ゾティーク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ゾティーク、又はゾシーク (ZOTHIQUE) は、クラーク・アシュトン・スミスの小説の舞台の一つである遠い未来の大陸の名、およびそれを舞台とする小説群のシリーズ名。
目次 |
概要 [編集]
スミスの作品中、作品点数と規模において最も大きな部分を占めるものである。ファンタジージャンルに属するもので、より詳しい分類によれば「終末もの」および「ダイイング・アースもの」に分類される。
未来の或る時期において海から隆起した大陸であるとされる。科学文明が滅び、太古の魔法が復活した世界である事が特徴。大瀧啓裕はスミスの作品の中でも「スミスがこよなく愛したもの」[1]としている。また、1953年11月3日付けのL・スプレイグ・ディ・キャンプへの手紙でスミスは次のように記している。
- 「過去と未来の大陸についての神智学理論で漠然と示唆されたゾティークは、地球最後の人間の住む大陸だ。現在の我々の周期の大陸は、おそらく何度か沈んでいる。一部は沈んだままで、他は部分的に再浮上して自らを再配置した。(中略)我々の文明の科学や技術は、我々の宗教と共に忘れられている。しかし多数の神々が崇拝されている。そして、魔法と魔神崇拝が太古と同様に再び広まっている。水夫はオールと帆だけを使っている。火器はなく、弓矢と剣と槍などしかない」[2]
作品一覧 [編集]
「ゾティーク」シリーズには16の短編、1つの演劇、および未完成原稿や草稿が存在する。以下は邦訳のあるもの。
詩 [編集]
- ゾティーク
小説 [編集]
- 降霊術師の帝国
- 拷問者の島
- 死体安置所の神
- 暗黒の魔像
- エウウォラン王の航海
- 地下納骨所に巣を張るもの
- 墓の落とし子
- ウルアの妖術
- クセートゥラ
- 最後の象形文字
- ナートの降霊術
- プトゥームの黒人の大修道院長
- イラロタの死
- アドムファの庭園
- 蟹の支配者
- モルテュッラ
ゾティークの地理 [編集]
幾人かのアーティストによって地図が描かれているが、アーティストの想像によって補われた部分の多いものばかりである。今日に至るまで全てのストーリーと矛盾の無い、「完全」な地図は存在しない。
島々 [編集]
ゾティークの西、東、南には島々が存在する。北方の地理ははっきりしない。
中央大陸 [編集]
数々の領土や王国、都市が存在する。
失われた王国 [編集]
人口の減り続けている世界であり、王国の興亡に伴ない見捨てられた都市の廃墟などが存在する。
ゾティークの神々、魔神たち [編集]
ゾティークは多神教的な社会であり、多くの神々が信奉されている。いくつかは寺院や司祭をもった公然の信仰であるが、邪神も秘密裏に信奉されている。
- アリラ (Alila)
- 「ウルアの妖術」で言及されている地獄の女王。邪悪全ての女神とされている。
- ウェルガマ (Vargama)
- ウェルガマを参照。
- オジュハル (Ojhal)
- 「プトゥームの黒人の大修道院長」で言及されている処女の女神。
- ゲオル (Geol)
- 「エウウォラン王の航海」で言及されている大地の神。
- タサイドン (Thasaidon)
- 詳細はタサイドンを参照。
- タモゴルゴス (Thamogorgos)
- 「暗黒の魔像」で言及されている深遠の王。
- ニオス・コルガイ (Nios-Korghai)
- ニオス・コルガイを参照。
- バサタン (Basatan)
- バサタンを参照。
- モルディッギアン (Mordiggian)
- モルディッギアンを参照。
- ユクラ (Yuckla)
- 「地下納骨所に巣を張るもの」で言及されている笑いを司るグロテスクな小神。その力は慈悲深いものとされている。
出典・脚注 [編集]
- ^ クラーク・アシュトン・スミス 「ゾティーク幻妖怪異譚」(東京創元社) ISBN 448854102X
- ^ Clark Ashton Smith (2003). Selected Letters of Clark Ashton Smith. Arkham House. ISBN 0-87054-182-X.