テータ関数
テータ関数(テータかんすう、theta function)は、
で定義される関数のことである。それ以外にも、指標付きのテータ関数
、ヤコビのテータ関数、楕円テータ関数
と呼ばれる一連のテータ関数が存在する。 指標付きのテータ関数や楕円テータ関数は、その定義にいくつかの流儀があり、同じ記号を使いながら違ったものを指していることがあるので注意が必要である。 これらの関数は、
の関数と見た場合には擬二重周期を持ち楕円関数に関係し、
の関数と見た場合はモジュラー形式に関係する。
目次 |
テータ関数の定義[編集]
テータ関数は次のように定義される関数のことを指す[1]。
テータ関数を
の関数と見た場合、周期
の周期関数である[2]。
一般には以下の等式を満たす[2]。
ヤコビのテータ関数の定義[編集]
ヤコビのテータ関数は狭義の意味では次の関数のことを指す[3]。
ただし、
は補母数、
は 第1種完全楕円積分、
はヤコビのツェータ関数[4]
はヤコビのイプシロン関数、
は第2種完全楕円積分、
、
は ヤコビの楕円関数、
は振幅関数である。
また、ヤコビのエータ関数[5]
を含めて、
、
、
、
のことをヤコビのテータ関数と呼ぶこともある[6]。ただし、
である。ヤコビのテータ関数は、後述の楕円テータ関数と以下の関係で結ばれている[7]。
ただし、
は、楕円関数の基本周期の半分で、
である。(
、
が楕円関数の基本周期に相当する。)[8]
物理の教科書(たとえば、M.B.Green, J.H.Schwarz and E.Witten, Superstring Theory vol.1 and 2やL.S.Schulman, Techniques and Applications of Path Integrationなど)では後述の
をヤコビのテータ関数と呼んでいるが、やや不正確な言い方である。
指標付きのテータ関数の定義[編集]
以下のように定義された、添え字を2つ持つテータ関数のことを指標付きのテータ関数と呼ぶ[9]。
なお、指標付きのテータ関数の定義には2つの流儀があって統一的に用いられていないため、文献を読むときには注意しなければならない [10]。 この記事で使われているのは、D.Mumford, Tata lectures on thetaで使われているのと同じ定義である[10]。
楕円テータ関数の定義[編集]
楕円テータ関数(だえんテータかんすう、elliptic theta function)は、以下のように定義された関数である[11][12]。 ただし、
、
である。
楕円テータ関数にも定義に2つの流儀があり、注意が必要である。この記事での定義は、フルヴィッツ・クーランの 「楕円関数論」で用いられたのと同じ定義である[13]。添え字が
から
ではなく、
から
までの定義もある。 その場合は、
、
、
の定義は変わらず、
で定義される[14]。 文脈から
或いは
が明らかな場合は
或いは
と書き、更に
と書く。数式処理ソフトウェアMathematicaでは、
のことを
と書いている。
擬二重周期[編集]
テータ関数は擬二重周期を持つ。
無限乗積表示と零点[編集]
ヤコビの三重積の公式により、
であるから
の零点は
である。他の関数の零点も同様にして求められる。
テータ定数[編集]
のときのテータ関数の値をテータ定数(theta constant)、或いはドイツ語でthetanullwerte(テータ零値)という。これは定数といいながら実は
の関数である。
であるから、代わりに導関数を用いる。
とすると
でなるが、オイラーの分割恒等式により、
であるから、
であり、故に
である。
恒等式[編集]
テータ関数の間で次の恒等式が成立する。
疑二重周期と併せて
次の恒等式はヤコビの虚数変換式という。
他に
を変換するものとして
これにより
ランデンの公式[編集]
次の恒等式はランデン(Landen)の公式という。
第一式の左辺を展開すれば
となるが、
が奇数の項は
で打ち消し合うから
となり、右辺を得る。第二式は第一式に
を代入して得る。
加法定理[編集]
例えば
であるが、
は共に偶数か共に奇数であるから、
とすれば
となる。ここで
とすれば
となり、
とすれば
となる。これらにより
が得られ、同様にして数十もの恒等式が得られる。
とすれば
などが得られ、更に
とすれば
が得られる。
対数微分[編集]
無限乗積表示
の対数微分により
である。同様に
である。
出典[編集]
- ^ 梅村浩著「楕円関数論」東京大学出版会、2000年、ISBN 978-4130613033、p.89.
- ^ a b 梅村「楕円関数論」p.90.
- ^ 森口繁一・宇田川銈久・一松信共著「岩波数学公式Ⅲ(新装版)」1987年、ISBN 4-00-005509-7、pp.51, 308.
- ^ 森口他「岩波数学公式Ⅲ」p.50.
- ^ 森口他「岩波数学公式Ⅲ」pp.51, 308.
- ^ 森口他「岩波数学公式Ⅲ」p.51.
- ^ 森口他「岩波数学公式集Ⅲ」p.51.
- ^ 森口他「岩波数学公式集Ⅲ」pp.46, 51.
- ^ 梅村「楕円関数論」pp.87, 91.
- ^ a b 梅村「楕円関数論」p.118.
- ^ 森口他「岩波数学公式Ⅲ」pp.46-51.
- ^ 梅村「楕円関数論」p.118.
- ^ 梅村「楕円関数論」p.118.
- ^ 森口他「岩波数学公式Ⅲ」p.46.


























![\begin{align}
\vartheta_1'&=\left[\frac{d}{dv}\vartheta_1(v;\tau)\right]_{v=0}\\
&=2e^{{\pi}i{\tau}/4}\pi\cos(0)\prod_{m=1}^{\infty}{\left(1-e^{2m{\pi}i{\tau}}\right)^3}+2e^{{\pi}i{\tau}/4}\sin(0)\frac{d}{dv}\prod_{m=1}^{\infty}{\left(1-e^{2m{\pi}i{\tau}}\right)\left(1-e^{2m{\pi}i{\tau}}e^{2{\pi}iv}\right)\left(1-e^{2m{\pi}i{\tau}}e^{-2{\pi}iv}\right)}\\
&=2{\pi}e^{{\pi}i{\tau}/4}\prod_{m=1}^{\infty}{\left(1-e^{2m{\pi}i{\tau}}\right)^3}\\
\end{align}](http://upload.wikimedia.org/math/c/3/e/c3ece3acc0ada73a1c3825a7f5ef0744.png)






































