デメニギス科

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デメニギス科
Opisthoproctus soleatus.png
Opisthoproctus soleatus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 原棘鰭上目 Protacanthopterygii
: ニギス目 Argentiniformes
亜目 : ニギス亜目 Argentinoidei
: デメニギス科 Opisthoproctidae
英名
Barreleyes, Spookfishes
下位分類
本文参照

デメニギス科学名Opisthoproctidae)は、ニギス目に所属する魚類の分類群の一つ。中層遊泳性の深海魚のみで構成されるグループで、デメニギスなど少なくとも6属11種が含まれる[1]

分布・生態[編集]

デメニギス科の魚類はすべて海水魚で、太平洋インド洋大西洋などの熱帯から温帯域にかけての深海に広く分布する[1]海底から離れた中層を不活発に漂い、ほとんどの種類では水深1,000mまでの中深層が生息範囲となっている[1][2]

本科魚類の食性は深海魚としては独特であり、クラゲなどゼラチン質浮遊生物を主な餌としている[3][4]。デメニギス類の口は一般に小さく、顎には細かい歯が無数に並んでいる[4]。浮遊するクラゲをついばむように食べる習性を反映しているとみられ、腸管も長くなっている[4]。ゼラチン質生物を専食する性質は、近縁のミクロストマ科(ソコイワシ亜科)・セキトリイワシ科とも共通する特徴である[4]

形態[編集]

クロデメニギス(Winteria telescopa)。望遠鏡のように突き出した管状眼は、本科魚類の最大の特徴である

すべての種類が管状眼をもつ[2]。管状眼が向く方向は属によって異なり、上方を向いたデメニギス属・クロデメニギス属・Opsthoproctus 属、前方向きのヒナデメニギス属・ムカシデメニギス属の他に、中間的な位置を示すヨツメニギス属に分かれる[2]。体はやや側扁し、細長いものから体高の高いものまでさまざま。ほとんどの仲間は浮き袋を欠く[1]

一部の種類は発光器をもち、発光バクテリアによる共生発光を行う[1]Opisthoproctus 属の発光器は肛門の近くに位置し、半透明になった筋肉を反射板のように利用して、腹部全体を光らせることができる[2][3][5]。ヒナデメニギス属の一部がもつ発光器は眼の近くにあり、視野の拡大に寄与するとみられる[2]

胸鰭の基底部は体の側面に位置し、近縁のニギス科との鑑別点となっている[1]に棘条はなく、背鰭・臀鰭はそれぞれ8-17本・6-14本の軟条で構成される[6]。脂鰭をもつ種類もある[1]前頭骨は癒合する一方、頭頂骨は正中線で癒合しない[1]。鰓条骨は2-4本[1]

分類[編集]

デメニギス科にはNelson(2006)の体系において6属11種が認められている[1]。本稿では、FishBase[6]に記載される7属16種についてリストする[6]

ブラウンスポットスプークフィッシュ(Dolichopteryx longipes)。細長い体と伸長した鰭が特徴で、水深2,700mからの採集記録がある[2]
ムカシデメニギス(Bathylychnops exilis)。体長50cmに達することもある本科中の最大種[6]
ミロベリー(Opisthoproctus grimaldii)。大西洋の熱帯域で一般的な種類
  • クロデメニギス属 Winteria
    • クロデメニギス Winteria telescopa
  • デメニギス属 Macropinna
  • ヒナデメニギス属 Dolichopteryx
    • キタヒナデメニギス[7] Dolichopteryx parini
    • ヒナデメニギス[7] Dolichopteryx minuscula
    • ブラウンスポットスプークフィッシュ[2] Dolichopteryx longipes
    • Dolichopteryx anascopa
    • Dolichopteryx binocularis
    • Dolichopteryx brachyrhynchus
    • Dolichopteryx pseudolongipes
    • Dolichopteryx rostrata
    • Dolichopteryx trunovi
  • ムカシデメニギス属 Bathylychnops
    • ムカシデメニギス Bathylychnops exilis
  • ヨツメニギス属 Rhynchohyalus
    • ヨツメニギス Rhynchohyalus natalensis
  • Ioichthys
    • Ioichthys kashkini
  • Opisthoproctus
    • ミロベリー[2] Opisthoproctus grimaldii
    • バーレルアイ[2] Opisthoproctus soleatus

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j 『Fishes of the World Fourth Edition』 p.191
  2. ^ a b c d e f g h i 『海の動物百科2 魚類I』 p.50
  3. ^ a b 『深海生物図鑑』 p.122
  4. ^ a b c d 『Dee-Sea Fishes』 p.122
  5. ^ 『Deep-Sea Fishes』 p.57
  6. ^ a b c d Opisthoproctidae”. FishBase. 2010年7月11日閲覧。
  7. ^ a b 日本産魚類の追加種リスト”. 日本魚類学会. 2010年7月11日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]