デット・ノルスケ・ベリタス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
デット ノルスケ ベリタス
Det Norske Veritas AS
ロゴ
種類 自主独立団体
略称 DNV
本社所在地 本社:ノルウェーオスロ
Veritasveien1,N-1322 Hoevik, Norway
日本本部:
651-0087兵庫県神戸市中央区御幸通4丁目2番20号 三ノ宮中央ビル
横浜支社:
〒231-0062神奈川県横浜市中区桜木町1-1-8日石横浜ビル
広島支社:
〒730-0052広島市東区光町1-12-6広島ビル7F
北九州支社:
〒800-0024北九州市門司区大里戸ノ上1-5-32 木村ビル
設立 1864年
業種 船級協会・第三者認証機関
事業内容 第三者認証機関
代表者 CEO ヘンリク・O・マドセン
資本金 890億円(2007年12月現在)
売上高 1,411億円(2008年12月現在)
従業員数 10,135人(2012年3月現在)
外部リンク www.dnv.jp
テンプレートを表示
DNV本部建物郡(ノルウェー・オスロ/空撮)

デット・ノルスケ・ベリタス(Det Norske Veritas AS 略称:DNV)は、ノルウェーオスロに本部を置く自主独立団体。140年に渡るリスクマネジメントの先駆的企業として知られ、認証サービス・船級サービス・アセスメントサービスを提供する第三者機関である。日本本部は神戸市中央区。近年、コーポレートステートメントとしてGlobal impact for a safe and sustainable future を掲げる。ノルウェー王国名誉総領事館(在神戸/大阪)を兼館。2013年9月12日、ジャーマニッシュ・ロイドを買収し、DNV GLグループが誕生。

概要[編集]

「生命・財産、環境の保護(To safeguard life,property,and the environment)」を企業理念に掲げ1864年に設立されたノルウェーオスロに本部を置く自主独立財団。自主独立財団とは、第三者機関(Third Party)としての公平性・中立性を保つため、いかなる経済的影響(株主を持たず)・政治的影響を受けない強固な団体のことを指す。 自主独立財団であることから、利害関係が一切発生せず、すべてのプロフィットは、すべて研究開発へと投資されている。そのため、従業員は高度な専門性と資格を有する集団として、サービスを提供することが可能となっている。

140年間続くあらゆるリスクマネジメントに関する様々な活動を行う先駆的国際機関として、世界中で知られている。世界100ヶ国以上、300の事務所、85もの様々な国籍を持つスタッフが船級、認証及びコンサルティングの各分野でサービスを提供する。

ホールディングカンパニーとして3つの独立した企業群を傘下に置く。

1.DNV Business Assurance:本部イタリア・ミラノ
2.DNV KEMA Energy & Sustainability:本部オランダ・アーネム
3.DNV Maritime and Oil & Gas:本部ノルウェー・オスロ

技術コンサルティングサービスにおいては、米南部メキシコ湾にて発生した2010年メキシコ湾原油流出事故(Deepwater Horizonでの原油流出事故)に関してアメリカ政府より依頼を受け、調査及び改善アセスメントを実施した。

船級サービスは、ノルウェー船級協会として、世界の4大協会の一角を占める。また認証サービスは、世界で75,000件の実績で世界のトップ3として存在する。


地球温暖化対策として注目を集める温室効果ガス関連の第三者機関としても、世界のトップシェアを占めている。CDM(Clean Development Mechanism:クリーン開発メカニズム)は世界の50%のシェア、JI(Joint Implementation:共同実施)においても世界40%のシェアを獲得している。 近年、モルガン・スタンレーと共同で、国際基準に基づく監査・償却サービス「排出権バンク(carbon Bank)」を設立し提供している。

また、高品質のサービスを提供する船舶燃料検査(VPS)は、世界の75%を占めるという圧倒的シェアを誇り、ソフトウェア(DNV software)サービスは、動的解析ソフトの分野で、その先進的な技術は評価が高い。

新エネルギー関連業務に関しても多くの実績を残している。 30%の液化天然ガス(LNG)のターミナルプロジェクトをサポートし、また世界のオフショア(洋上)風力発電プロジェクトの認証と検証の75%をDNVが行っている。

