ディートリヒ・ブクステフーデ

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ディートリヒ・ブクステフーデ
Dieterich Buxtehude
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基本情報
出生 1637年
デンマークの旗 デンマーク ヘルシンボリ?
死没 1707年5月9日 (70歳頃没)
ジャンル バロック音楽
北ドイツ・オルガン楽派
職業 作曲家
オルガニスト
担当楽器 オルガン
リューベック・聖マリア教会

ディートリヒ・ブクステフーデ(Dieterich Buxtehude, 1637年頃-1707年5月9日[1]は、17世紀の北ドイツおよびバルト海沿岸地域、プロイセンを代表する作曲家オルガニストである。声楽作品においては、バロック期ドイツの教会カンタータの形成に貢献する一方、オルガン音楽においては、ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンクに端を発する北ドイツ・オルガン楽派の最大の巨匠であり、その即興的・主情的な作風はスティルス・ファンタスティクス(幻想様式)の典型とされている。

生涯[編集]

一族の系譜[編集]

ブクステフーデの家系は、北ドイツ・エルベ河畔の都市ブクステフーデに由来し、13世紀から14世紀には、ハンブルクリューベック等のバルト海沿岸の諸都市に一族の名が現れるようになる。当時のバルト海沿岸地域は、ハンザ同盟によって経済的に密接な関係を有し、同一の文化圏を形成していた。人々の移動も活発で、ブクステフーデの祖先も16世紀初頭にはホルシュタイン公国のオルデスロー(現ドイツ、バート・オルデスロードイツ語版)に移住している[2]

祖父ディートリヒ・ブクステフーデ(生年不詳 - 1624年頃)は、1565年から1590年までオルデスローの市長を務める。父ヨハネス・ブクステフーデ(1602年 - 1674年)はこの地でオルガニストとして活動した後、1632年-1633年頃にスコーネ地方のヘルシンボリ(当時はデンマーク領)に家族とともに移り、当地の聖マリア教会のオルガニストに就任する。さらに、1641年にはズント海峡を越えて、デンマーク・ヘルセンゲアの聖オーラウス教会のオルガニストとなっている[3]

デンマーク時代(1637年 - 1668年)[編集]

ブクステフーデの出生に関する記録はほとんど残されていない。1707年7月、『バルト海の新しい読み物(Nova literaria Maris Balthici)』誌に掲載されたブクステフーデの死亡記事は、「彼はデンマークを祖国とし、そこから当地にやってきて、およそ70年の生涯を終えた」と伝えるのみである[4]。したがって、ブクステフーデは、1637年頃に父ヨハネスが活躍していたヘルシンボリで生まれたものと考えられている[5]。ブクステフーデが幼年期に受けた教育についても推測の域を出ない。おそらく父からオルガン等の音楽の手解きを受け、ヘルセンゲアのラテン語学校に通ったと考えられる[6]。ブクステフーデがドイツ語に加えて、デンマーク語も使用していたことは、ヘルセンゲア時代の日付の残る3通の手紙の存在から明らかである[7]

1658年、ブクステフーデはかつて父が在職したヘルシンボリの聖マリア教会のオルガニストに就任する。当時、デンマークとスウェーデンはバルト海の覇権をめぐって激しく争っており、1658年2月のロスキレ条約において、デンマークはヘルシンボリを含むスコーネ地方をスウェーデンに割譲する。ヘルシンボリは、この間、実際の戦闘に巻き込まれることはなかったが、両国への兵力の拠出と戦争に伴う経済の混乱によって大きく疲弊する[8]。ブクステフーデの声楽作品には、30年戦争の戦禍に苦しめられた17世紀ドイツの民衆に特有な心情が少なからず反映されているが、ブクステフーデ自身もまた青年期にこうした戦争体験を共有している[9]。一方、1662年、聖マリア教会のオルガンの修理がなされた際に、すでにヘルシンボリを離れていたブクステフーデに鑑定が依頼されたことは、当時すでにブクステフーデがオルガンの専門家として認められていたことを示している[10]

1660年、ブクステフーデはクラウス・デンゲルの後任として、ヘルセンゲアの聖マリア教会のオルガニストに就任する。ヘルセンゲアは、ズント海峡という交通の要衝に位置し、古くから経済的にも文化的にも栄えた町である。コペンハーゲンはここから真南に約45キロメートルと近く、ブクステフーデも1666年2月12日にコペンハーゲンを訪問している[11]。デンマーク王クリスチャン4世は宮廷音楽の発展に努め、続くフレデリク3世の時代には、イタリアやフランス音楽の新たな動向を吸収し、ヨーロッパでも有数の宮廷楽団が編成されていた[12]。当時の宮廷楽長カスパル・フェルスターは、ローマジャコモ・カリッシミに師事し、イタリアの音楽様式を北方に伝えた仲介者であり、ブクステフーデの声楽作品における直截的な感情表現には、フェルスターの影響が認められる[13]。また、スウェーデンの宮廷音楽家であり、ブクステフーデの作品の収集家として重要なグスタフ・デューベンとの関係も、この時期に始まったとされている[14]

リューベックのオルガニスト(1668年 - 1707年)[編集]

1667年11月5日リューベック聖マリア教会のオルガニストであるフランツ・トゥンダーが死去し、1668年4月11日、ブクステフーデがその後任に選出される。3段鍵盤、54ストップを備える聖マリア教会の大オルガンは銘器の誉れ高く、同教会のオルガニストは北ドイツの音楽家にとって最も重要な地位の1つとされていた[15]。1668年7月23日にはリューベックの市民権を得て、同年8月3日、トゥンダーの娘アンナ・マルガレーテと結婚する。この婚姻が就職の条件であったかどうかは不明であるが、当時としては珍しいものではなかった[16]

リューベックは、ハンザ同盟の盟主として隆盛を極めた都市である。1226年神聖ローマ帝国直属の自由都市となり、商人による自治が営まれていた。ブクステフーデが在職した聖マリア教会は商人教会であり、商人にとって礼拝の場であるとともに、会議を開催したり、重要書類を作成・保管する機関としても重要な役割を担っていた[17]。ブクステフーデは、オルガニストと同時に、教会の書記・財務管理を責務とするヴェルクマイスター(Werkmeister)に任命される。この職務には俸給が別途与えられ、一般にオルガニストが兼任するものとされていた。ブクステフーデは、教会における物資の調達、給与の支払、帳簿の作成等、ヴェルクマイスターの任務を忠実に果たす[18]。その仕事は膨大な骨の折れるものであったが、ブクステフーデは、こうした仕事を通して市の有力者との関係を築くこととなる[19]

一方、17世紀後半は、衰退しつつあったハンザ同盟が終焉を迎えた時でもあった。1669年のハンザ会議には9都市のみが参加し、事実上、最後の総会となる[20]。リューベックの経済的不振はブクステフーデの音楽活動にも影響を及ぼし、ブクステフーデの俸給は生涯を通じてトゥンダー時代のままに据え置かれた。また、聖マリア教会のオルガンは故障が多く、ブクステフーデは繰り返し当局に修理を要求したにもかかわらず、十分な修理は行われなかった[21]

聖マリア教会のオルガニストとしての職務は、毎朝の主要礼拝と日曜日など祝日の午後とその前日の夕方の礼拝時に、会衆によるコラールや聖歌隊の演奏を先導し、聖餐式の前後に音楽を演奏する程度であった[22]。ブクステフーデが音楽家としての手腕を発揮したのは、むしろ前任のトゥンダー時代に始まったアーベントムジーク(夕べの音楽:Abendmusik)においてである。ブクステフーデはこの演奏会の規模を拡大し、合唱や管弦楽を含む大編成の作品を上演するとともに、開催日時も三位一体節の最後の2回の日曜日と待降節の第2-4日曜日の午後4時からに変更した。アーベントムジークは入場無料ということもあって高い人気を博し、ブクステフーデの名声はリューベックを超えて広まる[23]。アーベントムジークの経済的負担は決して軽いものではなかったが、誠実なブクステフーデは市の有力者の理解と支援を得ることができた。市長ペーター・ハインリヒ・テスドルプフは、後年「亡きブクステフーデが私に天国のような憧れを予感させてくれた。彼は聖マリア教会におけるアーベントムジークに大いに力を尽くした」と語っている[24]

ブクステフーデは、大きな旅行をすることもなく、約40年にわたって聖マリア教会の職務を全うした。旅行の確実な記録は、ハンブルクの聖ニコラウス教会に設置されたアルプ・シュニットガー作のオルガンを鑑定するために、1687年に当地を訪問したことのみである[25]。しかしながら、ブクステフーデは、ヨハン・アダム・ラインケンヨハン・タイレクリストフ・ベルンハルトマティアス・ヴェックマンヨハン・パッヘルベル等、当時のドイツの主要な音楽家と関係をもっていた[26]。ヨハネス・フォールハウトの『家庭音楽のひとこま(Hausliche Musikszene)』(1674年)には、ブクステフーデ、ラインケン、タイレと思われる3人の音楽家の交流が描かれている[27]。また、タイレが1673年に出版した『ミサ曲集第1巻』や、パッヘルベルが1699年に出版した『アポロンのヘクサコルド(Hexachordum Apollinis)』は、ブクステフーデに献呈されたものである[28]。一方、ブクステフーデに師事した音楽家としては、後にフーズム市教会オルガニストとなるニコラウス・ブルーンスが有名である。

ブクステフーデが晩年に作曲した2曲のアーベントムジークは、その規模の大きさにおいて際立っている。1705年の神聖ローマ皇帝レオポルト1世の死を悼み、新皇帝ヨーゼフ1世の即位を祝うこれらの作品は今日消失しているが、丁重に印刷されたフォリオ版のリブレットからは、帝国自由都市リューベックの威信を賭けた一大イベントであったことが偲ばれる[29]。ブクステフーデは、これと前後して、後継者捜しに苦心するようになる。1703年8月17日には、ヨハン・マッテゾンゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルをハンブルクから迎えるが、2人は30歳に近いブクステフーデの娘との結婚が後任の条件であることを知ると、興味を失ってハンブルクに帰ってしまう[30]。また、1705年11月にアルンシュタットから訪問したヨハン・ゼバスティアン・バッハも、情熱的なブクステフーデのオルガン演奏に強く魅了され、無断で休暇を延長してリューベックに滞在したが、ついに任地として選ぶことはなかった[31]。結局、ブクステフーデは弟子のヨハン・クリスティアン・シーファーデッカーを後任に推挙し、当局に受け容れられる[32]

