ツムブリ

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ツムブリ
Rainbow runner 2.jpg
ツムブリ E. bipinnulata
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: アジ科 Carangidae
亜科 : ブリモドキ亜科 Naucratinae
: ツムブリ属 Elagatis
Bennett, 1840
: ツムブリ E. bipinnulata
学名
Elagatis bipinnulata
(Quoy et Gaimard, 1825)
和名
ツムブリ(錘鰤)
英名
Rainbow runner

ツムブリ(錘鰤、学名 Elagatis bipinnulata) は、スズキ目アジ科に分類される海水魚の一種。ブリに似た大型魚で、全世界の熱帯・亜熱帯海域に分布する。食用や釣りの対象としても利用される。アジ科の分類上では1種のみでツムブリ属 Elagatis に分類されている。

日本での地方名はスギ(伊豆諸島)、オキブリ(三重・和歌山)、マルバマチ(和歌山)、キツネ(高知)、ウメキチ、メキチ、ツンブイ、チョカキン(鹿児島)、トリカジマワシ(鹿児島県甑島)、ヤマトナガイユ(沖縄)等がある[1][2][3][4][5][6]

特徴[編集]

成魚は全長1mほどだが、最大で全長180cm・体重46.2kgの記録がある[7]。体は前後に細長い紡錘形で、吻が前方に尖る。体色は背側が暗緑色-藍色、腹側は白か黄色をしている。体側は黄色か黄緑色で、水色の縦帯が2本走る。臀鰭の前の2遊離棘は皮下に埋もれる。第二背鰭と臀鰭の後ろに小離鰭が各1基ある。尾鰭は三日月形で大きい。ブリヒラマサカンパチ等に近縁だが、頭部が前方に細長く尖ることと小離鰭をもつことで区別できる[1][3][4][5]。和名の「ツム」は紡錘の古語で、ブリに似ていて体が細長い紡錘形をしていることに因る。英名の"Rainbow runner"は、体側の縦縞がのようであることに由来する。

全世界の熱帯・温帯海域に分布する。日本近海では朝鮮半島以南・房総半島以南で見られるが、南西諸島伊豆小笠原諸島で個体数が多く、本州沿岸等では稀である。ブリ、ヒラマサ、カンパチよりは南方系の分布を示す。

沿岸から沖合いの浅い海に生息し、水深150mからの記録もあるが、通常は表層で生活する。群れをなして高速で泳ぎ、遊泳性の小魚や甲殻類を捕食する[1][3][4][5][7]

釣り定置網等で漁獲される。大型魚なので釣りの対象としても人気がある。身は美味で刺身照り焼き等で食べられる。但し大型個体ではシガテラ中毒も報告されている[5][7]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c 蒲原稔治著・岡村収補訂『エコロン自然シリーズ 魚』1966年初版・1996年改訂 保育社 ISBN 4586321091
  2. ^ 檜山義夫監修『野外観察図鑑4 魚』1985年初版・1998年改訂版 旺文社 ISBN 4010724242
  3. ^ a b c 岡村収・尼岡邦夫監修『山渓カラー名鑑 日本の海水魚』(解説 : 木村清志)1997年 ISBN 4635090272
  4. ^ a b c 井田齋 他『新装版 詳細図鑑 さかなの見分け方』2002年 講談社 ISBN 4062112809
  5. ^ a b c d 石川皓章『釣った魚が必ずわかるカラー図鑑』2004年 永岡書店 ISBN 4522213727
  6. ^ 本村浩之監修 いおワールドかごしま水族館『鹿児島の定置網の魚たち』2008年
  7. ^ a b c Elagatis bipinnulata - Froese, R. and D. Pauly. Editors. 2009. FishBase. World Wide Web electronic publication. version (11/2009)