ダサ未来
ダサ未来(ださみらい)とは、「ダサい(格好悪い)未来」という造語の省略形。1950年代末~1970年代初頭に描かれた「近未来」的なイメージや、それに合致するデザイン形態を好む、懐古趣味とされる。
[編集] 概要
この「ダサ未来」は、日本で2000年代頃よりインテリア関係や雑貨のスタイリング雑誌等において、しばしば聞かれるようになったが、まだ明確な定義は無い。少々別の意味でも使われるなど、現状では混乱もあるが、「レトロフューチャー」「ネオ・モダン」などの事例を語る際に散見される。「ダサい(格好悪い)未来」の省略形であるが、センスの上で全面的な否定を意味する俗語の「ダサい」とは違い、その前衛的な部分に他する、否定と肯定の両方の意味を同時に含む(似たような相反する概念の両立性を持つかばん語としては、キモかわいいやブスかわいいが挙げられる)。
明確な定義付けに乏しい同語ではあるが、その扱われ方に関しては1960年代末から1970年代に興った近未来指向の前衛的美術スタイルや、当時の量産品に対する評価などで時折みられる。当時のトップ・デザイナーが手掛けたモダンな作品やインダストリアルデザインなどでは決してなく、一般の量産的な製品や日常にもみられた近未来風の形状や無名のデザインにも独特の美意識を見出す。このようにダサ未来の愛好者の中には、当時発売されながら前衛的であまり市場に出回らなかった家具に関心を抱いたり、当時の近未来を扱った映画などに嗜好を示すなどしている。
同時代には「近未来的なイメージ」としてサイエンス・フィクションから一般工業製品に至るまで、金属光沢やプラスチックののっぺりした質感を前面に押し出しながら、無機質だが有機的なフォルムを取り入れたり、あるいは大量生産が利くように考慮されながらも、けして生産性一辺倒ではない異質なデザインも多く登場している。
科学万能社会の幻想が崩壊した現在、当時の人々の目指した方向でのバラ色の未来はもう来ないが、その「ロスト・フューチャー」(失われた未来)とも言われるその時代の前衛的なスタイルは2000年代頃より「個性的」と評され、懐古趣味的な愛好家を徐々に増やしている。
これら物品は、現在出回っているそのほとんどが近代的な古物(中古品)であるのだが、これを専門に扱う古物商も見られ、また当時の玩具の中にも「今一つ格好良くは無いけれど、そこがかえって新鮮」という評価が与えられる物の存在も聞かれる。