デスマーチ

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デスマーチdeath march)とは、戦時に苛烈な状況で行われる、健康や生命をかえりみない行進、行軍のこと。これに参加するのは多くの場合囚人捕虜であり、しばしば多数の死者を出す。死の行進死の行軍等と訳される。

転じて、過酷な状況にある労働環境を、特にソフトウェア産業における過酷な状況にあるプロジェクトを指すこともある。

目次

[編集] 第二次世界大戦のデスマーチ

この語が最初に使用されたのは、1944年-5年の冬にナチス・ドイツによって行われた囚人(ほとんどはユダヤ人であった)の強制移動に対して歴史家が名付けたもので、前線の迫った強制収容所の破棄にあたって何千もの囚人が他の収容所やドイツ領内へ移動させられた。w:Death marches (Holocaust)参照。また、ソ連等によるドイツ人追放にもデスマーチが見られた。

[編集] ソフトウェア産業でのデスマーチ

ソフトウェア産業において、デスマーチとは、長時間の残業・徹夜・頻繁な休日出勤といった、プロジェクトメンバーに極端な負荷を強い、しかも成功の可能性が薄いプロジェクトを主に指す。プロジェクトが死に向かって過酷な状況でメンバーが行進する、という意味で「デスマーチ」と呼ばれる。メンバーに心身ともに強い負担が生じるため、急激な体調不良、離職、開発の破棄ともとれる中途半端な状態での強引な納品、最悪の場合には過労死自殺に至る危険性を孕んでいる。その発生要因は主に、プロジェクトに対するマネジメント(プロジェクトマネジメント)が不適切であることとされている。

「デスマーチ」という言葉を広めたのは、エドワード・ヨードンであると言われている。ヨードンは、その著書「デスマーチ:なぜソフトウエア・プロジェクトは混乱するのか」で、デスマーチの定義を「プロジェクトのパラメータが正常値を50%以上超過したもの」もしくは「公正かつ客観的にプロジェクトのリスク分析 (技術的要因の分析、人員の解析、法的分析、政治的要因の分析を含む) をした場合、失敗する確率が50%を超えるもの」としており、具体的には以下のいずれかに該当するものと定めている。

  1. 与えられた期間が、常識的な期間の半分以下である
  2. エンジニアが通常必要な人数の半分以下である
  3. 予算やその他のリソースが必要分に対して半分である
  4. 機能や性能などの要求が倍以上である

デスマーチの状態は簡単には解消しないため、長時間残業が常態化することによってデスマーチを当たり前のように感じ、そのためデスマーチを肯定する思考回路が出来上がって一向にデスマーチがなくなる努力をしない負の循環が生まれる。 またこの状況下に陥ると、あたかも奴隷が自分の足かせの重りを自慢するかのように過酷な残業を自慢する傾向が見られる場合がある。

ソフトウェア産業におけるデスマーチは「デスマ」と略されることがあり、プロジェクトがデスマーチの状況に陥ることを「デスマる」と称することがある。

[編集] 参考文献

  • エドワード・ヨードン著 / 松原友夫・山浦常央訳, デスマーチ―なぜソフトウエア・プロジェクトは混乱するのか, シイエム・シイ(2001) ISBN 4-901280-37-6
  • エドワード・ヨードン著 / 松原友夫・山浦常央訳, デスマーチ第2版ソフトウエア開発プロジェクトはなぜ混乱するのか,日経BP社 (2006) ISBN 4-8222-8271-6

[編集] 関連項目