ディナラ・サフィナ(Dinara Safina, ラテン翻字: Dinara Mubinovna (Mikhailovna) Safina, ロシア語: Дина́ра Муби́новна Са́фина または Дина́ра Миха́йловна Са́фина, 1986年4月27日 - )は、ロシア・モスクワ出身の女子プロテニス選手。4大大会で2勝を挙げた男子の元世界ランキング1位、マラト・サフィンの妹である。2009年4月20日から世界ランキング1位になり、“兄妹世界1位”を実現させた。
4大大会では2007年の全米オープン女子ダブルスでナタリー・ドシー(フランス)とペアを組んで優勝したが、シングルスで3度の準優勝がある。2008年の北京五輪の女子シングルス銀メダル獲得もある。これまでにWTAツアーでシングルス12勝、ダブルスで2007年全米オープンを含む9勝を挙げる。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。身長182cm、体重70kgで、兄とよく似た長身の体格を持つ。
[編集] 来歴
ジュニア時代、2001年のウィンブルドン女子ジュニア部門で準優勝がある。兄のマラトは、前年の2000年に全米オープン男子シングルス優勝者となり、ディナラがジュニア準優勝した2001年ウィンブルドン大会ではベスト8に入った。2002年から女子プロテニスツアーに参戦を開始し、同年7月にポーランド・ソポトの大会で早々とツアー初優勝を果たす。同年の全米オープンで4大大会にデビューし、2回戦で第1シードのセリーナ・ウィリアムズに挑戦した。2005年は2月の「パリ・インドア選手権」と5月のチェコ・プラハの大会で年間2勝を挙げた。
2006年の全豪オープンでは2回戦敗退に終わったが、女子ツアー大会での上位進出が大幅に増えた。5月にイタリア・ローマで行われた「イタリア国際選手権」決勝では、当年度からの現役復帰を果たしたマルチナ・ヒンギスに 2-6, 5-7 で敗れた。続く全仏オープンでは4回戦で第4シードのマリア・シャラポワを 7-5, 2-6, 7-5 で破り、初めて4大大会に8強進出を決めたが、準々決勝でスベトラーナ・クズネツォワ(同じくロシアの選手)に 6-7, 0-6 で敗れた。全米オープンではシングルス準々決勝でアメリ・モレスモに 2-6, 3-6 で敗れた後、初めて4大大会ダブルス決勝に勝ち進む。サフィナはカタリナ・スレボトニク(スロベニア)とペアを組み、ナタリー・ドシー(フランス)&ベラ・ズボナレワ(ロシア)組に 6-7, 5-7 で敗れて準優勝になった。
2007年、サフィナは全米オープンの女子ダブルスで(前年度は決勝でネット越しに戦っていた)ドシーとペアを組み、決勝で台湾ペアの詹詠然&荘佳容組を 6-4, 6-2 で破って優勝した。こうして、ディナラも初めての4大大会タイトルを獲得した。
2008年5月の「カタール・テレコム・ドイツ・オープン」で、サフィナは3回戦でジュスティーヌ・エナンを 5-7, 6-3, 6-1 で破って勝ち進み、決勝で同じロシアのエレーナ・デメンチェワを破って優勝した。全仏オープン4回戦で、サフィナは第1シードのマリア・シャラポワを 6-7, 7-6, 6-2 で破ると、準々決勝でデメンチェワ、準決勝でクズネツォワに勝ち、初めての4大大会シングルス決勝進出を決めた。決勝戦では第2シードのアナ・イバノビッチ(セルビア)に 4-6, 3-6 で敗れた。8月の北京五輪では第6シードから決勝に進み、デメンチェワに 6-3, 5-7, 3-6 の逆転で敗れて銀メダリストになった。このオリンピック女子シングルスでは、デメンチェワが金メダル、サフィナが銀メダル、ベラ・ズボナレワが銅メダルを獲得したため、3つのメダルをすべてロシア勢が独占した。全米オープンでは、初進出の準決勝でセリーナ・ウィリアムズに敗れた。全米オープン終了後、日本の東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメントで初優勝を挙げた。