1707年5月9日、ブクステフーデは死去し、5月16日に聖マリア教会で父ヨハネスと早逝した4人の娘の傍らに埋葬される。「まこと気高く、大いなる誉れに満ち、世にあまねく知られた」(ヨハン・カスパル・ウーリヒによる追悼詩)と謳われたオルガニストの最期であった[33]

作風[編集]

声楽曲[編集]

『我らがイエスの四肢』タイトルページ

ブクステフーデの現存する約120曲の声楽曲は、婚礼用の8曲等を除いてすべてプロテスタント教会のための宗教曲である。これらの作品は今日カンタータと呼ばれることも多いが、当時、宗教曲に対してカンタータという呼称が用いられることはなく、独立した複数の楽章から構成される声楽曲という現代における定義に合致する作品も少ない。ブクステフーデの声楽曲において採用された歌詞の形式は、聖書等の散文詩、ドイツ語コラール、その他の有節詩に分類することができ、それに応じて基本的な楽曲構成を声楽コンチェルト、コラール楽曲、アリアに分けて考えることが一般的である[34]

声楽コンチェルトは、イタリアのコンチェルタート様式に由来し、歌詞のフレーズにあわせて分割されたモティーフを単声または多声の歌唱声部と器楽声部が協奏する[35]。また、アリアの多くは、リトルネッロ、声楽リフレインを伴った有節変奏形式であり、BuxWV57, 62, 70のようにオスティナート・バスによるものも存在する[36]。一方、当時イタリアで確立されていたダ・カーポ・アリアは全く見られず、歌詞のデクラメーションに即したシンプルな旋律は、むしろ初期バロック・イタリアにおけるクラウディオ・モンテヴェルディジャコモ・カリッシミに近い[37]。単一の歌詞による楽曲においても、分節化されてカンタータへと向かう傾向が認められるが、複数の歌詞を組み合わせた楽曲では、明確なカンタータ形式によるものが約30曲存在する[38]。その大半は声楽コンチェルトとアリアを組み合わせた作品であり、聖書の言葉がその主観的で詩的な省察と結びつけられ、深い共感を込めて描かれている[39]

ブクステフーデのアリアには、BuxWV59, 74, 80, 90のように、ヨハン・シェフラー(アンゲルス・ジレージウス)、ヨハン・ヴィルヘルム・ペーターゼン等の神秘主義者、敬虔主義者やその影響を受けた詩人の歌詞が少なからず存在する[40]。また、クレルヴォーのベルナルドゥス等の中世神秘主義の流れを汲む瞑想的な歌詞も、BuxWV56, 57, 75等の作品で採用されている[41]。直接的な体験を通して神との合一を求める中世神秘主義は、バロック時代の思想の底流として生き続け、日常生活における霊的体験を重視するルター派敬虔主義の成立にも大きな影響を及ぼす。30年戦争の悲惨な経験を通して、この世を涙の谷ととらえ、来世に憧れのまなざしを向ける17世紀ドイツの民衆の心情には、こうした神秘主義的思潮が広く浸透していた[42]。十字架上のイエスの苦しみをわが身のものとして受けとめ、花婿に擬えたイエスとの結婚を通して魂の救済を希求するこれらの作品は、ブクステフーデのシンプルな旋律法とも相まって、ブクステフーデの声楽曲のなかでもとりわけ強いインパクトをもっている[43]

ブクステフーデの管弦楽書法は、17世紀ドイツの伝統に根ざすものであり、18世紀の標準的なオーケストラ編成とは大きく異なっている。声楽曲における特徴は中声部の充実と多様性にあり、ブクステフーデは楽曲ごとにヴィオラヴィオラ・ダ・ブラッチョ、ヴィオレッタ、ヴィオラ・ダ・ガンバ等、多様な楽器を組み合わせている[44]。とくにヴィオラ・ダ・ガンバは、BuxWV32, 64のように高度な技巧を伴った独奏楽器としても使用しており、ヴィオラ・ダ・ガンバに対する愛好と当時の演奏水準の高さを窺わせる[45]。また、管楽器についても、低音リード楽器として、ファゴットではなく、時代遅れの楽器となっていたボンバルド(バス・ショーム)を使用するなど、古風な楽器編成を採用したものがある。

婚礼用の世俗歌曲は、大半がリューベック市の有力者から作曲を依頼されたものであるが、1680年のスウェーデン王カール11世とデンマーク王女ウルリカ・エレオノーラの結婚式のための作品(BuxWV119)も含まれる。BuxWV121の印刷譜は1942年のイギリス軍によるリューベック空襲の際に焼失し、現在は1913年にアンドレ・ピロが出版した著書に収録されたインチピットが残るのみである[46]。その他の声楽曲としては、古様式によるミサ・ブレヴィス(BuxWV114)や厳格対位法にもとづくカノン等がある[47]。対位法の技巧を凝らしたこれらの作品は1670年代に集中的に作曲されており、「対位法の父」と称されたヨハン・タイレ等との交流を反映するものと考えられている[48]

ブクステフーデの作品のうち、アーベントムジークで演奏されたものとして確証のある楽曲は、今日全く現存しない。わずかに1678年の『子羊の婚礼(Die Hochzeit des Lammes)』(BuxWV128)と、1705年の『悲しみの城砦(Castrum doloris)』(BuxWV134)、『栄誉の神殿(Templum honoris)』(BuxWV135)の3曲のリブレットが残されているほか[49]1732年にグスタフ・デューベンの息子がウプサラ大学に寄贈したコレクションのなかに作者不詳の作品として伝承された『最後の審判(Das jüngste Gericht)』(BuxWV Anh.3)が1683年に演奏されたアーベントムジークであろうと推測されている[50]

鍵盤楽曲[編集]

『おお、甘美なるイエスよ』他 オルガン・タブラチュア

ブクステフーデのオルガン作品は、自由曲、コラール編曲ともに約40曲が現存する。自由曲の多くは、即興的なプレリュードと対位法的なフーガを含んでいるが、「前奏曲とフーガ」と通称されるように、一対のプレリュードとフーガから構成される作品は少ない。典型的な楽曲構成は、北ドイツ・オルガン・トッカータといわれる5部形式であり、冒頭部-第1フーガ-間奏部-第2フーガ-終結部といった展開を示す[51]。BuxWV137, 148のように後続するフーガに代えてオスティナート形式が導入されることもある[52]。自由な部分は即興的な性格が強く、とくに冒頭部は入念に展開され、技巧的なパッセージや大胆な和声進行等を伴って、リズム、テンポ、拍子のさまざまな対比が試みられる。リューベックの聖マリア教会のオルガンは足鍵盤のストップ数が最も多く、ブクステフーデのオルガン作品においても低声部は重要な役割が与えられており、BuxWV137, 143のように足鍵盤の技巧的なソロで開始する楽曲も存在する[53]。また、フーガでは二重対位法やストレッタが多用され、足鍵盤が独立した声部を担当してテクスチュアに厚みが加えられている[54]。その他の自由曲としては、3曲のオスティナート楽曲や足鍵盤をもたないカンツォーナ等がある。ニ短調のパッサカリア(BuxWV161)は、後にヨハネス・ブラームスが関心を寄せたことでも知られており[55]、足鍵盤をもたない自由曲は、チェンバロによる演奏も可能である。

一方、オルガンのためのコラール編曲は、コラール前奏曲、コラール変奏曲、コラール幻想曲に分類される。コラール編曲の大半を占めるコラール前奏曲は、会衆によるコラールの前奏として用いられたものであり、コラール旋律が豊かに装飾されて上声部に置かれ、他の3声部が手鍵盤と足鍵盤に分けて伴奏される[56]。また、コラール幻想曲においては、声楽コンチェルトの作曲技法が応用され、コラールの各フレーズが即興的に大きく展開されており、滔々と流れるファンタジーのうちに、ブクステフーデの敬虔な信仰心を感じさせる[57]

ブクステフーデのオルガン作品に見られる即興性は、17世紀北ドイツにおけるスティルス・ファンタスティクス(幻想様式:stylus fantasticus)の典型とされる[58]。スティルス・ファンタスティクスとは、ヨハン・ゴットフリート・ヴァルターが1732年に出版した『音楽事典(Musicalisches Lexicon)』によれば、あらゆる制約から解放された様式であり[59]ヨハン・マッテゾンは、『完全なる楽長(Der vollkommene Capellmeister)』(1739年)において、ブクステフーデの前奏曲(BuxWV152)をスティルス・ファンタスティクスの実例として挙げている[60]。リューベックでブクステフーデの演奏を目の当たりにしたバッハは、中部ドイツのアルンシュタットでその成果を試したものの、礼拝時のオルガン演奏に奇妙な変奏や多くの耳慣れない音を混入させたとして教会当局から強く叱責されたが[61]、このことは北ドイツの音楽風土の特異性とともに、ブクステフーデの音楽の自由な性格をもよく示している。

この他、チェンバロまたはクラヴィコードのための作品として、21曲の組曲と6曲の変奏曲が現存する。マッテゾンが『完全なる楽長』で言及した7つの惑星の性質を模した組曲(BuxWV251)は今日消失している[62]。一方、ニ短調の組曲(BuxWV deest)は、1710年アムステルダムで出版された作者不詳の組曲のなかから、2004年にピーター・ディルクセンによって発見されたものである[63]。これらの組曲はいずれもアルマンドクーラントサラバンドジーグという舞曲の標準的な配列を基本とし、スティル・ブリゼが頻繁に用いられる[64]。また、カプリッチョーサにもとづく32の変奏曲(BuxWV250)をはじめとする世俗的変奏曲では、鍵盤楽器による多様な変奏技法が追求されている[65]

室内楽曲[編集]

