タスマニア物語

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タスマニア物語
監督 降旗康男
脚本 金子成人
製作 日枝久
製作総指揮 鹿内宏明
出演者 田中邦衛
薬師丸ひろ子
多賀基史
根津甚八
かとうかずこ
音楽 久石譲
主題歌 伊豆田洋之
「IN YOUR EYES」
撮影 林淳一郎
編集 飯塚勝
製作会社 フジテレビジョン
配給 東宝
公開 日本の旗 1990年7月21日
上映時間 105分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
英語
配給収入 25億2000万円
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タスマニア物語』(タスマニアものがたり)は、1990年公開の日本映画配給収入は25.2億円(1990年邦画配収2位)[1]

あらすじ[編集]

小学6年生の主人公・石沢正一は春休みに、離婚した父親・栄二が住むオーストラリアを訪れる。しかし父は夢を求めて一流会社を退職し、タスマニア州に移って絶滅したとされる幻の生き物タスマニアタイガーを探していた。正一はシドニーで知り合った家出少年の都築実とタスマニアに行くことになる。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

製作の背景[編集]

この映画は特殊な事情で製作・上映された。角川映画『天と地と』が東宝配給で上映されることになっていたが、配給歩率を巡るトラブル[2][3]により、配給が東映に変更された。これにより東宝の1990年夏の映画ラインナップに穴が空くこととなり、東宝がフジテレビに話を持ちかけて映画の企画がスタートした。問題が発生したのが1989年の冬の時期だったことから、晴れ間を撮れる南半球を舞台にすることとなった。

そして、急ごしらえの企画の映画を成功させるべく、フジテレビの総力を挙げての怒涛の宣伝活動が行われた。タスマニアの美しい自然、動物の可愛さ、ダジャレなど、考えられる限りの演出を駆使したCMやテレビ番組が大量に放映され、良好な興行成績を残した。

『天と地と』と同様に本作でも前売り券が大量に売られ、その総数は200万枚に達した[4]。観客動員数は350万人で、フジテレビによると内訳は80%がファミリー、残りはOL層だった[4]

映像ソフト・関連商品[編集]

DVD 

2001年11月21日発売、ポニーキャニオン。ASIN: B00005QYII

サウンドトラック 
  • 『タスマニア物語・サウンドトラック』 久石譲NECアベニュー 1990年7月21日発売)
  • 久石のアルバム『I am』にもこの映画のメイン・テーマ「Tasmanian Story」が収録されている。
楽譜 
  • 久石譲:『サウンドトラックベストコレクション』 ドレミ楽譜出版社 (2003年4月18日初版)
メイン・テーマ「Tasmanian Story」のピアノ・アレンジ譜を収録。(「仔鹿物語」などと併録)
漫画
学年誌別冊付録として発表されたコミカライズ作の単行本。
ゲーム 

本作のタイアップ作品として、1990年7月27日にポニーキャニオンからゲームボーイ向けに同名のアクションゲームが発売された。『マッピー』に似たゲームであり、植物を集めてクリアとなる内容。しかし、内容は原作と関係がない(元々は8ビットパソコン用ゲーム「フルーツパニック」の移植)、音楽はわずか1種類、キャラクターのデザインはやたらと真っ黒、単調な内容に反してファミコン初期のゲームを彷彿とさせる過剰に高い難易度などから、ゲームとしての完成度は低く、当時のプレーヤーには不評であった[5]。BGMも「短い不協和音」「陰鬱」などと後ろ向きな評価を受けている[6]

受賞歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 1990年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
  2. ^ 「映画トピックジャーナル」『キネマ旬報』1989年8月上旬号、160 - 161頁。 
  3. ^ 「映画トピックジャーナル」『キネマ旬報』1989年9月上旬号、170 - 171頁。 
  4. ^ a b サンデー毎日』1990年10月7日号、156頁。
  5. ^ M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、18ページ
  6. ^ 株式会社QBQ編 『ゲームボーイクソゲー番付』マイウェイ出版発行、2017年。ISBN 9784865117790 p17

外部リンク[編集]