2009年の全豪オープンで、サフィナは2度目の4大大会女子シングルス決勝進出を決めた。決勝戦ではセリーナ・ウィリアムズに 0-6, 3-6 のストレートで完敗し、ここでも準優勝に終わった。4月20日付の女子テニス世界ランキングで、サフィナはS・ウィリアムズを抜き、初めて1位になった。兄のマラトも2000年秋に男子世界ランキング1位になったことがあり、“兄妹世界1位”を実現させたことになる。全仏オープンでは2年連続2度目の決勝戦に進出したが、同じロシアのスベトラーナ・クズネツォワに 4-6, 2-6 のストレートで敗れ、サフィナは全仏で2年連続・グランドスラムで2大会連続3度目の準優勝に終わった。ウィンブルドンの準決勝では、過去に5度の優勝を誇るビーナス・ウィリアムズに 1-6, 0-6 で完敗した。
2010年は全仏オープンでクルム伊達公子に 6-3, 4-6, 5-7 で敗れ1回戦敗退を喫した。2011年全豪オープンでは1回戦でキム・クライシュテルスに 0-6, 0-6 で1ゲームも奪えずに敗れた。4月末のマドリード大会2回戦でユリア・ゲルゲスに敗れた試合を最後に休養している。
[編集] WTAツアー決勝進出結果
[編集] シングルス: 24回 (12勝12敗)
| 大会グレード |
| グランドスラム (0–3) |
| ツアー選手権 (0–0) |
| オリンピック (0–1) |
| ティア I (3–2) |
| ティア II (2–0) |
| ティア III (2–3) |
| ティア IV & V (2–0) |
| プレミア (2–3) |
| インターナショナル (1–0) |
| 結果 |
No. |
決勝日 |
大会 |
サーフェス |
対戦相手 |
スコア |
| 優勝 |
1. |
2002年7月27日 |
ソポト |
クレー |
ヘンリエッタ・ナギョワ |
6–3, 4–0 途中棄権 |
| 優勝 |
2. |
2003年7月13日 |
パレルモ |
クレー |
カタリナ・スレボトニク |
6–3, 6–4 |
| 準優勝 |
1. |
2004年10月31日 |
ルクセンブルク |
ハード (室内) |
アリシア・モリク |
3–6, 4–6 |
| 優勝 |
3. |
2005年2月13日 |
パリ |
カーペット (室内) |
アメリ・モレスモ |
6–4, 2–6, 6–3 |
| 優勝 |
4. |
2005年5月15日 |
プラハ |
クレー |
ズザーナ・オンドラスコバ |
7–6(2), 6–3 |
| 準優勝 |
2. |
2006年5月21日 |
ローマ |
クレー |
マルチナ・ヒンギス |
2–6, 5–7 |
| 準優勝 |
3. |
2006年6月24日 |
スヘルトーヘンボス |
芝 |
ミハエラ・クライチェク |
3–6, 4–6 |
| 優勝 |
5. |
2007年1月6日 |
ゴールドコースト |
ハード |
マルチナ・ヒンギス |
6–3, 3–6, 7–5 |
| 準優勝 |
4. |
2007年4月15日 |
チャールストン |
クレー |
エレナ・ヤンコビッチ |
2–6, 2–6 |
| 優勝 |
6. |
2008年5月11日 |
ベルリン |
クレー |
エレーナ・デメンチェワ |
3–6, 6–2, 6–2 |
| 準優勝 |
5. |
2008年6月7日 |
全仏オープン |
クレー |
アナ・イバノビッチ |
4–6, 3–6 |
| 準優勝 |
6. |
2008年6月21日 |
スヘルトーヘンボス |
芝 |
タマリネ・タナスガーン |
5–7, 3–6 |
| 優勝 |
7. |
2008年7月27日 |
ロサンゼルス |
ハード |
フラビア・ペンネッタ |
6–4, 6–2 |
| 優勝 |
8. |
2008年8月3日 |
モントリオール |
ハード |
ドミニカ・チブルコバ |
6–2, 6–1 |
| 準優勝 |
7. |
2008年8月17日 |
北京五輪 |
ハード |
エレーナ・デメンチェワ |
6–3, 5–7, 3–6 |
| 優勝 |
9. |
2008年9月21日 |
東京 |
ハード |
スベトラーナ・クズネツォワ |
6–1, 6–3 |
| 準優勝 |
8. |
2009年1月16日 |
シドニー |
ハード |
エレーナ・デメンチェワ |
3–6, 6–2, 1–6 |
| 準優勝 |
9. |
2009年1月30日 |
全豪オープン |
ハード |
セリーナ・ウィリアムズ |
0–6, 3–6 |
| 準優勝 |
10. |
2009年5月3日 |
シュトゥットガルト |
クレー |
スベトラーナ・クズネツォワ |
4–6, 3–6 |
| 優勝 |
10. |
2009年5月9日 |
ローマ |
クレー |