ブクステフーデの室内楽曲は、出版されたいずれも7曲からなるヴァイオリンヴィオラ・ダ・ガンバ通奏低音のためのソナタ集作品1(1694年)、作品2(1696年)のほか、手稿譜として残された6曲のソナタが現存する。1684年に出版されたとされる2-3つのヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、通奏低音のためのソナタ集(BuxWV274)は今日消失している。出版された2つの作品集は、体系的な調性プランにもとづき、1セットとして編纂されたものと考えられるが、楽章編成は楽曲ごとに異なり極めて多様である。いずれの楽曲においてもヴィオラ・ダ・ガンバに重要な役割が与えられており、通奏低音の旋律のディヴィジョンを行うほか、対位法的な楽章では独立した声部を演奏して、ヴァイオリンと対等に掛け合う[66]。また、手稿譜として残された作品のなかには、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオローネと通奏低音といった特殊な編成によるソナタ(BuxWV267)も存在する[67]

ブクステフーデの室内楽曲は、イギリスやドイツにおける即興的なヴィオラ・ダ・ガンバ演奏の伝統に属する。マッテゾンは、『登竜門への基礎(Grundlage einer Ehrenpforte)』(1740年)で、1666年にクリストフ・ベルンハルトの自宅で開催された演奏会について言及し、ヴァイオリンやヴィオラ・ダ・ガンバの名手達がカスパル・フェルスターの4声のソナタをスティルス・ファンタスティクスの技法にしたがって即興演奏する様子を描いているが[68]、ブクステフーデの室内楽曲の緩徐楽章において、即興的なソロのエピソードが声部ごとに受け渡されていく箇所等には、こうした情景を彷彿させるものがある[69]

受容史[編集]

17世紀の伝統に根ざしたブクステフーデの音楽は、社会構造が大きく変革する18世紀になると急速に忘れ去られていく。ブクステフーデが再び注目されるのは、19世紀のバッハ研究の進展においてである。1873年に初めてバッハの評伝を著したフィリップ・シュピッタは、バッハの先達としてのブクステフーデのオルガン作品について詳しく論じる[70]。また、1889年には、カール・シュティールがスウェーデンのウプサラ大学の古文書からグスタフ・デューベンが収集したブクステフーデの声楽曲を大量に発見し、声楽曲に対する関心が高まる[71]

1960年代-1970年代における古楽演奏の復興とともに、ブクステフーデの作品も一般に広く演奏されるようになる。今日では、ブクステフーデの代表作である『我らがイエスの四肢(Membra Jesu nostri)』(BuxWV75)は10種類以上の録音がなされており[72]、室内楽の分野でも、ムジカ・アンティクァ・ケルンによる先駆的な演奏等を通して注目され[73]、すでに全曲が録音されている。

2007年はブクステフーデの生誕370年かつ没後300年を記念する年である。リューベックでは年間を通してブクステフーデに因んだコンサートやシンポジウム等が開催され、全市を挙げて記念年を祝う。また、オランダの指揮者・鍵盤奏者であるトン・コープマン2006年から5年をかけてブクステフーデ作品の全曲録音を行うことが予定されている。

作品一覧[編集]

ブクステフーデの作品目録は、ゲオルク・カールシュテットの『ディートリヒ・ブクステフーデの音楽作品の主題体系的目録』(1974年)による[74]。曲種別にブクステフーデ作品番号(略号:BuxWV)が付されており、同一曲種内では、声楽曲およびオルガン・コラールは表題のアルファベット順、オルガン自由曲、鍵盤組曲等は調性順となっている。

宗教声楽曲[編集]