2004年から赤十字(RED CROSS)との人道支援のパートナーシップを開始。各プロジェクトへの財政支援や、DNVの専門分野であるリスクマネジメントやコンティンジェンシー・プランニング不測事態対応計画)において、彼らをサポートしている。未だ多くの民族が水の確保に苦しんでいるケニアでのプロジェクト、津波災害後のインドネシア中国ベリーズの地域で「安全で衛生的な水の提供に関する」プロジェクトに参画。2009年度はベトナムでの活動を行った。

2005年、欧州品質管理財団~en:EFQM~のグローバルリスクマネジメント共同研究者として、 EFQM と共に新しい「リスクマネージメントのためのEFQMのフレームワーク」を開発。 このフレー ムワークはリスクマネージメントにおける長所とビジネスの長所をさらに伸ばし、そして統合するために使われている。

また企業の社会的責任に関するISO ガイド(ISO26000)に関するエキスパートとして任命を受け ており、同じくSAI によってSA8000 認証可能な認証機関として世界で最初の認定を受ける。 また、GRI(Global Reporting Initiative)の出資者でもあり、財務、ロジスティック等、多くの作業 部会メンバーとしても活動を続けている。

1999年から、「持続可能な開発のための経済人会議」(WBCSD)のメンバーであり、また、「国連グローバル・コンパクト」(GC)にも調印している。我々の目的である「生命、財産、環境の保護」と共 に「持続可能な製品とシステムに向けての職務」を顧客に約束している。

環境指標に関するUNEP(国際連合環境計画) Finance Initiative ワーキンググループの共同議長職を担当。

略称としては、DNVとアルファベットを並べることが多い。船級サービスでは古くからNVと呼称されている。

社風[編集]

北欧スカンジナビアンの国柄が示すように、「ワーク・ライフ・バランス」を重んじている。またノルウェーにおいても屈指の企業であることから、リーディングカンパニーとして社員のクオリティ・オブ・ライフを積極的に支援する。北欧で顕著である男女共同参画社会は、社風でも生きており、様々な支援が整っている。環境配慮に関しても同様であり、2007年度から「WE project」と称するプロジェクトを開始、社員が環境に 配慮した製品を購入すると、その2/3を補助するという運動を始めている。そのために計上された年間予算は40Million NOK (日本円換算8億円)である。また、ノルウェーは、2006年から企業の取締役会における女性管理職の割合を40%以上と定める法律(クォータ制)を導入しており、DNVにおいても実施されている。

オスロ本部は、ノルウェーフィヨルド沿岸に面しており、港湾を所有している。夏場はヨットやボート等の小型船舶で通勤してくるものも少なくない。

採用に関して、日本の場合、基本的に実務経験を十分に積んだ中途採用が主流で、10年前後各分野で秀でた業績を有した者のみを取るという方針がメインストリームである。


沿革[編集]

DNVの歴史は古く、1687年ノルウェー(当時デンマーク支配下(クリスチャン5世時代))が初の法典Norske Lov」を発布した際、ここに既に船舶保険に関する法律の記述があり、DNV発足の起源とされている。

1864年6月14日、ノルウェー保険業界からの強い要望を受け、ノルウェー船級協会Det Norske Veritasが設立される。設立の目的は

  • 船主はリスクを減らすため保険の必要性
  • 船舶保険業界は、リスクを測定するための基準を策定する団体の必要性
  • 保険業界は、その基準が妥当なものかを審査し承認する団体の必要性

とされた。

1969年、ノルウェーとイギリスの間の北海Ekofisk fieldにて、大規模な油田が発見されたことにより、DNVは石油・天然ガス分野の安全管理業務に進出。その採掘から輸送、管理にいたるあらゆる工程で安全に業務が遂行するための重要な役割を担う。このプロジェクトはノルウェー国営企業との共同作業で、リスクアセスメントの共有、リスク分析、業務のコントロール等の手法を実施していくことになる。

1977年、船級業界ではDNVのノウハウや経験を生かした、海上機器設備(Offshore)のルールを策定を遂行、実施。このルールの先進性が認められ、長年の間、国際標準基準として広く受け入れられ、用いられることになった。海上設備機械のみならず、石油輸送の海底パイプラインについての基準についてもDNVは様々なルールを策定。世界のデファクトスタンダードを推進する団体として、パイプラインの疲労分析手法の開発等、大きな力を発揮した。