スベトラーナ・クズネツォワ |
6–3, 6–2 |
| 優勝 |
11. |
2009年5月17日 |
マドリード |
クレー |
キャロライン・ウォズニアッキ |
6–2, 6–4 |
| 準優勝 |
11. |
2009年6月6日 |
全仏オープン |
クレー |
スベトラーナ・クズネツォワ |
4–6, 2–6 |
| 優勝 |
12. |
2009年7月26日 |
ポルトロス |
ハード |
サラ・エラニ |
6–7(5), 6–1, 7–5 |
| 準優勝 |
12. |
2009年8月16日 |
シンシナティ |
ハード |
エレナ・ヤンコビッチ |
4–6, 2–6 |
[編集] ダブルス: 16回 (9勝7敗)
| 結果 |
No. |
決勝日 |
大会 |
サーフェス |
パートナー |
対戦相手 |
スコア |
| 準優勝 |
1. |
2003年1月12日 |
キャンベラ |
ハード |
ダヤ・ベダノワ |
エミリー・ロワ
タチアナ・ガルビン |
3-6, 6-3, 4-6 |
| 優勝 |
1. |
2004年9月26日 |
北京 |
ハード |
エマヌエル・ガリアルディ |
ヒセラ・ドゥルコ
マリア・ベント=カブチ |
6–4, 6–4 |
| 準優勝 |
2. |
2004年1月17日 |
シドニー |
ハード |
メガン・ショーネシー |
カーラ・ブラック
レネ・スタブス |
5-7, 6-3, 4-6 |
| 準優勝 |
3. |
2005年1月10日 |
ホバート |
ハード |
アナベル・メディナ・ガリゲス |
晏紫
鄭潔 |
4–6, 5–7 |
| 準優勝 |
4. |
2005年2月7日 |
パリ |
カーペット (室内) |
アナベル・メディナ・ガリゲス |
イベタ・ベネソバ
クベタ・ペシュケ |
2–6, 6–2, 2–6 |
| 準優勝 |
5. |
2005年2月14日 |
アントワープ |
カーペット (室内) |
アナベル・メディナ・ガリゲス |
カーラ・ブラック
エルス・カレンズ |
6–3, 4–6, 4–6 |
| 優勝 |
2. |
2005年6月18日 |
スヘルトーヘンボス |
芝 |
アナベル・メディナ・ガリゲス |
イベタ・ベネソバ
ヌリア・リャゴステラ・ビベス |
6–4, 2–6, 7–6(11) |
| 優勝 |
3. |
2006年1月7日 |
ゴールドコースト |
ハード |
メガン・ショーネシー |
カーラ・ブラック
レネ・スタブス |
6–2, 6–3 |
| 優勝 |
4. |
2006年2月19日 |
アントワープ |
カーペット (室内) |
カタリナ・スレボトニク |
ステファニー・フォレッツ
ミハエラ・クライチェク |
6–1, 6–1 |
| 準優勝 |
6. |
2006年9月7日 |
全米オープン |
ハード |
カタリナ・スレボトニク |
ナタリー・ドシー
ベラ・ズボナレワ |
6–7, 5–7 |
| 優勝 |
5. |
2007年1月6日 |
ゴールドコースト |
ハード |
カタリナ・スレボトニク |
イベタ・ベネソバ
ガリナ・ボスコボワ |
6–3, 6–4 |
| 優勝 |
6. |
2007年9月9日 |
全米オープン |
ハード |
ナタリー・ドシー |
詹詠然
荘佳容 |
6–4, 6–2 |
| 準優勝 |
7. |
2007年10月7日 |
フィルダーシュタット |
ハード |
詹詠然 |
クベタ・ペシュケ
レネ・スタブス |
7-6, 6-7, [2-10] |
| 優勝 |
7. |
2008年1月5日 |
ゴールドコースト |
ハード |
アグネシュ・サバイ |
晏紫
鄭潔 |
6–1, 6–2 |
| 優勝 |
8. |
2008年3月22日 |
インディアンウェルズ |
ハード |
エレーナ・ベスニナ |
晏紫
鄭潔 |
6–1, 1–6, [10-8] |
| 優勝 |
9. |
2011年3月6日 |
クアラルンプール |
ハード |
ガリナ・ボスコボワ |
ノッパワン・ラトチェワカーン
ジェシカ・ムーア |
7–5, 2–6, [10–5] |
[編集] 4大大会シングルス成績
- 略語の説明
| NH |
開催なし |
A |
欠場 |
LQ |
予選敗退 |
#R |
#回戦敗退 |
QF |
ベスト8 |
SF |
ベスト4 |
F |
準優勝 |
W |
優勝 |
[編集] 外部リンク