デイヴ・ロンバード

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デイヴ・ロンバード
Dave Lombardo
イタリアにて(2014年5月)
基本情報
出生名 David Lombardo
生誕 (1965-02-16) 1965年2月16日(59歳)
 キューバハバナ
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州サウスゲイト
ジャンル ヘヴィメタル
スラッシュメタル
エクストリームメタル
クロスオーバー・スラッシュ
グルーヴ・メタル
ポスト・ハードコア
職業 ミュージシャンドラマー
担当楽器 ドラム
活動期間 1979年 - 現在
共同作業者 スレイヤー、グリップ・インク、ヴードゥーカルト、ファントマス、テスタメントアポカリプティカ、フィルム、デッド・クロス、スイサイダル・テンデンシーズミスフィッツ

デイヴ・ロンバードDave Lombardo1965年2月16日 - )は、キューバアメリカ人ロックミュージシャンドラマー

主に、スラッシュメタルバンドスレイヤーのメンバーとして知られる。ほか様々なグループに在籍し、自らもバンドを率いて活動した。

ローリング・ストーン誌選出「歴史上最も偉大な100人のドラマー」2010年版では第12位、改訂版の2016年版では第47位[1]

概要・略歴[編集]

生い立ち[編集]

キューバハバナで生まれ、2歳の時に、アメリカ合衆国カリフォルニア州サウスゲイトに移住する。8歳のとき、学校の発表会でサンタナのレコードに合わせてボンゴを叩いたことがきっかけとなり、学校のバンドでマーチングドラムを担当する。しかし、1年ほどで「自分に合っていない」と思い辞めてしまった。10歳のときには、父に350ドルのパールドラムセットを買ってもらう。同じ頃、キッスの『アライヴ!』を入手し、曲に合わせてドラムを練習するようになった[2]

1979年には自分のバンドを結成し、地元でプレイするようになった。1981年には、ピザの配達業で得た給料と父から借りた金で1100ドルのTAMA製ドラムを購入。そんな中、自宅の5区先にケリー・キングという名のギタリストが住んでいることを知り、彼に会いセッションを頼んだ。ケリーはこれを承諾し、その夜は自身のギター・コレクションを見せたという。この出会いがスレイヤー結成のきっかけとなった。

2022年3月、同年1月に脱退したジーン・ホグランの後任として、テスタメントへ正式加入したことを発表。ロンバードは1998年から1999年にも同バンドへ参加しており、アルバム『The Gathering』を発表している[3]

2023年5月5日、ドラムや打楽器を主体とした初のソロアルバム『Rites of Percussion』を発売[4]

演奏スタイル[編集]

基本的にはオールラウンダーで隙や弱点がない。異常なほど早い複雑怪奇なスティックワーク、繊細な音使い、非常に広いダイナミクスなどは、ジャズや黒人音楽を彷彿とさせる。また、旧式アイアンコブラの変態セッティングによる極悪な高速ツーバスもトレードマーク。トリガーシステムがなくても重厚で激しく、抜けがいい。

速い曲も遅い曲も、縦横無尽に演奏できるうえに、やや跳ね気味のリズムが持ち味。これにより、躍動感と生々しさが出る。スティックは軽めで振りやすいものを初期は使用していたが、最近は粘り気が強く、重めのスティックに変えている。

音楽活動[編集]

スレイヤーでは結成時よりドラムスを担当していたが、家庭の優先を理由に1986年に一時脱退する。この時はすぐに復帰したが、1992年の二度目の脱退後はスレイヤーとは完全に袂を分かち、翌年には自らのバンド、グリップ・インクを結成した。同バンドでは2004年までに4枚のアルバムを発表している。

また、1998年からは元フェイス・ノー・モアのマイク・パットンやメルヴィンズのバズ・オズボーンらとのプロジェクトのファントマスに参加。2005年までに4枚のスタジオ・アルバムと1枚のライブ・アルバムをリリースし、現在も活動中である。他にテスタメントアポカリプティカにも一時的に参加している。

古巣スレイヤーには2001年には脱退したポール・ボスタフの代役としてツアーに参加した後に、2006年に正式メンバーとして復帰した。

2012年5月、ポスト・ハードコア・バンド、フィルム (PHILM)の一員としてデビュー・アルバム『ハーモニック』を発表[5]。同作ではプロデュースも務めた。

2013年2月20日、スレイヤーから3度目の脱退。同年春、グリップ・インクの再始動に向けた準備中であることが発表された[6]

2014年6月、エイメンに加入したことが明らかになった[7]

2015年、ジャスティン・ピアソン(ザ・ロカスト)やマイク・クライン(リトックス)らと組んだプロジェクト、デッド・クロス (Dead Cross)を結成し、2017年にアルバム・デビュー[8]

2016年、掛け持ちでスイサイダル・テンデンシーズ[9]、再結成ミスフィッツにも籍を置く[10]

2022年3月、テスタメントに23年ぶりに復帰。

主な在籍グループ[編集]

使用機材[編集]

愛用のラディック製ドラムセット(2012年)

長年に渡りTAMAのドラムセットを愛用してきたが、2010年にDdrumに乗り換えた[11]。しかし、翌2011年の夏頃からはラディック社のセットを使用するようになった[12]

シンバルパイステ社、ドラムスティックはプロマークから出ているシグネチャーモデルを使用している。

脚注[編集]

  1. ^ 100 Greatest Drummers of All Time” (英語). Rolling Stone (2016年3月31日). 2022年5月16日閲覧。
  2. ^ http://www.promark.com/community/profile/330/
  3. ^ デイヴ・ロンバード、ジーン・ホグラン脱退を知り、すぐにテスタメントに連絡を入れる”. BARKS. 2022年3月6日閲覧。
  4. ^ 元スレイヤーのドラマー デイヴ・ロンバード、初ソロ作はドラム・アルバム 全曲公開”. amass.jp. 2023年5月5日閲覧。
  5. ^ スレイヤーのデイヴ・ロンバードが参加するポスト・ハードコア・バンドPHILM、デビュー作が日本でも発売に amass.jp 2012年5月23日
  6. ^ スレイヤーのデイヴ・ロンバード、グリップ・インクの再始動を語る amass.jp 2013年4月1日
  7. ^ 元スレイヤーのデイヴ・ロンバードがエイメン(AMEN)に加入 amass.jp 2014年6月11日
  8. ^ マイク・パットンやデイヴ・ロンバードら参加のバンド、8月にデビュー作をリリースすることを発表”. NME JAPAN (2017年5月8日). 2019年1月24日閲覧。
  9. ^ スイサイダル・テンデンシーズ、デイヴ・ロンバード(スレイヤー)加入後初のアルバム”. TOWER RECORDS (2016年8月15日). 2019年1月24日閲覧。
  10. ^ ミスフィッツ再結成に元スレイヤーのデイヴ・ロンバードが参加することが明らかに”. NME JAPAN (2016年8月30日). 2019年1月24日閲覧。
  11. ^ Dave Lombardo joins Ddrum artist roster
  12. ^ http://www.ludwig-drums.com/features/lombardo/index.php