ソルバトクロミズム

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ソルバトクロミズム(Solvatochromism)は、溶媒極性の変化によってその化学物質の色調が変化する現象のことである。溶媒の極性の増加によって、負の溶媒和発色は浅色移動し、正の溶媒和発色は深色移動する。ソルバトクロミズムの兆候は基底状態励起状態間の染料分子の双極子モーメントの違いに依存する。

ソルバトクロミック効果またはソルバトクロミックシフトは溶媒極性とともに吸収・発光スペクトルの強い依存を示す。発色団の基底状態と励起状態の極性が異なるので、溶媒極性の変化は異なる基底・励起状態の安定化を導き、電子状態のエネルギーギャップが変化する。その結果、吸収スペクトルの位置、強度、そして形状の変化は、溶質と溶媒分子の間の特異性相互作用の直接的な測定をすることができる。

フランク=コンドンの原理(光吸収の間はその原子核間距離が変わらない)のため、その励起状態の溶媒シェルは励起状態分子(溶質)との平衡にはない。実際には、基底状態イオン対の電荷移動遷移は吸収スペクトルにおいて最大の変化を与えるため、溶媒極性の計測に役立っている。

正のソルバトクロミズムの例、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)フクソンは非極性のトルエン中では橙色、やや極性のあるアセトン中では赤色、極性の大きいメタノール中では赤紫色を示す。

負のソルバトクロミズムの例、2-(4'-ヒドロキシスチリル)-N-メチル-キノリニウムベタインは、非極性のクロロホルム中では青色、極性のある水中では血赤色を示す。また、ヨウ化 4-(4'-ヒドロキシスチリル)-N-メチル-ピリジニウムはn-ブタノール中では紫色、1-プロパノール中では赤色、メタノール中では橙色、水中では黄色を示す。