーロンを出港後、4月21日サンピエール島・ミクロン島に、4月23日から4月27日までカナダハリファックスに、4月30日から5月7日までアメリカ合衆国ノーフォークに、5月25日から5月28日までフォール=ド=フランスに、6月8日から6月13日までブラジルリオデジャネイロに、6月25日から6月30日まで南アフリカ共和国ケープタウンに、7月14日から7月17日までセネガルダカールに寄港し遠洋試験航海を終えた。

2007年10月16日NATO主催のノーブル・ミダス演習(Noble Midas)に参加した。スペイン海軍空母プリンシペ・デ・アストゥリアス」」、空母「イラストリアス」、イタリア海軍の揚陸艦「サン・ジョルジョ」「サン・マルコ」など40隻の水上艦艇、5隻の潜水艦、20機の航空機が、仮想国家メイプルランドMapleland)の混乱とそれに波及するアドリア海近隣国での混乱を食い止めるため、平和維持活動を行なう内容であった。

2008年1月9日から4月19日までコルンベ92任務(Corymbe 92)に参加し、西アフリカ諸国を訪問する。1月18日から1月23日までセネガル・ダカールに、1月25日から1月27日までギニアコナクリに、1月29日から2月7日まで海上における麻薬密輸防止活動を実施した。2月4日から2月7日まで再びダカールに、2月19日から2月25日までトーゴロメに寄港し、トーゴ軍と内乱発生時を想定した演習を実施した。3月2日と3日はダカールに、3月9日から3月19日までカメルーンリンベfr:Limbé)に、3月14日と15日はサントメ・プリンシペサントメ島に、3月17日から3月24日までガボンリーブルヴィルに、3月27日と28日はコンゴ共和国ポワントノワールに、4月10日から4月13日までダカールに寄港して帰路につく。

2008年5月9日から5月12日までアンヴィル08演習(ANVIL 08)に参加。同じフランス海軍の揚陸艦「フードル」、通報艦」「コマンダン・デュキン」やフランス陸軍第6軽機甲旅団を交えての水陸両用作戦訓練を行なった。9月18日にトゥーロンを出港し、9月22日から9月27日までポルトガルリスボンに寄港し、29日と30日にラ・ロシェルにおいて第1戦闘ヘリコプター連隊のヘリコプターと協同訓練を、10月6日から10月17日までイギリス海軍ベルギー海軍オランダ海軍と合同演習を行なう。

2009年1月12日にトゥーロンを出港し、2月3日から2月15日までアメリカ軍主催のCOMPTUEX演習(COMPTUEX)に参加。リトルクリーク海軍水陸両用基地に寄港後、第5艦隊の強襲揚陸艦「バターン」などと水陸両用訓練を行なう。同年5月1日にインド洋にて活動中のところ、ソマリア東沖約450海里付近にて2隻のボートを伴った海賊の海上拠点をスウェーデンの航空機が発見し、翌朝に「トネール」は出動しこれを強襲・破壊して容疑者11名を拘束する[1]

2013年5月15日ジャンヌ・ダルク・グループを編組してアタランタ作戦に参加中の駆逐艦ジョルジュ・レイグ」と共に任務を終了する[2]

2021年3月30日、南インドコチに入港[3]。4月5日からはインド洋で、インド海軍のほか日本海上自衛隊アメリカ海軍オーストラリア海軍との合同訓練「ラ・ペルーズ」に、同じフランス海軍のフリゲートシュルクーフ」とともに参加した[4]。その後、2隻は北朝鮮による禁輸破りの監視[5]や訓練のため日本近海に来航。5月5-7日は沖縄県の米海軍ホワイト・ビーチ地区沖に停泊[6]。5月11~17日に九州で日米豪との合同演習「アーク21」を実施し、同18日にホワイト・ビーチ地区に寄港した[7]

脚注[編集]

  1. ^ The Voice of Russia「ソマリア海賊 仏艦が海上拠点破壊 11人拘束」[リンク切れ]2010年5月2日
  2. ^ EU NAVFOR Force Commander Bids Farewell To French Navy Ships Tonnerre and Georges Leygues As They Complete Their Counter Piracy Patrols
  3. ^ EU 安保で対中シフト/インド太平洋戦略/拡張警戒 艦船派遣も視野「経済重視」見直し『読売新聞』朝刊2021年4月21日(国際面)にあるインド海軍Twitter写真より。
  4. ^ 初の5か国実施 海自も参加の多国間訓練「ラ・ペルーズ」フランスが主催のナゼ 乗りものニュース(2021年4月7日)2021年5月22日閲覧
  5. ^ 「瀬取り」を含む違法な海上活動に対するフランスによる警戒監視活動 日本国外務省(2021年5月6日)2021年5月22日閲覧
  6. ^ 「ホワイトビーチに仏艦船 海自との共同訓練参加」琉球新報DIGITAL(2021年5月8日配信)2021年5月22日閲覧
  7. ^ 日米豪仏共同訓練(ARC21)について 海上自衛隊海上幕僚監部(2021年5月11日)2021年5月22日閲覧

外部リンク[編集]

関連項目[編集]