BuxWV 曲名 曲種 編成 備考
1 人々よ来れ、民人よ急げ
Accedite gentes, accurite populi
SSATB, 2vn, bc 疑作 (Clemens Thieme作曲?)
2 栄光と誉れを主に帰せよ
Afferte Domino gloriam honorem
コンチェルト SSB, bc
3 汝の至善を我らは讃えり
All solch dein Güt' wir preisen
コラール楽曲 SSATB, 2vn, 2va, violone, bc
4 汝らが言葉と行いで示すすべてを
Alles was ihr tut
カンタータ
(混合)
SATB, 2vn, 2va, violone, bc
5 げに神はかくまで世を愛して
Also hat Gott die Welt geliebt
コンチェルト S, 2vn, vdg, bc
6 神の子にあらずや
An filius non est Dei
アリア ATB, 2vn, vdg, bc
7 我がために正義の門を開け
Aperite mihi portas justitiae
コンチェルト ATB, 2vn, bc
8 イエスよ、我を聴き給え
Att du, Jesu, will mig höra
アリア S, 2vn, bc
9 人よ、終末を思え
Bedenke, Mensch, das Ende
アリア SSB, 3vn, violone, bc
10 来たれと天使に告げて言え
Befiel dem Engel, daß er komm
コラール楽曲 SATB, 2vn, violone, bc
11 我らのイエスに向かいて歌え
Canite Jesu nostro
コンチェルト SSB, 2vn, violone, bc
12 主に新しき歌を歌え
Cantate Domino
コンチェルト SSB, bc
13 新たに生まれし嬰児
Das neugeborne Kindelein
アリア SATB, 3vn, violone/fg, bc
14 汝の高貴なる心臓、愛の玉座
Dein edles Herz
アリア SATB, 2vn, 2va, violone, bc
15 主は我と共にありせば
Der Herr ist mit mir
コンチェルト SATB, 2vn, violone, bc
16 今日こそ
Dies ist der Tag
S, 2vn, violone, bc 断片
17 ディクシト・ドミヌス[主は言われた]
Dixit Dominus Domino meo
コンチェルト S, 2vn, 2va, violone/spinett, bc
18 信頼する主、統べ給え
Domine, salvum fac regem
コンチェルト SSATB, 2vn, 2va, violone, bc
19 3つの麗しきことあり
Drei schöne Dinge sind
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SB, 2vn, violone/fg, bc 1685年、婚礼用(Johann Adam ReinkenとAnna Wagnarのための)
20 汝平和の君、主イエス・キリスト
Du Friedefürst, Herr Jesu Christ
コラール楽曲 SSATB, 2vn, violone, bc
21 汝平和の君、主イエス・キリスト
Du Friedefürst, Herr Jesu Christ
コラール楽曲 SSB, 2vn, 3va/fg, bc
22 汝命の君、主イエス・キリスト
Du Lebensfürst, Herr Jesu Christ
アリア SATB, 2vn, 2violetta, violone, bc
23 見よ今ぞ祝福されし神を
Ecce nunc benedicite
コンチェルト ATTB, 2vn, bc
24 ひとつのことを主に願い
Eins bitte ich vom Herrn
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSATB, 2vn, 2va, fg, bc
25 我が意識よ、束縛を逃れよ
Entreißt euch, meine Sinnen
アリア S, 2vn, bc
26 喜べ、大地よ
Erfeue dich, Erde!
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSAB, 2tr, tm, 2vn, 2va, violone, bc BuxWV122の改作
27 主よ、我らを汝の御言のもとに保ち
Erhalt uns, Herr, bei deinem Wort
コラール楽曲 SATB, 2vn, violone/bombarde, bc
28 偽りの世はうわべを飾り
Fallax mundus ornat vultus
アリア S, 2vn, bc
29 手をたたいて喜べ
Frohlocket mit Händen
カンタータ
(コラール-アリア)
SSATB, 2tr, 4vn, violone, bc
30 恐るるなけれ
Fürchtet euch nicht
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SB, 2vn, bc
31 げに彼は我らの病を負い
Fürwahr, er trug unsere Krankheit
コンチェルト SSATB, 2vn, 2vdg, violone/fg, bc
32 我が父のもとである御空に向かいて
Gen Himmel zu dem Vater mein
コラール楽曲 S, vn, vdg, bc
33 神は喜び叫ぶ声と共に昇り
Gott fähret auf mit Jauchzen
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSB, 2cornetto, 2tr, 2vn, 2va/2tbn, fg, bc
34 神よ我を救い給え
Gott hilf mir
カンタータ
(混合)
SSATBB, 2vn, 2va, violone, bc
35 主よ汝を信ず
Herr, auf dich traue ich
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
S, 2vn, bc
36 主よ、我汝を去らじ
Herr, ich lasse dich nicht
二重唱 TB, 2vn, 2vdg/2 viola da braccio, vdg/violone, bc
37 主よ、汝は今僕を見捨て給えり
Herr, nun läßt du deinem Diener
コンチェルト T, 2vn, bc
38 主よ、汝さえこの世にあれば
Herr, wenn ich nur dich hab'
シャコンヌ S, 2vn, bc
39 主よ、我汝だけをもち得るなら
Herr, wenn ich nur dich habe
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
S, 2vn, vdg/violone, bc
40 我らの主なる神
Herren vår Gud
コラール楽曲 SATB, 2vn, violone, bc
41 心より我汝を愛す、おお主よ
Herzlich lieb hab ich dich, o Herr
コラール楽曲 SSATB, 2tr, 2vn, 2va, violone/fg, bc
42 心より我こがれ望む
Herzlich tut mich verlangen
コラール楽曲 S, 2vn, bc
43 今日、神の子は勝利をおさめ
Heut triumphieret Gottes Sohn
SSATB, 2tr, 2vn, 2va, violone, bc 疑作
44 我は蘇りなり
Ich bin die Auferstehung
コンチェルト B, 2cornetto, 2tr, 2vn, 2va, fg, bc
45 我はシャロンの花
Ich bin eine Blume zu Saron
コンチェルト B, 2vn, violone, bc
46 我はこの世を去りて
Ich habe Lust abzuscheiden
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSB, 2vn, violone/fg, bc
47 我はこの世を去りて
Ich habe Lust abzuscheiden
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSB, 2vn, violone, bc
48 我はかく思う
Ich halte es dafür
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SB, vn, violetta, violone, bc
49 我は心のうちにて語りぬ
Ich sprach in meinem Herzen
コンチェルト S, 3vn, fg, bc
50 夜、我はふしどにて求めぬ
Ich suchte des Nachts
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
TB, 2ob, 2vn, violone, bc
51 汝ら、愛するキリストのともがらよ、今ぞ喜べ
Ihr lieben Christen, freut euch nun
カンタータ
(混合)
SSATB, 3cornetto, 2tr, 3tbn, 3vn, 2va, violone, bc
52 甘き喜びのうちに
In dulci jubilo
コラール楽曲 SSB, 2vn, bc
53 主よ、我は御身に期待し
In te, Domine, speravi
コンチェルト SAB, bc
54 そは適いしかな
Ist es recht
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSATB, 2vn, 2va, violone, bc
55 偉くなればなるほど
Je höher du bist
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSB, 2va, violone, bc
56 イエスの甘き思い出
Jesu dulcis memoria
アリア SS, 2vn, fg, bc
57 イエスの甘き思い出
Jesu dulcis memoria
シャコンヌ ATB, 2vn, bc
58 イエス、我が慰めと笑いよ来れ
Jesu, komm, mein Trost und Lachen
アリア ATB, 2vn, viola da braccio, violone, bc
59 イエスは我が喜び
Jesu, meine Freud und Lust
アリア A, 2vn, violetta, violone, bc
60 イエスは我が喜び
Jesu, meine Freude
コラール楽曲 SSB, 2vn, fg, bc
61 イエス、我が喜びの主よ
Jesu, meiner Freuden Meister
二重唱 SATB, 3va, violone, bc 1677年、追悼用(Margarita Racheliaのための)
62 イエスは我が生命の生命
Jesu, meines Lebens Leben
シャコンヌ SATB, 2vn, 2va, violone, bc
63 いとしきイエスよ、汝はまことに素晴らしき人
Jesulein, du Tausendschön
アリア ATB, 2vn, violone/fg, bc
64 全地よ、主に向かいて喜びの声をあげよ
Jubilate Domino
コンチェルト A, vdg, bc
65 喜びが鳴り響き
Klinget mit Freuden
アリア SSB, 2tr, 2vn, bc BuxWV119の改作
66 異邦人の光よ、汝は来たりて
Kommst du, Licht der Heiden
アリア SSB, 2vn, 2viola da braccio, bc
67 我が魂よ主を讃えよ
Lauda anima mea
コンチェルト S, 2vn, violone, bc
68 シオンよ救い主を讃えよ
Lauda Sion Salvatorem
アリア SSB, 2vn, bc
69 主をほめたたえよ
Laudate pueri
シャコンヌ SS, 5vdg, violone, bc
70 愛する者よ、我が魂は言う
Liebster, meine Seele saget
シャコンヌ SS, 2vn, bc
71 我が魂よ、主を頌めまつれ
Lobe den Herren, meine Seele
コンチェルト T, 3vn, 2va, violone, bc
72 我が心は喜びに溢れる
Mein Gemüt erfreuet sich
アリア SAB, 4cornetto, 2tr, 3tbn, 2fl, 4vn, 4fg, bc
73 我が心定まれり
Mein Herz ist bereit
コンチェルト B, 3vn, violone, bc
74 我が魂よ、憩え
Meine Seele, willtu ruhn
アリア SSB, 2vn, violone, bc
75 我らがイエスの四肢
Membra Jesu nostri
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
1.足について:山の上に見ゆ
Ad pedes : Ecce super montes
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSATB, [2vn, violone,] bc 1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
2.膝について:汝らはその両腕に抱かれ
Ad genua : Ad ubera
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSATB, [2vn, violone,] bc 1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
3.手について:この傷は何ぞや
Ad manus : Quid sunt plagae istae
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSATB, [2vn, violone,] bc 1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
4.わき腹について:我が友よ、起きて出たれ
Ad latus : Surge amica mea
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSATB, [2vn, violone,] bc 1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
5.胸について:いま生まれし嬰児のごとく
Ad pectus : Sicut modo geniti infantes
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
ATB, [2vn, violone,] bc 1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
6.心について:汝は我が心を奪えり
Ad cor : Vulnerasti cor meum
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSB, 5vdg, bc 1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
7.顔について:御頭の光を注ぎ
Ad faciem : Illustra faciem tuam
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSATB, 2vn, violone, bc 1680年、グスタフ・デューベン(Gustav Düben)に献呈
76 平安と喜びに満ち逝かん
Fried- und Freudenreiche Hinfahrt
1.平安と喜びもて我は逝く
Mit Fried und Freud
SB, 3insts or org 1671年、追悼用(Meno Hanneken, Sr. のための)
2.悲歌:それでもなお死は逃れられないのか
Klag-Lied : Muß der Tod denn auch entbinden
アリア S, [2va,] bc 1674年、追悼用(Johannes Buxtehudeのための)
77 何ものも我らと神の愛を引き離すべからず
Nichts soll uns scheiden
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SAB, 2vn, violone, bc
78 汝まことの神よ、我らより取り去り給え
Nimm von uns, Herr, du treuer Gott
コラール楽曲 SATB, 2vn, 2violetta, fg, bc
79 いざやもろびと、神に感謝せよ
Nun danket alle Gott
コンチェルト SSATB, 2cornetto, 2tr, 2vn, violone, fg, bc
80 今ぞ喜べ、汝ら信仰厚きものたちよ
Nun freut euch, ihr Frommen, mit mir
アリア SS, 2vn, bc
81 我らを主のもとへ行かせ給え
Nun laßt uns Gott dem Herren
コラール楽曲 SATB, 2vn, bc
82 おお、慈悲深く、優しく、神々しい父よ
O clemens, o mitis
コンチェルト S, vn, 2violetta, violone, bc
83 おお、甘美なるイエスよ
O dulcis Jesu
コンチェルト S, 2vn, bc
84 おお楽しき時よ
O fröhliche Stunden, o herrliche Zeit
アリア S, 2vn, va, bc
85 おお楽しき時よ
O fröhliche Stunden, o herrliche Zeit
アリア SSAB, 2vn, 2viola da braccio, violone, bc
86 おお神よ、我らは汝の恵みに感謝する
O Gott, wir danken deiner Güt'
カンタータ
(コンチェルト-コラール)
SSATB, 2vn, violone, bc
87 おお神の都
O Gottes Stadt
アリア S, 2vn, va, violone, bc
88 おお、いと甘美なる我がイエスよ
O Jesu mi dulcissime
アリア SSB, 2vn, violone, bc
89 おお、光よ、祝福されし三位一体
O lux beata Trinitas
アリア SS, 3vn, violone/fg, bc
90 おおいかに喜びに満ちたるか
O wie selig sind
アリア TB, 2vn, violone, bc
91 パンジェ・リングァ[舌よ、歌え]
Pange lingua
アリア SSAB, 2vn, 2violetta, violone, bc
92 鹿の谷川を慕いあえぐがごとく
Quemadmodum desiderat cervus
シャコンヌ T, 2vn, bc
93 めでたし、希求
Salve, desiderium
アリア SSB, 2vn, violone/fg, bc
94 めでたしイエスよ、神の独り子
Salve Jesu
コンチェルト SS, 2vn, bc
95 神よ、我がうちに清き心を創り給え
Schaffe in mir, Gott
コンチェルト S, 2vn, violone, bc
96 天に舞い上がれ、心よ
Schwinget euch himmelan
アリア SSATB, 3vn, violone, bc
97 モーゼが荒れ野でヘビを上げたごとく
Sicut Moses exaltavit serpentem
コンチェルト S, 2vn, vdg, bc
98 主に向かいて新しき歌を歌え
Singt dem Herrn
コンチェルト S, vn, bc
99 今日キリストは蘇られた
Surrexit Christus hodie
アリア SSB, 3vn, fg, bc
100 目覚めよと、我らに呼ばわる物見らの声
Wachet auf, ruft uns die Stimme
コラール楽曲 SSB, 3vn, vn/va, fg, bc
101 目覚めよと、我らに呼ばわる物見らの声
Wachet auf, ruft uns die Stimme
ATB, 2vn, bc 疑作
102 神もしこの時我らと共にいまさずば
Wär Gott nicht mit uns diese Zeit
コラール楽曲 SATB, 2vn, bc
103 我は神の御心のままに
Walts Gott, mein Werk ich lasse
コラール楽曲 SATB, 2vn, va, bc
104 我いかで世のことを問わん
Was frag' ich nach der Welt
アリア SAB, 2vn, violone, bc
105 この世で我を悲しませるもの
Was mich auf dieser Welt betrübt
アリア S, 2vn, bc
106 他界よ、消え失せよ
Welt, packe dich
アリア SSB, 2vn, violone, bc
107 主イエスよ、もし我が汝を
Wenn ich, Herr Jesu, habe dich
アリア A, 2vn, bc
108 いかにおいしきことかな
Wie schmeckt es so lieblich und wohl
アリア SAB, 2vn, violone, bc
109 汝をいかに迎えん
Wie soll ich dich empfangen
アリア SSB, 2vn, fg, bc
110 我が心はいかに晴れ、喜ばん
Wie wird erneuet, wie wird erfreuet
アリア SSATTB, 3cornetto, 3tr, 3tbn, 3vn, 2va, cymbalo, bc
111 我が友はいずこに
Wo ist doch mein Freund geblieben?
二重唱 SB, 2vn, fg, bc
112 我いずこにか逃れゆくべき
Wo soll ich fliehen hin?
二重唱 SATB, 2vn, 2va, violone, bc
113 我はあらゆる時に主をほめたたえる
Benedicam Dominum
コンチェルト SSATB, SATB, 4tr, tbn, bombarde, 2cornetto, 3tbn, fg, 2vn, violone, bc
114 ミサ・ブレヴィス
Missa alla brevis
SSATB, bc 古様式による

世俗声楽曲[編集]

