トゥシャール多項式

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数学において、Jacques Touchard (1939) によって研究されたトゥシャール多項式(トゥシャールたこうしき、: Touchard polynomials)あるいは指数多項式(exponential polynomials)[1][2][3] とは、次で定義される二項型英語版多項式列のことを言う。

T_0(x) = 1,\qquad T_n(x)=\sum_{k=1}^n S(n,k)x^k=\sum_{k=1}^n
\left\{\begin{matrix} n \\ k \end{matrix}\right\}x^k, \quad n > 0.

ただし S(n, k) は第二種スターリング数、すなわちサイズが n の集合を k 個の互いに素な空でない集合に分割する組合せの数を表す(上の第二式に現れる大括弧の記号 { } はドナルド・クヌースによって導入された)。n次トゥシャール多項式の 1 における値は n 番目のベル数、すなわち、サイズ n の集合を分割する組合せの数である。すなわち

T_n(1)=B_n

である。

X を、期待値が λ であるようなポアソン分布を伴う確率変数とすると、その n 次モーメントは E(Xn) = Tn(λ) で、次が定義される。

T_{n}(x)=e^{-x}\sum_{k=0}^\infty \frac {x^k k^n} {k!}.

この事実より、この多項式列二項型英語版であることが直ちに示される。すなわち、次の等式が成り立つ。

T_n(\lambda+\mu)=\sum_{k=0}^n {n \choose k} T_k(\lambda) T_{n-k}(\mu).

トゥシャール多項式は、すべての多項式の第一次数の項の係数が 1 であるような二項型の多項式列のみを作る。

T_{n+1}(x)=x\sum_{k=0}^n{n \choose k}T_k(x).

トゥシャール多項式は、ロドリゲスの公式に似た次の公式を満たす。

T_n \left(e^x \right) = e^{-e^x} \frac{d^n}{dx^n}\left(e^{e^x}\right)

トゥシャール多項式は、次の漸化式

T_{n+1}(x)=x \left(1+\frac{d}{dx} \right)T_{n}(x)

および

T_{n+1}(x)=x\sum_{k=0}^n{n \choose k}T_k(x)

を満たす。x = 1 の場合、これはベル数に対する漸化式に帰着される。

陰記法 Tn(x)=Tn(x) を用いることで、これらの公式は次のようになる。

T_n(\lambda+\mu)=\left(T(\lambda)+T(\mu) \right)^n .
T_{n+1}(x)=x \left(1+T(x) \right)^n.

トゥシャール多項式の母関数

\sum_{n=0}^\infty {T_n(x) \over n!} t^n=e^{x\left(e^t-1\right)}

である。これは第二種スターリング数の母関数に対応し、[1] においては指数多項式と呼ばれている。周回積分の表現を使えば

T_n(x)=\frac{n!}{2\pi i}\oint\frac{e^{x({e^t}-1)}}{t^{n+1}}\,dt

となる。トゥシャール多項式(そして関連するベル数)は、上の積分の実部を用いて、非整数次の次の形に一般化することが出来る。

T_n(x)=\frac{n!}{\pi} \int^{\pi}_0 e^{x \bigl(e^{\cos(\theta)} \cos(\sin(\theta))-1 \bigr)} \cos \bigl(x e^{\cos(\theta)} \sin(\sin(\theta)) -n\theta) \, \mathrm{d}\theta

参考文献[編集]

  1. ^ a b Roman, Steven (1984). The Umbral Calculus. Dover. ISBN 0-486-44139-3. 
  2. ^ Boyadzhiev, Khristo N.. “Exponential polynomials, Stirling numbers, and evaluation of some gamma integrals.”. arxiv. 2013年11月23日閲覧。
  3. ^ Brendt, Bruce C. “RAMANUJAN REACHES HIS HAND FROM HIS GRAVE TO SNATCH YOUR THEOREMS FROM YOU”. 2013年11月23日閲覧。