ソロヴィヨーフ D-30

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ソロヴィヨーフ D-30
ツポレフ Tu-134Aに搭載されたソロヴィヨーフ D-30 シリーズ II
イリューシン Il-76に使用されたアフターバーナーを搭載しない民間型のD-30
ツポレフ Tu-154に使用されたアフターバーナーを搭載しない民間型のD-30KU-154

ソロヴィヨーフ D-30(Soloviev D-30)はソビエト連邦ソロヴィヨーフにより開発された2軸式低バイパスの公式にはバイパス式ターボジェットというターボファンエンジンである。D-30は離陸時やアイドル時の独特の騒音で知られる。超音速アフターバーナー仕様のD-30F6MiG-31要撃機で使用され、アフターバーナーを備えない民間機仕様のD-30KPD-30KUは、イリューシンIl-62MツポレフTu-154M旅客機やイリューシン Il-76MD, TD貨物輸送機で使用され、D-30IIやD-30PはTu-134に採用されている。

概要[編集]

2軸式の低バイパス比ターボファンエンジンであり、バイパス比は1.0(D-30P)。離陸時とアイドリング時に独特の騒音を発する。アフターバーナー搭載の超音速仕様の派生型であるD-30F6はMiG-31迎撃機に使用された。アフターバーナーを持たない民間仕様のD-30KpとD-30KUはイリューシンIl-62M旅客機ツポレフTu-154M旅客機、イリューシンIl-76貨物輸送機に搭載され、D-30IIやD-30PはTu-134に採用されている。

設計と開発[編集]

1970年代半ば、ソ連ではMiG-25フォックスバットを更新する高速要撃機の研究が始まった。MiG-25の備えていた2基のツマンスキー R-15ターボジェットエンジンは上空でマッハ3を出す事が出来、非常に強力ではあったが、高空・高速仕様に特化しているほか、低空においては性能が落ち、マッハ1を超えることすら出来ず、もっと深刻な問題に、耐久性が不足し高速飛行時での最大出力時にはエンジンが破損する場合があった。[1]MiG-31(NATOでの名称はフォックスハウンド)として知られる新型迎撃機には低空性能も優れた新しいエンジンが求められた。ミコヤン・グレヴィッチ設計局ではソロヴィヨーフ設計局に低バイパス比のターボファンエンジンの開発を要請した。これに答え、ソロヴィヨーフはD-30F6ターボファンを開発した。推力は9,500 kgf (20,900 lbf又は93 kN)、アフターバーナー使用時には15,500 kgf (34,200 lbf or 152 kN)に達した。新型エンジンの搭載によりミグの最高速度は1,800 mph、離陸時の最大重量は101,000 lb (45,800 kg)に達した。これらの強力なエンジンにより大型迎撃機のMiG-31に高度5000フィート以下の空気抵抗の大きい低高度において超音速飛行を可能にした。

搭載機[編集]

アフターバーナー搭載型のD30-F6は非常に強力なエンジンで大半の航空機には高出力過ぎた。その高出力故に、搭載機は限られた。2009年現在、搭載している機体は、ミコヤンMiG-31スホーイSu-47(公式にはS-37)ベルクト実験機のみである。しかしながらSu-47は、まもなく近代的なNPOサトゥールンAL-37FU推力偏向型ターボファンエンジンに換装される予定である。アフターバーナーを備えない民間機仕様のD-30KpD-30KUは、イリューシンIl-62MツポレフTu-154M旅客機やイリューシン Il-76MD, TD貨物輸送機と中国空軍H-6 爆撃機Y-20 輸送機で使用され、D-30IIやD-30PはTu-134に採用されている。

仕様 (D-30KU-157)[編集]

出典:[2]

一般的特性

  • 形式: 2軸式 アフターバーナー非搭載 ターボファン
  • 全長: 4.836 m
  • 直径: 57.3 in (1.46 m)
  • 乾燥重量: 5082 lb (2305 kg)

構成要素

  • 圧縮機: 軸流式, 3段 ファン/低圧圧縮機, 11段高圧圧縮機
  • 燃焼器: カン型
  • タービン: 2段高圧タービン, 4段低圧タービン

性能


出典[編集]

  1. ^ Barron 1980, pp. 169–171.
  2. ^ Gas Turbine Engines. Aviation Week & Space Technology Source Book. pg. 122.
  1. Jane's All The World's Aircraft 1995

外部リンク[編集]