1984年、船級業務及び認証業務の従来の業務に加え、アドバイザリー機関を設立することを決定。この機関は、独立しており、安全及び品質保証活動団体として位置づけられた。

1988年にDNVオランダとDNVイギリスは、共に、認証機関として承認され、マネジメントシステム認証業務を開始。DNVのリスクマネジメントの実績に基づいた質の高い審査業務は高く評価され、わずか15年で20億円の成長を見込むサービスへと成長した。

1995年、2000年問題についての分析で、コンサルティング業務に従事。2000年問題自体大きな被害は起こらなかったが、その過程で培われたリスクマネジメント手法や、モデル分析、経験は今後の活動に大きく貢献が期待される。

1998年、GHGに関する審査及び認証が承認され、Climate Change Sservicesサービス開始。

1999年、DNVは、スウェーデンのSAQを買収し、スウェーデンにおいてNO.1のマーケットシェアを誇る認証機関となった。 この年には、マネジメントシステム認証件数は、25000件に上り、認証サービスにおいても世界のリーディングカンパニーとして知られることになった。

2000年、イギリスにおけるエミッショントレーディングスキームでのCO2測定審査を取得。

2003年、全世界認証件数は全世界で45000件を超える。20以上の団体から80の認証承認資格を持つ世界有数の国際的機関へ。同時に、CSRサービスや風力サービスなど、新しい分野でもサービス提供を開始。

2007年には全世界認証件数は全世界で50,000件を突破。従業員数も7,000人を超える。 2008年現在、全世界認証件数は全世界70,000件、従業員数8,000人。 2012年現在、全世界認証件数は全世界75,000件、従業員数10,000人。

業務内容[編集]

認証サービス (DNV Business Assurance,Japan)[編集]

マネジメントシステム認証の認証機関として、第三者認証サービスを提供する。ISO認証機関としても知られているが、二者監査、エンタープライズ・リスクマネジメント(ERM)、気候変動サービス等、第三者機関としての認証サービスを幅広く展開する。 Business Assuranceとしては認証サービスは大きく分けて4つのカテゴリーから成る。各種ISO認証などを扱う「リスクアプローチ監査」サービス、京都議定書(kyoto Protocol)に基づいた「地球温暖化対策」サービス、近年その重要度が増している「企業統治(Corporate Governance)と社会的責任(CR)」サービス、内部監査員養成のための「トレーニング」サービスである。

リスクアプローチ監査 (Risk Based Certification)[編集]

マネジメントシステム監査時に、監査の焦点を組織にとって最も重要な課題に合わせる手法。ISO規格への適合性のチェックに加え、組織を取り巻くリスクを見つけ出し、どう対処しているかを確認する。

  • 組織にとって重要な部分に焦点を当てる。
  • 改善の機会を組織と協同で見つけていく。
  • 追加コストを発生させない
  • ISO規格への適合性も同時に検証する。

企業統治と社会的責任 (CR&Corporate Governance)[編集]

DNVが提供するCRアセスメントは、リスク管理について、厳格かつ一貫した手法で評価するようにデザインされている。

プロトコルは、

  • 国際会議(ILOUNなど)の主要な項目に対応。
  • 国際的な原則をカバー。(例:UN Global Compact)
  • Global Reporting Initiative 2006 (GRI G3)のパフォーマンス指標とも比較可能となっている。

投資家や、より幅広いステークホルダーとのコミュニケーションに役立つツールとの評価も高い。SRIインデックス(Socially Responsible Investment Index:CR活動で一定 の水準を満たした企業のみで構成する株価指数)の銘柄に選定されるための、CRパフォーマンスに関する質問書への回答をサポートしている。

トレーニング/研修 (training)[編集]

気候変動サービス (Climate Change Services)[編集]

世界全体に展開する温室効果ガス関連の第三者機関のトップに位置する。気候変動関連認証実績で世界第1位(CDM Validation実績世界シェア50%、JI Determination実績世界シェア40%以上)。世界で最も早く、CDM有効化審査を行う第三者機関(DOE)として2004年3月に認定を受け、現在ではほとんどの分野での審査を認められている(2007年9月現在)

