チッチとサリー (曲)

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チッチとサリー
チッチとサリーシングル
B面 カフェ・ル・モンドのメニュー
リリース
規格 シングルレコード
録音 1970年
ジャンル カントリー
フォーク
時間
レーベル EXPRESS
EP-1208
作詞・作曲 秋野由美子、みつはしちかこ、加藤和彦
チッチとサリー シングル 年表
-チッチとサリー
(1970年)
-
加藤和彦 年表
ぼくのそばにおいでよ
1969年
チッチとサリー(チッチとサリー)
(1970年)
あの素晴しい愛をもう一度(加藤和彦と北山修
1971年
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チッチとサリー」 (CHICH&SALLY) は、1970年3月5日 (1970-03-05)に発売された加藤和彦と翁玖美子のデュオ・ユニット、“チッチとサリー”名義によるシングルである。

解説[編集]

「チッチとサリー」は雑誌『美しい十代』に連載されていた、みつはしちかこの漫画『小さな恋のものがたり』の単行本化を記念して制作されたタイアップ・シングルで、漫画の登場人物である少女チッチと青年サリーをモデルとしたデュオによる楽曲の作曲およびサリー役を加藤和彦が担当することになり、歌詞とチッチ役の女性は一般から募集されることとなった[1]。公募の結果、詞は一般人の秋野由美子の作品が採用され、原作者のみつはしがそれに手を加え、同じくオーディションで採用されたチッチ役の翁玖美子とサリー役の加藤および「そのグループ」によって録音された。一方、カップリング曲の「カフェ・ル・モンドのメニュー」は松山猛と「加藤和彦とそのグループ」のコンビによる楽曲で、架空のカフェ「ル・モンド」のメニューを読み上げる内容となっており、1969年12月に東芝からレコードデビューしたアーティストの小野和子と加藤のデュエットで録音された[2]。なお、演奏のバックに話し声や器物の音、手拍子などが入っているが、加藤によれば、これは効果音ではなく実際にスタジオで収録したものだという[3]

アートワーク[編集]

表カバーには加藤と翁玖美子の写真が、裏面には「カフェ・ル・モンド」をイメージしたイラストが使われている。

収録曲[編集]

SIDE A[編集]

  1. チッチとサリー (CHICH&SALLY)  – (2:59)
    作詞:秋野由美子、補作詞:みつはしちかこ、作曲:加藤和彦、編曲:加藤和彦とそのグループ

SIDE B[編集]

  1. カフェ・ル・モンドのメニュー (MENU DU CAFÉ LE MONDE)  – (5:18)
    作詞:松山猛、作曲:加藤和彦、編曲:加藤和彦とそのグループ

アルバム収録[編集]

「チッチとサリー」は、1999年発表の『加藤和彦の世界』に初収録された。「カフェ・ル・モンドのメニュー」は、1970年1月6日渋谷公会堂で行われた「カレッジ・ポップス出初式」出演時のライブ音源(東芝音楽工業 EP-7742)が当シングルと同時にリリースされ、のちにシングル音源も1977年発表の『Catch-22』に初収録された。

参考文献[編集]

  • 松木直也 (聞き手・構成) 編『加藤和彦 ラスト・メッセージ』文藝春秋、2009年12月。ISBN 978-4-16-372280-1 
  • 『ミュージック・マガジン 2009年12月号』株式会社ミュージック・マガジン、2009年12月。 
  • 文藝別冊 (編) 編『加藤和彦 あの素晴しい音をもう一度』河出書房新社、2010年2月。ISBN 978-4-30-997731-7 

脚注[編集]

  1. ^ 『ぼくのそばにおいでよ』(ユニバーサルミュージックジャパン UPCY-7306)小松喜冶のライナーノーツより
  2. ^ 小野和子は1969年8月に「ヤング720」でステージデビュー(シングル「帰らない人 / 明日をもとめて」東芝音楽工業 1969年12月 EP-1195 TBS担当ディレクター、春日紀衛の解説より)。セカンド・シングルで加藤作の「しあわせのつづき」(同 1970年 EP-1218)、サード・シングルで「ふしぎな日」(同 1970年 EP-1254)を録音している。
  3. ^ 『加藤和彦 あの素晴しい音をもう一度』p.70