トゥールビヨン (時計)

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トゥールビヨン付柱時計(上部の部品)

トゥールビヨンTourbillon )とは機械式時計に搭載される機構の一つで、機械式時計の姿勢差を克服するために発明された特殊な脱進器(エスケープメント)のことである。「ツールビロン」「タービロン」とも呼ばれる。アブラアン・ルイ・ブレゲにより発明された。

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[編集] 概要

理想的な機械式時計は、どの向きで置いても狂い方は同じである。しかし実際には部品の精度(主に重さのバランス)に限界があり、重力の影響を受ける。すると、置き方によって狂い方に違いが出てくる(具体的には12時を上にしたときと6時を上にしたときで狂い方が異なる等)。このような、時計の置き方による精度の狂いを「姿勢差」と呼ぶ。

トゥールビヨンは、4番車の上にガンギ車とアンクル、テンプ一式を取り付け、脱進器全体が回転(通常1分間に1回転)することにより、垂直方向の姿勢差を分散(平均化)させてこの問題を解決するものである。

この機構は部品の点数が多い、各部品を極めて軽くかつ高精度に作らなければならない、微妙な調整が必要で組み立てに高度な技術を要求される、1本製作するのに長い時間がかかるなどの理由で価格は高額になる。そのため「機械式時計の最高峰」などという文言で表されることもある。

[編集] 歴史

トゥ-ルビヨン搭載の懐中時計 (18世紀ブレゲ)

ブレゲがトゥールビヨンを発明した時期ははっきりしないが、1801年6月26日にトゥールビヨンの特許を取得している。

その時代はまだ腕時計が登場する前であり、携帯用の時計とは懐中時計のことであった。懐中時計は携帯中でもほぼ同じ姿勢が保たれるため、姿勢差の補正は有効に働いた。

初めてトゥールビヨンを腕時計に搭載したのはフランスブランドのLIPで1930年のことである。その後姿勢差減少を目的に1947年オメガ1948年パテックフィリップが相次いで開発し、天文台コンクールに出品したが成績は芳しくなく、主流はテンプの大径化や高振動化に向かった。さらに、60年代末からのクォーツショックにより機械式時計とともに衰退してしまった。

現代のトゥールビヨン

1983年に時計ブランドとしてのブレゲ(当時はショーメがブレゲのブランドを所有していた)がトゥールビヨン腕時計を復活させて以降、1980年代後半からの機械時計ブームに乗って「見せるため」の高級機構として復権を果たした。このころには「製造できる時計師は世界で10人しかいない」等と言われ、製造・販売できるのは一部の高級時計メーカーに限られた。

腕時計は生活の中で姿勢が3次元的に変化するので、実用的にはトゥールビヨンの必要性は低い。それでもメーカーは自社製品群のフラッグシップモデルにトゥールビヨンを搭載することで技術を誇示する狙いがあった。

近年になって多数のメーカーが製作するようになり、1992年には矯大羽がアジア人で初めてトゥールビヨン腕時計を作成、バーゼル・フェアで発表した。

2000年頃からは香港で量産されるようになり、10万円未満で入手可能になるなど大衆化が進んでいる。

[編集] 関連項目

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