昼ドラ

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昼ドラ(ひるドラ)は、平日の主に12時 - 13時台に放送される、主婦層をターゲットとしたテレビドラマの総称。語源は昼の帯ドラマで、東海テレビの見解ではその通称を『昼ドラ』としている[1][2]。別称として昼の連続ドラマ[2][3]昼帯ドラマ[4]昼帯[5]昼ドラマ[6]もある。現在唯一の制作局である東海テレビにおいて、公式資料・公式会見・公式ウェブサイトでは『昼の帯ドラマ』[1][2][7]や通称である『昼ドラ』[1][2]、または『昼の連続ドラマ』[2][3]が用いられている。かつて昼ドラ枠「愛の劇場」「ドラマ30」「ひるドラ」を制作・放送していたTBSCBCMBSは「昼ドラ」以外に「昼の帯ドラマ」や「昼帯ドラマ」の表現を用いることもあった[4]アメリカでは類似の番組ジャンルをソープオペラ (soap opera) と呼ぶ。

概要[編集]

石鹸洗剤メーカーがスポンサーに就く事が多い為、米国では「soap opera」(ソープオペラ)と称される。(しかし厳密な翻訳としては昼ドラ=soap operaではなく、昼ドラという別個の英語表現も可能である。)[8]これは、主婦に商品を売りたい石鹸洗剤メーカーの意向とも言われるが、アメリカにおける初期のソープオペラに石鹸会社の話があったのが本当の理由である。日本では、P&Gが「東海テレビ昼ドラ」の筆頭スポンサーを務めている。かつてTBSで放送されていた愛の劇場には花王が、ドラマ30ひるドラにはP&Gが、ライオン奥様劇場ライオンがスポンサーとなっていた。

英米の昼ドラは地域社会や職場を舞台にした群像劇となっており、家族問題や社会問題を織り交ぜ、出演者の入れ替えを繰り返して展開してゆく。作品によっては50年に渡って放送されている作品もある。

撮影はセットごとに行われるため必ずしも時系列に沿ってはいない[9]。このため出演者であっても今どの時期を撮影しているのか完全には把握出来ず、撮影したシーンをオンエアでみて初めて理解できるといわれている。出演者の中には「パズルを組むようだ」と表現する者もいる。また、出演場面が多い主役クラスの俳優達は通常のドラマ撮影より拘束時間が長く、それを機に結婚することもあれば、離婚に至ることもあると評されることがある。家庭生活を犠牲にしがちで、すれ違いが多くなるからだと言われているが、真偽の程は定かでない。

アメリカのプロレス団体であるWWEが放送するテレビ中継が、所属レスラー同士での愛憎劇などが繰り返されることから、ソープオペラと呼ばれている。

日本[編集]

日本の昼ドラは大別すると、「家族・親子の愛情譚(たん)」、「男女の関係において、演劇的に誇張された愛憎劇」、「(温泉地や病院といった)労働の現場における奮闘劇」を題材にしている。ほぼ例外なく中高年の主婦層を意識して製作されており、女性キャラクターの視点を中心に描かれる作品が圧倒的に多い。

人気のある作品は何年かにわたってシリーズ化されたり続編が制作されることがある(例「天までとどけ」、「大好き!五つ子」、「はるちゃん」など)。さらにDVD・書籍・関連グッズの発売(例「ラブレター」など)、映画制作(例「砂時計」など)など、派生した展開が行われることもある。

現在、フジテレビ系列が東海テレビ制作の昼ドラの1枠が存在する。

通常、放送は月曜〜金曜の帯枠であることから放送回数は「40・45・60回」など5の倍数となっており、特別編成により通常時間帯に放送できなかった場合は、曜日・時間変更を行って放送するが、状況によっては元から放送回数を減少させているケースもある。一例として「ナツコイ」・「大好き! 五つ子」に関しては、北京オリンピック中継があった2008年8月22日はあらかじめ休止としていたため、放送回数も1話ずつ縮少(ナツコイ=全44話・大好き! 五つ子=全34話)となっていた。

歴史[編集]