BuxWV 曲名 曲種 編成 備考
115 いざ、弦を
Auf, Saiten, auf!
アリア S, 2vn, 2vdg, bc 1673年、婚礼用(Christoph SiriciusとDorothea von Degigkのための)
116 いざ、弦を合わせよう
Auf, stimmet die Saiten
アリア AAB, 2tr, 2tbn, fg, bc 1672年、婚礼用(Heinrich KirchrinkとAgneta Kirchringのための)
117 ああ、汝は自らの誇りを信じて
Deh credete il vostro vanto
アリア S, 2vn, bc 1695年、婚礼用(Joachim CarstensとAnna Catharina Leopoldのための)
118 花をちりばめて
Gestreuet mit Blumen
アリア A, 2vn, 2va, fg, bc 1675年、婚礼用(Achilles LeopoldとAnna Margaretha Ritterのための)
119 喜びに響く
Klinget für Freuden
アリア SSB, 2tr, 2vn, violone, bc 1680年、婚礼用(スウェーデン王Karl XIとデンマーク王女Ulrika Eleonoreのための)
120 おお楽しき日、素晴らしき日
O fröhliche Stunden, o herrlicher Tag
アリア S, 2ob, vn, bc 1705年、婚礼用(Anton WinklerとElisabeth Niemannのための)
121 小暗い森
Opachi boschetti
S/T, 2vn, bc 1698年、婚礼用(Benedict WinklerとMargaretha von Hövelnのための)、消失
122 楽人よ、太鼓をたたけ
Schlagt, Künstler, die Pauken
カンタータ
(コンチェルト-アリア)
SSAB, 2tr, tm, 2vn, 2va, violone, bc 1681年、婚礼用(Joachim von DalenとCatharine von Hachenburgのための)
123 拡大二重カノン
Canon duplex per Augmentationem
カノン 4v 1674年、Johann Valentin Mederに献呈
124 今日は楽しくやろう
Divertisons nous aujourd'hui
カノン 3v 1670年、Meno Hanneken, Jr. に献呈
124a 四重カノン
Canon quadruplex
カノン 5v 1685年以前、Heinrich Roggeの作品に転用

消失した声楽曲(アーベントムジークを含む。)[編集]

BuxWV 曲名 編成 備考
125 キリストを愛することはよきことなり
Christum lieb haben ist viel besser
SSATB, 11insts 消失、リューネブルクの蔵書目録に記載
126 フレーデンハーゲンの祭壇奉献のための音楽
Musik für Dedikationen von Fredenhagens Alter
3choirs 1697年、消失
127 青白き者たちよ、万歳
Pallidi salvete
4v, 6insts 消失、アンスバッハの蔵書目録に記載
128 子羊の婚礼
Die Hochzeit des Lammes
SSAATB, 2tr, tbn, vn, va, vdg, bc 1678年、アーベントムジーク、リブレットのみ現存
129 最も恐ろしきことと最も喜ばしきこと
Das Allerschröcklichste und Allererfreudlichste
5v, insts アーベントムジーク、消失、フランクフルト・ライプツィヒの1684年見本市目録に記載
130 イエス・キリストの人の子となり給いしは、地上の魂の天上的なる喜び
Himmlische Seelenlust auf Erden über die Menschwerdung … Jesu Christi
アーベントムジーク、消失、フランクフルト・ライプツィヒの1684年見本市目録に記載
131 放蕩息子
Der verlorene Sohn
1688年、アーベントムジーク、消失、ブクステフーデの手紙で言及
132 百年の詩
Hundertjähriges Gedichte
1700年、アーベントムジーク、消失、"Nova literaria"で言及
133 アーベントムジーク
Abendmusik
1700年、消失
134 悲しみの城砦
Castrum doloris
1705年、アーベントムジーク、リブレットのみ現存、神聖ローマ皇帝Leopold Iの死去を悼む
135 栄誉の神殿
Templum honoris
1705年、アーベントムジーク、リブレットのみ現存、神聖ローマ皇帝Josepf Iの即位を祝す

オルガン自由曲[編集]

BuxWV 曲名 調性 編成 備考
136 前奏曲 ハ長調 org
137 前奏曲 ハ長調 org
138 前奏曲 ハ長調 org
139 前奏曲 ニ長調 org
140 前奏曲 ニ短調 org
141 前奏曲 ホ長調 org
142 前奏曲 ホ短調 org
143 前奏曲 ホ短調 org
144 前奏曲 ヘ長調 org
145 前奏曲 ヘ長調 org
146 前奏曲 嬰ヘ短調 org
147 前奏曲 ト長調 org
148 前奏曲 ト短調 org
149 前奏曲 ト短調 org
150 前奏曲 ト短調 org
151 前奏曲 イ長調 org
152 前奏曲 フリギア調 org
153 前奏曲 イ短調 org
154 前奏曲 変ロ長調 org 断片
155 トッカータ ニ短調 org
156 トッカータ ヘ長調 org
157 トッカータ ヘ長調 org
158 前奏曲 イ短調 org
159 シャコンヌ ハ短調 org
160 シャコンヌ ホ短調 org
161 パッサカリア ニ短調 org
162 前奏曲 ト長調 klavier
163 前奏曲 ト短調 klavier
164 トッカータ ト長調 klavier
165 トッカータ ト長調 klavier
166 カンツォーナ ハ長調 klavier
167 カンツォネッタ ハ長調 klavier
168 カンツォーナ ニ短調 klavier
169 カンツォーナ ホ短調 klavier
170 カンツォーナ ト長調 klavier
171 カンツォネッタ ト長調 klavier
172 カンツォネッタ ト長調 klavier
173 カンツォネッタ ト短調 klavier
174 フーガ ハ長調 klavier
175 フーガ ト長調 klavier
176 フーガ 変ロ長調 klavier
225 カンツォネッタ イ短調 klavier

オルガン・コラール[編集]

BuxWV 曲名 調性 曲種 編成 備考
177 ああ主なる神よ
Ach Gott und Herr
ニ短調 コラール変奏曲 org
178 ああ主よ、哀れなる罪人なる我を
Ach Herr, mich armen Sünder
フリギア調 コラール前奏曲 org
179 我が愛しき神に
Auf meinen lieben Gott
ホ短調 コラール変奏曲 klavier
180 我らの主キリスト、ヨルダンの川に来たり
Christ, unser Herr, zum Jordan kam
ドリア調 コラール前奏曲 org
181 主に感謝せよ、主慈しみ深きゆえに
Danket dem Herren
ト短調 コラール変奏曲 org
182 かくも喜びに満てるこの日
Der Tag der ist so freundenreich
ト長調 コラール前奏曲 org
183 アダムの堕落によりてすべては朽ちぬ
Durch Adams Fall ist ganz verderbt
ドリア調 コラール前奏曲 org
184 我らが神は堅き砦
Ein feste Burg ist unser Gott
ハ長調 コラール前奏曲 org
185 主よ、我らを汝の御言のもとに保ち
Erhalt uns, Herr, bei deinem Wort
ト短調 コラール前奏曲 org
186 我らに救いの来たれるは
Es ist das Heil uns kommen her
ハ長調 コラール前奏曲 org
187 愚かなる者らの口、なめらかに語り出で
Es spricht der Unweisen Mund wohl
ト長調 コラール前奏曲 org
188 イエス・キリストよ、讃美を受け給え
Gelobet seist du, Jesu Christ
ト長調 コラール幻想曲 org
189 イエス・キリストよ、讃美を受け給え
Gelobet seist du, Jesu Christ
ト長調 コラール前奏曲 org
190 父なる神、我がもとに留まり給え
Gott der Vater wohn uns bei
ハ長調 コラール前奏曲 org
191 主キリスト、神の独り子
Herr Christ, der einig Gottes Sohn
ト長調 コラール前奏曲 org
192 主キリスト、神の独り子
Herr Christ, der einig Gottes Sohn
ト長調 コラール前奏曲 org
193 主イエス・キリストよ、我はことごとく知れり
Herr Jesu Christ, ich weiß gar wohl
イ短調 コラール前奏曲 org
194 我汝に感謝す、愛する主よ
Ich dank dir, lieber Herre
ヘ長調 コラール幻想曲 org
195 汝の御子によりてのみ我汝に感謝す
Ich dank dir schon durch deinen Sohn
ヘ長調 コラール幻想曲 org
196 我汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ
Ich ruh zu dir, Herr Jesu Christ
ニ短調 コラール幻想曲 org
197 甘き喜びのうちに
In dulci jubilo
ト長調 コラール前奏曲 org
198 我らの救い主なるイエス・キリスト
Jesus Christus, unser Heiland, der den Tod überwand
ト短調 コラール前奏曲 org
199 来ませ聖霊、主なる神よ
Komm, Heiliger Geist, Herre Gott
ヘ長調 コラール前奏曲 org
200 来ませ聖霊、主なる神よ
Komm, Heiliger Geist, Herre Gott
ヘ長調 コラール前奏曲 org
201 我がもとに来たれ、と神の子語り給う
Kommt her zu mir, spricht Gottes Sohn
ト短調 コラール前奏曲 org
202 キリストのともがらよ、こぞりて神を讃えまつれ
Lobt Gott, ihr Chrsten allzugleich
ト長調 コラール前奏曲 org
203 第1旋法によるマニフィカト
Magnificat primi toni
ドリア調 コラール幻想曲 org
204 第1旋法によるマニフィカト
Magnificat primi toni
ドリア調 コラール幻想曲 org
205 第9旋法によるマニフィカト
Magnificat noni toni
ニ短調 コラール変奏曲 org
206 人よ、汝幸いに生きんとせば
Mensch, willst du leben seliglich
フリギア調 コラール前奏曲 org
207 汝まことの神よ、我らより取り去り給え
Nimm von uns, Herr, du treuer Gott
ニ短調 コラール変奏曲 org
208 今ぞ我ら聖霊に願いたてまつる
Nun bitten wir den Heiligen Geist
ト長調 コラール前奏曲 org
209 今ぞ我ら聖霊に願いたてまつる
Nun bitten wir den Heiligen Geist
ト長調 コラール前奏曲 org
210 今ぞ喜べ、汝らキリストのともがらよ
Nun freut euch, lieben Christen g'mein
ト長調 コラール幻想曲 org
211 いざ来ませ、異邦人の救い主
Nun komm, der Heiden Heiland
ト短調 コラール前奏曲 org
212 いざ我が魂よ、主を讃えん
Nun lob, mein Seel', den Herren
ハ長調 コラール前奏曲 org
213 いざ我が魂よ、主を讃えん
Nun lob, mein Seel', den Herren
ト長調 コラール変奏曲 org
214 いざ我が魂よ、主を讃えん
Nun lob, mein Seel', den Herren
ト長調 コラール前奏曲 org
215 いざ我が魂よ、主を讃えん
Nun lob, mein Seel', den Herren
ト長調 コラール前奏曲 klavier
216 おお、光よ、祝福されし三位一体
O lux beata Trinitas
フリギア調 klavier 断片
217 嬰児ベツレヘムに生まれ給えり
Puer natus in Bethelehem
イ短調 コラール前奏曲 org
218 テ・デウム[神よ、汝を賛美します]
Te Deum laudamus
フリギア調 コラール幻想曲 org
219 天にまします我らの父よ
Vater unser im Himmelreich
ニ短調 コラール前奏曲 org
220 我神より離れじ
Von Gott will ich nicht lassen
イ短調 コラール前奏曲 org
221 我神より離れじ
Von Gott will ich nicht lassen
イ短調 コラール前奏曲 org
222 神もしこの時我らと共にいまさずば
Wär Gott nicht mit uns diese Zeit
イ短調 コラール前奏曲 org
223 輝く曙の明星のいと美わしきかな
Wie schön leuchtet der Morgenstern
ト長調 コラール幻想曲 org
224 主イエス・キリストよ、我ら汝に感謝す
Wir danken dir, Herr Jesu Christ
ドリア調 コラール前奏曲 org