DNVの気候変動関連サービスの特徴は以下のように纏められる。

  • 温室効果ガスの検証、認証及び業界の広範な知識をもつ有資格社員を多くの国に配置
  • 財務監査の厳格さと技術的・環境的専門性と結び付けたリスクベースアプローチによる監査システムを構築
  • UNFCCC(国連気候変動枠組条約)認定システムにおける運営機関(OE)としての認定を取得
  • アメリカカリフォルニア州気候活動登録所に承認されている認証機関
  • イギリス排出量取引制度・欧州連合域内排出量取引制度においてGHG排出量の独立検証機関として認定取得
  • 世界銀行PCFなど国際的な組織、政府、業界の多くのプロジェクトで当社の温室効果ガスにおいて検証及び認証のエキスパートが活躍

主な取引企業はBPシェルグラクソ・スミスクラインラファージュテスコロールス・ロイスブリティッシュ・エアウェイズシェブロンテキサコエレクトラベルen:Electrabel)、バッテンフォール 等。

アドバイザリーサービス (DNV Advisory)[編集]

技術コンサルティングサービス。米南部メキシコ湾にて発生したメキシコ湾原油流出事故(Deepwater Horizon oil spill)での原油流出事故に関してアメリカ政府より依頼を受け、調査及び改善アセスメントを実施。


船級サービス (DNV Maritime)[編集]

船舶やオフショア(沖合の意)装置の設計、製作、運航稼動において船級規則の要求を満たしているかどうかを検査する。船級規則は、膨大なDNV船級船隊から蓄積された経験、研究開発及びほぼ140年にわたる経験に基づいて作成され、確認審査される。

船級サービスは大きく分けて6つのカテゴリーから成る。
船舶の検査を行なう「船級」サービス、設備の検査を実施する「材料・設備機器検査」サービス、燃料の品質分析をする「船舶燃料検査(VPS)」サービス、海事における評価や対策、リスク対策等を総合的に提供する「海事ソリューション」サービス、動的シミュレーション、解析を行なうソフトを開発/提供する「ソフトウェア」サービス、各種「トレーニング」サービス である。

船級サービス[編集]

1864年の設立以来、DNVの成長を支えてきたコアとなる事業。「品質」「利益」「規模」において世界をリードする船級協会をめざすという目標を掲げる。「品質」を最重要視することで、ポートステートコントロール(PSC)による改善命令率が最も優れている船級協会のひとつとしての地位を築いている。 世界4大船級の一角を占め、総トンベースで16%のシェアを誇る。 主な事業は

  • 事前設計評価
  • 材料・設備機器検査
  • 新造船登録検査
  • 就航船検査

マリタイムソリューション[編集]

経営マネジメントや最先端テクノロジーに関するコンサルティングによって顧客の可能性を最大限発揮できるように支援する。


ロゴマークについて[編集]

DNVのロゴマークは、DNVの設立の礎を成す(ship)を表す「(anchor)」のマークと 公平性や中立性を表す「天秤(libra/balance)」のマークから構成されている。 またコーポレートカラーである「青」(DNV blue)は、海洋国ノルウェー と切り離せない海を表し、「緑」は、企業理念でもある環境/自然を守ることをシンボライズしている。

このロゴは、すべてのDNVのブランドイメージの核となっており、 ロゴと併記される「Managing Risk」は、DNVが顧客の皆様に提供するあらゆるサービスのキーワードとなっている。

他の国でのDNVの活動[編集]

イタリア[編集]

DNVイタリアは、ISOの認証シェアにおいて、イタリア全体約3割を占めている。DNVイタリアでは、Reptation Serveyや、二者監査、製品認証等のサービスも提供するなど、認証制度がリスクマネジメントのツールとして積極的に活用されている。またイタリアの高級自動車メーカーに対して、リスクアセスメントおよびトレーニングサービスを通して、生産現場における労働安全衛生を飛躍的に改善に貢献している。

インド[編集]

インドでは、認証サービスにおいて多くのITサービス企業とパートナーシップを組む。SWITCHと呼ばれるインドの六大IT企業の中で、インフォシス・テクノロジーズ,ウィプロタタ・コンサルタンシー・サービシズが該当する。

中国[編集]

中国において、DNVは大きなシェアを持つ。特にICT関連規格においては圧倒的なシェアを持ち、その顧客には、国営企業や大企業も多い。

外部リンク[編集]

リファレンス[編集]