1960年代は、TBSポーラテレビ小説」、フジテレビライオン奥様劇場」を初め、各放送局がこぞって昼の帯ドラマを放送していた[10]。その他、15分枠としてMBSが制作する「妻そして女シリーズ」、CBCが制作する「昼の連続ドラマ」を連続して放送していた。また1964年1月 - 1966年11月には、ABC制作で牛乳石鹸一社提供の昼の帯ドラマ(正式タイトルは不明)を放送していた[11]

TBS系列(TBS、MBS、CBC)制作の作品は、1970年代は第1作目(1969年)[12][13]女の絶唱』にみられるような「よろめきドラマ[14]」が主流で[12]、それ以降は家族や主婦を題材にした感動作やコメディー、人情ものが主となった。1980年代には 『わが子よ』などに代表される社会派が目立ち[12]、同年代後半以降の7〜8月は夏休みと重なるために親子で鑑賞出来るテーマを用いた作品が多かった。

一方、東海テレビ制作の作品は、かつては「愛の劇場」と同路線のホームドラマや、NHKの「連続テレビ小説」のような女性の一代記的な内容の作品が中心で、「日日の背信」「渚より愛をこめて」のような昼メロ路線[15]の内容も複数放送されていた。1986年の「愛の嵐」以降、ドロドロ路線(女性が好む愛憎劇を売り物にする)のドラマが主体となり、2000年代でも「真珠夫人」(2002年)、「牡丹と薔薇」、「愛のソレア」(いずれも2004年)、「冬の輪舞」(2005年)などがあり、グランドロマン昼メロとも呼ばれた。あまりにもインパクトが強いため、「昼ドラといえば愛憎劇」として市民権を得て、2000年代後半までは「昼ドラのよう」といったら大概この愛憎劇的であることを指していた。2009年以降は愛憎劇以外にも、純愛物・時代物・ファンタジー物・アクション物などの作品を放送し、愛憎劇偏重の路線から変化を図っている。

TBS系制作の帯ドラマ2枠(ドラマ30は主にMBS制作のもの)でも、2000年代以降には再び愛憎劇を取り入れる作品があり、特に2005年10月17日-11月25日までは愛の劇場「貞操問答」と、ドラマ30「デザイナー」(10月3日開始)の2本連続で愛憎劇が続くことになったほか、東海テレビも「緋の十字架」を10月3日から12月28日まで放送していたことから13時台の3つの帯ドラマ枠は全て愛憎劇で占められる形となっていた。

一方で、「砂時計」(2007年)、「ラブレター」(2008年-2009年)のようなドロドロ路線とは反対の純愛路線のものが放送され、人気を集めることもある。

2000年代以降、各局とも地上デジタルテレビ放送の設備投資費用に多額の出資をしていることや広告費の減収などが起因する経営状況の悪化から、TBS系は『制作費のコストカット』と2009年4月の大改編平日18時~20時の新ニュース番組新設が軸の大規模な番組改編)を理由に、2009年3月末に月曜~金曜13時台のドラマを廃止し、2009年4月からは大型情報番組「ひるおび!」となった。その動向からテレビ東京はそれまで11:50~12:26の枠に放送されていた『Lドラ』を2009年4月以降、かつての『愛の劇場』と同じ13:00~13:30の枠に移動したが、2010年春改編を持って打ち切りになった。

放送枠・作品[編集]

日本テレビ系列[編集]

日本テレビ昼1時枠帯ドラマ(日本テレビ制作)
日本テレビ昼1時15分枠帯ドラマ(日本テレビ制作)
よみうりテレビ制作昼の帯ドラマよみうりテレビ制作)
北日本放送制作昼の帯ドラマ北日本放送制作)
愛のサスペンス劇場(日本テレビ制作)
女の劇場(日本テレビ制作)

テレビ朝日系列[編集]

女シリーズ(毎日放送制作)
ライオン女性劇場(NET制作)

TBS系列[編集]