クラヴィーア曲[編集]

BuxWV 曲名 調性 編成 備考
226 組曲 ハ長調 klavier
227 組曲 ハ長調 klavier
228 組曲 ハ長調 klavier
229 組曲 ハ長調 klavier
230 組曲 ハ長調 klavier
231 組曲 ハ長調 klavier
232 組曲 ニ長調 klavier
233 組曲 ニ短調 klavier
234 組曲 ニ短調 klavier
235 組曲 ホ短調 klavier
236 組曲 ホ短調 klavier
237 組曲 ホ短調 klavier
238 組曲 ヘ長調 klavier
239 組曲 ヘ長調 klavier
240 組曲 ト長調 klavier
241 組曲 ト短調 klavier
242 組曲 ト短調 klavier
243 組曲 イ長調 klavier
244 組曲 イ短調 klavier
245 クラント・サンブルと8つの変奏 イ短調 klavier
246 アリアと10つの変奏 ハ長調 klavier
247 アリア「宮廷風に」と12の変奏
Aria : More Palatino [mit 12 variationen]
ハ長調 klavier
248 アリア「ロフィリス」と3つの変奏
Aria : Rofilis [mit 3 variationen]
ニ短調 klavier Jean Baptiste Lully "Ballet de l'Impatience" LWV14による
249 アリアと3つの変奏 イ短調 klavier Germain Pinelのアリアによる
250 アリア「カプリッチョーサ」と32の変奏
Aria : La Capricciosa [mit 32 variationen]
ト長調 klavier
251 7つの組曲「惑星の性質ないし本質」
7 Suites "Die Natur und Eigenschaft der Planeten"
klavier 消失、Johann Mattheson "Der vollkommene Capellmeister" (1739年) に記載
deest 組曲 イ短調 klavier 1704年頃、Johann Kruseの筆写譜による
deest 組曲 ニ短調 klavier 1710年、アムステルダムのEtienne Rogerにより出版

室内楽曲[編集]

BuxWV 曲名 調性 作品番号 編成 備考
252 ソナタ ヘ長調 作品1-1 vn, vdg, bc 1694年、リューベック市長・市参事会員に献呈
253 ソナタ ト長調 作品1-2 vn, vdg, bc 1694年、リューベック市長・市参事会員に献呈
254 ソナタ イ短調 作品1-3 vn, vdg, bc 1694年、リューベック市長・市参事会員に献呈
255 ソナタ 変ロ長調 作品1-4 vn, vdg, bc 1694年、BuxWV273の改作、リューベック市長・市参事会員に献呈
256 ソナタ ハ長調 作品1-5 vn, vdg, bc 1694年、リューベック市長・市参事会員に献呈
257 ソナタ ニ短調 作品1-6 vn, vdg, bc 1694年、リューベック市長・市参事会員に献呈
258 ソナタ ホ短調 作品1-7 vn, vdg, bc 1694年、リューベック市長・市参事会員に献呈
259 ソナタ 変ロ長調 作品2-1 vn, vdg, bc 1696年、Johann Ritterに献呈
260 ソナタ ニ長調 作品2-2 vn, vdg, bc 1696年、Johann Ritterに献呈
261 ソナタ ト短調 作品2-3 vn, vdg, bc 1696年、Johann Ritterに献呈
262 ソナタ ハ短調 作品2-4 vn, vdg, bc 1696年、Johann Ritterに献呈
263 ソナタ イ長調 作品2-5 vn, vdg, bc 1696年、Johann Ritterに献呈
264 ソナタ ホ長調 作品2-6 vn, vdg, bc 1696年、Johann Ritterに献呈
265 ソナタ ヘ長調 作品2-7 vn, vdg, bc 1696年、Johann Ritterに献呈
266 ソナタ ハ長調 2vn, vdg, bc
267 ソナタ ニ長調 vdg, violone, bc
268 ソナタ ニ長調 vdg, bc 疑作
269 ソナタ ヘ長調 2vn, vdg, bc
270 ソナタ ヘ長調 [2vn,] bc 断片(通奏低音のみ)
271 ソナタ ト長調 2vn, vdg, bc
272 ソナタ イ短調 vn, vdg, bc
273 ソナタ 変ロ長調 vn, vdg, bc BuxWV255の初期稿
274 ソナタ 2vn (3vn), vdg, bc 消失、フランクフルト・ライプツィヒの1684年見本市目録に記載

補遺(疑作・偽作)[編集]

BuxWV 曲名 調性 編成 備考
Anh.1 マニフィカト[我が魂は主をあがめ]
Magnificat anima mea, Domine
SSATB, 2vn, 2va, violone, bc 疑作
Anh.2 喜びと勝利の歌声は
Man singet Freuden vom Sieg
SSATB, 2tr, 2vn, 2va/2tbn, fg, bc 偽作 (Johann Schelle作曲?)
Anh.3 最後の審判
Wacht! Euch zum Streit
SSATB, 2vn, 2va, bc 1683年、オラトリオ、疑作
Anh.4 ナタリチア・サクラ
Natalitia sacra
1682年、疑作
Anh.5 ソナタ ニ短調 org 疑作
Anh.6 クーラント ニ短調 klavier 疑作
Anh.7 クーラント ト長調 klavier 疑作
Anh.8 シンフォニア ト長調 klavier 疑作
Anh.9 主なる神よ、我を憐れみ給え
Erbarm dich mein, o Herre Gott
SATB, 2vn, 2violetta, violone/fg, bc 偽作 (Lovies Busbetzky作曲)
Anh.10 主を賛美せよ、もろもろの国よ
Laudate Dominum omnes gentes
S, 2vn, violone/fg, bc 偽作 (Lovies Busbetzky作曲)
Anh.11 主よ、我らを汝の御言のうちに保ち
Erhalt uns, Herr, bei deinem Wort
klavier 偽作 (Johann Pachelbel または Georg Böhm作曲)
Anh.12 組曲 ニ短調 klavier 偽作 (Nicolas-Antoine Lebègue作曲)
Anh.13 組曲 ト短調 klavier 偽作 (Nicolas-Antoine Lebègue作曲)
deest キリストは死の縄目につながれたり
Christ lag in Todesbanden
org 偽作 (Nicolaus Vetter作曲)
deest ミサ[キリエ]
Missa [Kyrie]
SSATB, 2vn, bc 偽作 (Johann Heinrich Buttstett作曲)
deest 今ぞ喜べ、汝らキリストのともがらよ
Nun freut euch, lieben Christen g'mein
イ長調 org 疑作

脚注[編集]

  1. ^ Snyder 2007: p. xvによれば、ブクステフーデは自分の名前を「Dieterich」と綴っており、「Dietrich」という綴りは18世紀以降の慣習に過ぎないと書かれており、21世紀初頭では「Dieterich Buxtehude」という表記が認容されつつある。一方、「Dieterich Buxtehude」を日本語表記すると「ディーテリヒ・ブクステフーデ」となるが、日本ではこの表記はほとんど浸透していないため、本項の記事名としては「ディートリヒ・ブクステフーデ」を採用した。
  2. ^ Snyder 2007: pp. 7-8.
  3. ^ Snyder 2007: pp. 4-7.
  4. ^ 山下道子、4頁。
  5. ^ ブクステフーデの出生地は、以前はオルデスロー説が有力であった(Wilhelm Stahl, "Dietrich Buxtehudes Geburtsort", Die Musikforschung, 1951)。これは、ヨハネスという名のドイツ人教師が1638年にオルデスローにいたという記録にもとづく。しかしながら、このヨハネスという人物はオルガニストとして活躍した形跡がないことから、ブクステフーデの父と同一人物であることに疑問が生じている。一方、父ヨハネスのヘルシンボリにおける活動を示す史料は1641年のものであるが、当地のオルガニスト職は1633年に空席になっていることから、この頃当地に移った可能性が高い(Niels Friis, Diderik Buxtehude, Copenhagen: Dan Fog-Olsen, 1960)。このため、今日ではヘルシンボリ説が有力になっている(Snyder 2007: pp. 5-7)。
  6. ^ 山下道子、5頁。
  7. ^ Snyder 2007: p. 11.
  8. ^ デンマーク、スウェーデン両国の通史については、百瀬宏、村井誠人編『北欧史』新版世界各国史21、山川出版社、1998年8月。また、当時のヘルシンボリの状況については、Snyder 2007: p. 27。
  9. ^ 30年戦争等のプロテスタント教会音楽への全般的な影響については、バロック音楽研究会、71-72頁。ブクステフーデの声楽曲におけるその反映については、本項の2.特徴 1.声楽曲を参照。
  10. ^ Snyder 2007: p. 30.
  11. ^ Snyder 2007: p. xxiii.
  12. ^ 山下道子、6頁。
  13. ^ Søren Sørensen, "Monteverdi - Förster – Buxtehude: Entwurf zu einer entwicklungsgeschichtlichen Untersuchung", Dansk Aarbog for Musikforskning, 1963, pp. 87-100。ただし、Kerala Johnson Snyderは、フェルスターからの影響についてその可能性が高いことを認めつつも、当時ドイツでは膨大な量のイタリア音楽が入手できたことから断定はできないとしている。
  14. ^ バロック音楽研究会、128頁。
  15. ^ 山下道子、7頁。聖マリア教会の大オルガンのディスポジション(仕様)については、Snyder 2007: pp. 79-80。
  16. ^ 山下道子、7頁。
  17. ^ ハンザ同盟および商人教会としての聖マリア教会の性格については、高橋理『ハンザ同盟』教育社歴史新書 西洋史A13、1980年9月、197-201頁。
  18. ^ Arnfried Erder, "Der nordelbische Organist: Studien zu Sozialstatus, Funktion und kompositorischer Produktion eines Musikerberufes von der Reformation bis zum 20. Jahrhundert", Kieler Schriften zur Musikwissenschaft, Kassel: Bärenreiter, 1982, p. 71。また、Wilhelm Stahl, Franz Tunder und Dietrich Buxtehude: Ein biographischer Versuch, Leipzig: Kinstner & Siegel, 1926, pp. 1-77は、ブクステフーデが記録した帳簿にもとづき、ブクステフーデのヴェルクマイスターとしての活動や当時の経済状況を記しているが、この帳簿は1942年のリューベック空襲の際に焼失している。
  19. ^ ブクステフーデは、ペーター・ハインリヒ・テスドルプフ、ハインリヒ・キルヒルング、ヨハン・リッター等、歴代の市長と親交を結び、その家族の婚礼を祝う作品を作曲している(BuxWV116, 118)。
  20. ^ 高橋理、279頁。
  21. ^ 山下道子、9、11-12頁。
  22. ^ Erder, p. 62.
  23. ^ Snyder 2007: pp. 54-66.
  24. ^ 山下道子、13頁。なお、当時リューベック市当局がアーベントムジークをいかに誇りにしていたかを示すものとして、1697年の市案内書(Die beglückte und geschmückte Stadt Lübeck, Lübeck, 1697)が残されている。
  25. ^ 山下道子、11頁。
  26. ^ Snyder 2007: pp. 107-120, 218-223.
  27. ^ Christoph Wolff, "Das Hamburger Buxtehude-Bild", In 800 Jahre Musik in Lübeck, Lübeck: Senat der Hansestadt Lübeck, Amt für Kultur, 1982, pp. 64-79。フォールハウトの画中に描かれた楽譜には、「兄弟D. ブクステフーデとJ. A. ラインケンを讃えて」との添え書きがなされている。
  28. ^ 山下道子、15-16頁。なお、Johann Mattheson, Criticae musicae tomus secundus, Hamburg, 1725, p. 57によれば、ブクステフーデがタイレに師事したことになっているが、Snyder 2007: p. 113は、ブクステフーデが当時すでに優れた対位法技法を習得していたことから、2人は互いに同輩と考えていた可能性が高いとしている。
  29. ^ Georg Karstädt, Die Extraordinairen Abendmusiken Dietrich Buxtehudes: Untersuchungen zur Aufführungspraxis in der Marienkirche zu Lübeck, Lübeck: Max Schmidt-Römhild, 1962.
  30. ^ Johann Mattheson, Grundlage einer Ehrenpforte, Hamburg, 1740 (reprint, Max Schneider ed., Berlin: Kommissionsverlag von Leo Liepmannssohn, 1910), p. 94.
  31. ^ Werner Neumann, Hans-Joachim Schulze ed., Dokumente zum Nachwirken Johann Sebastian Bachs 1750-1800 (Bach Dokumente III), Kassel: Bärenreiter, 1972, p. 82.
  32. ^ 山下道子、14頁。
  33. ^ ウーリヒの追悼詩については、Dieter Kricheberg, "Das protestantische Kantorat im 17. Jahrhundert: Studien zum Amt des deutschen Kantors", Berliner Studien zur Musikwissenschaft, Berlin: Merseburger, 1965, p. 149.
  34. ^ Friedrich Blume, "Das Kantatenwerk Dietrich Buxtehudes", Jahrbuch der Musikbibliothek Peters, 1940, Martin Geck, "Die Vokalmusik Dietrich Buxtehudes und der frühe Pietismus", Kieler Schriften zur Musikwissenschaft, Kassel: Bärenreiter, 1965, pp. 77-151, Snyder 2007: pp. 149-156.
  35. ^ プロテスタント教会音楽へのコンチェルタート様式の導入およびカンタータの形成については、バロック音楽研究会、78-83頁。
  36. ^ オスティナート・バスによる声楽曲の事例として、『主よ、汝さえこの世にあれば(Herr, wenn ich nur dich hab')』(BuxWV38)譜例1参照。
    譜例1
  37. ^ Søren Sørensen, "Monteverdi - Förster – Buxtehude: Entwurf zu einer entwicklungsgeschichtlichen Untersuchung", Dansk Aarbog for Musikforskning, 1963, pp. 87-100は、小さなモティーフの積み重ね、簡潔な和声進行といった点にカリッシミ等との類似性を認めている。
  38. ^ 単一の歌詞による楽曲における分節化の事例として、Snyder 2007は、レチタティーヴォ部分や純音楽的な構造を優先させたアリアに近い部分を含む声楽コンチェルト(BuxWV98)、コラールの各節を楽器編成や定旋律の扱い方によって区別するBuxWV21, 41, 78, 100、最初の節が全歌唱声部によって歌われた後、いくつかの節が独唱アリアとして続き、付加された「アーメン」、「アレルヤ」等で締めくくられるアリア(BuxWV6, 63, 93, 108)を挙げている。
  39. ^ 声楽コンチェルトとアリアを組み合わせたカンタータの事例として、『我はこの世を去りて(Ich habe Lust abzuscheiden)』(BuxWV47)譜例2-4参照。この作品は、ピリピ人への手紙第1章第23節とミヒャエル・ヴァルターの有節詩『解き放ち給え(Spann aus, spann aus, ach frommer Gott)』(1670年)より3節を組み合わせたものであるが、燃え立つような上行音型による憧れ(譜例2)、イエスを寄り慕うかのごとき親密な模倣(譜例3)、消え入るような終止形による死の表現(譜例4)等、簡潔な音表象を通して歌詞の内容が余すことなく表現されている。
    譜例2
    譜例3
    譜例4
  40. ^ ヨハン・シェフラー(アンゲルス・ジレージウス)によるBuxWV59, 74, 80、ヨハン・ヴィルヘルム・ペーターゼンによるBuxWV90の他に、ヨハン・リストによるBuxWV14, 22, 23, 84, 85, 87、エルンスト・クリストフ・ホンブルクによるBuxWV58, 62, 66, 70、ハインリヒ・ミュラーによるBuxWV108、アハスヴェルス・フリツシュによるBuxWV25, 105、作者不詳によるBuxWV63, 112等が挙げられる。
  41. ^ 『我らがイエスの四肢(Membra Jesu nostri)』(BuxWV75)は、ソロモンの雅歌等から引用された聖句とアルヌルフ・デ・ルーヴァンの『リトミカ・オラツィオ(Rythmica oratio)』の一節からなるが、後者は17世紀においては、クレルヴォーのベルナルドゥスの作として広く伝承されていた。
  42. ^ バロック時代におけるドイツ神秘主義については、トーマス・インモース「バロック神秘主義」『ルネッサンス双書7 ルネッサンス期の神秘思想』荒竹出版、1978年7月、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヴェンツラッフ=エッゲベルト、横山滋訳『ドイツ神秘主義』国文社、1979年4月。また、ルター派敬虔主義については、伊藤利男『敬虔主義と自己証明の文学』人文書院、1994年4月。ソロモンの雅歌の神秘主義的解釈に代表される花嫁神秘主義(Brautmystik)や、十字架上のイエスの傷の観想が信仰心を育むといった考え方は、クレルヴォーのベルナルドゥスに由来するとされる(クレルヴォーのベルナルドゥス、山下房三郎訳『雅歌について』1-4巻、あかし書房、1977-1996年)。一方、戦乱に明け暮れた17世紀ドイツの民衆の生活については、ペーター・ラーンシュタイン、浜田節夫訳『バロックの生活』叢書ウニベルシタス228、法政大学出版局、1988年4月、23-30頁。
  43. ^ ブクステフーデの声楽曲におけるルター派敬虔主義の影響を指摘したものとして、Geck, pp. 77-151。敬虔主義のプロテスタント教会音楽への全般的な影響については、バロック音楽研究会、12頁。ただし、ルター派敬虔主義は、カルヴァン派と同様に教会の礼拝における音楽の使用に消極的であったことから、敬虔主義はブクステフーデの創作の源泉であったとしても、ブクステフーデが敬虔主義者であったとする説は否定されている(Snyder 2007: pp. 147-149)。
  44. ^ Snyder 2007: pp. 371-374.
  45. ^ ヴィオラ・ダ・ガンバを独奏楽器として扱った作品の事例として、『全地よ、主に向かいて喜びの声をあげよ(Jubilate Domino)』(BuxWV64)譜例5参照。当時ドイツの各都市は、さまざまな祝祭や行事で音楽を奏する職業音楽家(Ratsmusikant)を雇っており、リューベックでも、ヴィオラ・ダ・ガンバ等の名手ペーター・グレッケが聖マリア教会における音楽の演奏に参加していた。グレッケをはじめ、ガブリエル・シュッツ、マルティン・ラーデック等、リューベック・ヴィオラ・ダ・ガンバ楽派の作品を集めた録音として、Simone Eckert, Hamburger Ratsmusik, Lübecker Virtuosen: Musik von Dietrich Buxtehude und seinen Kollegen, Thorofon CTH2474.
    譜例5
  46. ^ André Pirro, Dietrich Buxtehude, Paris: Fischerbacher, 1913 (reprint, Geneva: Minkoff, 1966).
  47. ^ 古様式によるミサ・ブレヴィス(BuxWV114)のキリエの冒頭部について、譜例6参照。
    譜例6
  48. ^ Snyder 2007: pp. 218-223.
  49. ^ 『子羊の婚礼(Die Hochzeit des Lammes)』(BuxWV128)のテキストについては、Pirro, pp. 175-184。『悲しみの城砦(Castrum doloris)』(BuxWV134)、『栄誉の神殿(Templum honoris)』(BuxWV135)のファクシミリは、Karstädt 1962.
  50. ^ 『最後の審判(Das jüngste Gericht)』(BuxWV Anh.3)は、1939年にWilly Maxtonがデューベン・コレクションに収録された作者不詳の作品を再構成し、ブクステフーデの作品として出版したものであるが、その真作性に対しては長い間疑義が投げかけられてきた(Martin Geck, "Nochmals: Die Authentizität des Vokalwerks Dietrich Buxtehudes in quellenkritischer Sicht", Die Musikforschung, 1963, pp.175-181)。これに対して、Snyder 2007: pp. 208-211は、新たな様式研究にもとづいて同曲が真作であると主張し、2007年にはTon Koopmanによる復元にもとづく原典版が出版されたことから関心が高まっている。こうした状況について、Christoph Wolffは、作品の質が均一でないことから疑作として分類されることは妥当であるが、ブクステフーデの密接な関わりのなかで作曲されたことは確実であろうとしている。
  51. ^ ブクステフーデの前奏曲は、即興的な部分と対位法的な部分が交互に繰り返されることを基本としつつ、フーガを1つしか持たないもの(BuxWV144, 147, 157)や、3つのフーガを含むもの(BuxWV136, 141, 142, 150)もあり、楽曲構成はさまざまである(Snyder 2007: pp. 241-242)。
  52. ^ オスティナート形式を伴った楽曲の事例として、前奏曲ト短調(BuxWV148)譜例7参照。
    譜例7
  53. ^ 前奏曲ハ長調(BuxWV137)の冒頭部について、譜例8参照。
    譜例8
  54. ^ Snyder 2007: pp. 242-245.
  55. ^ 1874年1月19日付の手紙。Johannes Brahms, Carl Krebs ed., Briefwechsel mit Philipp Spitta, Berlin: Verlag der Deutschen Brahms-Gesellschaft, 1920, p. 53.
  56. ^ コラール前奏曲の事例として、『我らが神は堅き砦(Ein feste Burg ist unser Gott)』(BuxWV184)譜例9参照。
    譜例9
  57. ^ Snyder 2007: pp. 262-263.
  58. ^ Friedhelm Krummacher, "Stylus phantasticus und phantastische Musik: kompositorische Verfahren in Toccaten von Frescobaldi und Buxtehude", Schütz Jahrbuch, 1980; Matthias Schneider, Buxtehudes Choralfantasien: Textdeutung oder phantastischer Stil?, Kassel: Bärenreiter, 1997; Peter Dirksen, "The Enigma of the stylus phantasticus and Dietrich Buxtehude's Praeludium in G Minor(BuxWV 163)", Orphei Organi Antiqui: Essays in Honor of Harald Vogel, Seattle: Westfield Center, 2006, pp. 107-132。Matthias Schneiderの著書は、スティルス・ファンタスティクスの実例として、BuxWV210の分析を含んでいる(pp. 93-108)。
  59. ^ Johann Gottfried Walter, Musikalisches Lexicon oder musikalische Bibliothek, Leipzig, 1732(fascimile reprint, Richard Schaal ed., Kassel: Bärenreiter, 1953).
  60. ^ Johann Mattheson, Der vollkommene Capellmeister, Hamburg, 1739 (fascimile reprint, Margarete Reimann ed., Kassel: Bärenreiter, 1954), part I chap. 10, p. 95。ただし、同書は BuxWV152を誤ってヨハン・ヤーコプ・フローベルガーの作品としている。
  61. ^ Hans-Joachim Schulze ed., Fremdschriftliche und gedruckte Dokumente zur Lebensgeschichte Johann Sebastian Bachs 1685-1750(Bach Dokumente II), Kassel: Bärenreiter, 1969, pp. 19-20.
  62. ^ Mattheson 1739, part II chap. 4 p. 73.
  63. ^ Pieter Dirksen ed., VI Suittes, divers airs avec leurs variations et fugues pour le clavessin (Amsterdam, 1710), Utrecht: Koninklijke Vereniging voor Nederlandse Muziekgeschiedenis, 2004, Pieter Dirksen, A Buxtehude Discovery.
  64. ^ スティル・ブリゼ(style brisé)とは、フランス・リュート楽派において開拓された、分散和音に基づく様式である。ブクステフーデの鍵盤組曲はフランス的な繊細さに溢れ、豪放なオルガン自由曲と好対照をなしている。スティル・ブリゼの事例として、組曲ニ短調(BuxWV234)譜例10参照。
    譜例10
  65. ^ Snyder 2007: p. 283.
  66. ^ Snyder 2007: pp. 284-285.
  67. ^ 勇壮なヴィオローネのソロで開始するソナタニ長調(BuxWV267)の終曲フーガについて、譜例11参照。
    譜例11
  68. ^ Mattheson 1740.
  69. ^ ソナタイ長調(BuxWV263)におけるヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバの即興的なソロについて、譜例12, 13参照。なお、Christine Defant, Kammermusik und Stylus phantasticus: Studien zu Dietrich Buxtehudes Triosonaten, Frankfurt: Peter Lang, 1985, pp. 115-172は、同曲をスティルス・ファンタスティクスの実例として詳しく分析している。
    譜例12
    譜例13
  70. ^ Philipp Spitta, Johann Sebastian Bach, Leipzig, 1873 (reprint, New York: Dover, 1951).
  71. ^ Carl Stiehl, "Die Familie Düben und die Buxtehude'schen Manuscripte auf der Bibliothek zu Uppsala", Monatshefte für Musikgeschichte 21(2), 1889, pp. 2-9、バロック音楽研究会、123-137, 293-294頁。デューベン・コレクションには、ブクステフーデの声楽曲の大半を占める99曲の手稿譜が集められている。
  72. ^ 『我らがイエスの四肢(Membra Jesu nostri)』(BuxWV75)の代表的な録音は次のとおりである。
    1. Jörg Breiding, Knabenchor Hannover, Himmlische Cantorey, Barockensemble L'Arco, Rondeau ROP7006
    2. Harry Christophers, The Sixteen, The Symphony of Harmony & Invention, LINN CDK141
    3. Diego Fasolis, Chor of Radio Svizzera Lugano, Sonatori de la Gioiosa Marca, Naxos 8.553787
    4. John Eliot Gardiner, The Monteverdi Chor, The English Baroque Soloists, Archiv 427 660-2
    5. Benoît Haller, La Chapelle Rhénane, K617 K617-207
    6. René Jacobs, Concerto Vocale, harmonia mundi france HMC901333
    7. Konrad Junghänel, Cantus Cölln, harmonia mundi france, HMC901912
    8. Wolfgang Katschner, Capella Angelica, Lautten Compagney, Raumklang RK2403
    9. Ton Koopman, Hannover Knabenchor, The Amsterdam Baroque Orchestra, Erato 2292-45295-2
    10. Michel Laplénie, Ensemble Vocal Sagittarius, Ligia Digital Lidi0202097-01
    11. Erik van Nevel, Currende, Eufoda 1294
    12. Hans-Christoph Rademann, Dresdner Kammerchor, Carus 83.234
    13. Stephan Schreckenberger, Musica Lingua, L'arpa festante, Genuin GEN04048
    14. 鈴木雅明, Bach Collegium Japan, BIS CD871
    15. Jos van Veldhoven, Netherlands Bach Society, Channel Classics CCS SA24006
    16. Alexander Weimann, Les Voix Baroques, Atma ACD2 2563
    この他に、2004年に収録されたRené Jacobs, Schola Cantorum BasiliensisによるDVD(harmonia Mundi france HMD9909006)が発売されている。
  73. ^ Reinhard Goebel, Musica Antiqua Köln, Deutsche Kammermusik vor Bach, Archiv 2723 078
  74. ^ Georg Karstädt, Thematisch-systematisches Verzeichnis der musikalischen Werke von Dietrich Buxtehude, Wiesbaden: Breitkopf & Härtel, 1974 (2nd ed., 1985).