ポーラテレビ小説
TBS・ABC平日昼1時枠の連続ドラマ(TBS・ABC制作)
テレビ映画 (TBS系昼ドラ)(TBS・ABC制作)
TBS平日昼1時30分枠の連続ドラマ(TBS制作)
愛の劇場(TBS制作)
妻そして女シリーズ(MBS制作)
CBC制作
ドラマ30ひるドラ(MBS・CBC制作)
TBS平日昼2時枠の連続ドラマ(TBS制作)

テレビ東京系列[編集]

Lドラ

フジテレビ系列[編集]

フジテレビ平日正午枠の連続ドラマ(フジテレビ制作)
お昼のテレビ小説(フジテレビ制作)
ライオン奥様劇場(フジテレビ制作)
東海テレビ制作
フジテレビ平日昼1時45分枠の連続ドラマ

アメリカ合衆国[編集]

現在3大ネットワークで放送されているものを挙げる。ほとんどの作品は1時間番組となっている。たとえば東部標準時地域のABC系列局では13,14,15時台をソープ・オペラに充てているが、系列局によって放送される時間が異なることもある。リストは各局それぞれ放送開始時期が早い順に並べている。

作品[編集]

CBS[編集]

NBC[編集]

ABC[編集]

イギリス・英連邦[編集]

イギリスオーストラリアは、同じ英語圏・同じイギリス連邦ということもあり、二国間で番組の輸出入が行われている。総じて放送時間は30分以内で、放送時間は夕方のニュース番組が放送される時間帯。コロネーション・ストリート(Coronation Street)のように午後8時に放送されるものもある。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c 会員限定:昼ドラ45周年記念クリアファイルプレゼント - 東海テレビ 昼ドラ倶楽部 2009年8月25日
  2. ^ a b c d e 東海テレビ放送 社長記者会見 2009年3月11日 (PDF)
    東海テレビ放送 社長記者会見 2010年3月10日 (PDF)
  3. ^ a b 会社案内(東海テレビ採用2011)
    制作局 東京制作部(東海テレビ採用2011)
  4. ^ a b 愛の劇場 よい子の味方:みどころ TBS公式サイト、制作発表レポート 吾輩は主婦である公式サイト
    ドラマ30 メモリー・オブ・ラブ:みどころ TBS公式サイト、ドラマ30 暖流:みどころ TBS公式サイト
    森三中の村上知子が11月スタートのTBSの昼帯ドラマに初主演!羞恥心・野久保直樹と新婚夫婦に! TBS HOT情報 2008年8月5日
    TBS系の昼帯ドラマ「みこん六姉妹」に出演中の はしのえみ YOMIURI ONLINE・読売新聞 2006年10月23日
  5. ^ 一攫千金夢家族 第一シリーズ公式サイト、04年5月、井上社長定例記者会見の概要について TBS総務局広報部 2004年05月27日
    スタッフ 吾輩は主婦である公式サイト、2008年3月期 中間決算説明会 (PDF) 東京放送 2007年11月16日
  6. ^ 舞台「インディゴの夜」名古屋公演(東海テレビ)
    東海テレビワンセグ
  7. ^ 明日の光をつかめ|トピックス
  8. ^ 『アクターズ・スタジオ・インタビュー』(ジェイムズ・リプトン)早川書房,2010
  9. ^ プロデューサー日記(橋本孝、2006年1月9日) ガチバカ!公式サイト
  10. ^ 昼ドラではないが、よみうりテレビも、朝の連続ドラマと題して帯ドラマを放送したこともあった。
  11. ^ この後、「シャボン玉寄席」→「シャボン玉プレゼント」なっていた。
  12. ^ a b c 『特集ワイド:昼ドラ社会学 TBS系「愛の劇場」、愛届け40年に幕』- 1(参考資料) / 2 / 3 毎日新聞東京夕刊 2009年1月8日、毎日jp 2009年1月8日
  13. ^ 愛の劇場 最後の作品は「大好き!五つ子」に決定!! TBS HOT情報 2009年1月29日
  14. ^ ベストセラーから生まれた流行語 > ベストセラーと「雰囲気」 > ◆よろめき 月刊基礎知識(現代用語の基礎知識)2005年1月号
  15. ^ 東海テレビ制作「昼帯ドラマ」リスト

関連項目[編集]