参考文献[編集]

研究文献[編集]

  • バロック音楽研究会編『教会カンタータの成立と展開-バロック音楽の諸相』アカデミア・ミュージック、1995年10月 ISBN 4870170639
  • 山下道子「ルネサンス・バロックの作曲家たち17 ディートリヒ・ブクステフーデ」『季刊リコーダー』第54号、全音楽譜出版社、1984年4月 ISBN 4119740315
  • 辻壮一他「特集 ブクステフーデ」『礼拝と音楽』第28号、日本基督教団出版部、1981年4月
  • Kerala Johnson Snyder, Dieterich Buxtehude: Organist in Lübeck, 2nd Revised Edition, New York: University of Rochester Press, 2007.5 ISBN 1580462537
  • Geoffrey Webber, North German Church Music in the Age of Buxtehude, Oxford: Oxford University Press, 1996.5 ISBN 019816212X
  • Arnfried Edler, Friedhelm Krummacher ed., Dietrich Buxtehude und die europäische Musik seiner Zeit: Bericht über das Lübecker Symposion 1987, Kassel: Bärenreiter, 1990 ISBN 3761809948

現代譜[編集]

  • Wilibald Gurlitt ed., Dietrich Buxtehudes Werke, vols. i-viii, Hamburg: Ugrino, 1925-1958 (reprint, New York: Broude International Editions, 1977)
  • Kerala Johnson Snyder, Christoph Wolff ed., Dietrich Buxtehude: The Collected Works, vols. ix-xvi, New York: Broude Trust, 1987-
  • Klaus Beckmann ed., Dietrich Buxtehude: Sämtliche Orgelwerke, vols. i-ii, Wiesbaden: Breitkopf & Härtel, 1971-1972
  • Klaus Beckmann ed., Dietrich Buxtehude: Sämtliche Suiten und Variationen für Klavier/Cembalo, Wiesbaden: Breitkopf & Härtel, 1980

演奏録音[編集]

  • Ton Koopman, The Amsterdam Baroque Orchestra & Choir, Opera omnia, vols. i-vii, Challenge Classics CC72240, CC72241, CC72242, CC72243, CC72244, CC72245, CC72246
  • Ton Koopman, Hannover Knabenchor, The Amsterdam Baroque Orchestra, Cantatas, Erato 2292-45294-2, 2292-45295-2
  • Harald Vogel, Sämtliche Orgelwerke, Musikproduktion Dabringhaus & Grimm 314 1438-2
  • Lars Ulrik Mortensen, Harpsichord Music, vols. i-iii, dacapo 8.224116, 8.224117, 8.224118
  • John Hollway, Jaap ter Linden, Lars Ulrik Mortensen, Complete Chamber Music, vols. i-iii, dacapo 8.224003, 8.224004, 8.224005

外部リンク[編集]